犬はペットショップでどんな生活を送っているの?

犬はペットショップでどんな生活を送っているの?

かわいい子犬が並んでいるペットショップ。子犬たちの姿をガラスの向こうで見ると、つい笑みがこぼれてしまいますよね。そんなペットショップで犬たちは、どのような生活を送っているのでしょうか?また、ペットショップに隠された問題点とはどのようなものなのでしょうか?

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犬がペットショップに来るまで

寝ているMダックスの子犬

ほとんどのペットショップでは、契約しているブリーダー、繁殖業者から子犬を買い取るか、競りにて購入して店頭で販売を行っています。

以前は生後45日以降の子犬がペットショップにやってきていましたが、あまりにも幼い子犬を母犬や兄弟犬から引き離してしまうことは、アレルギーや社会化不足など、様々な問題があると考えられ、『動物の愛護及び管理に関する法律』が一部改正され、平成25年9月1日から施行されました。

改正後は「生後56日(8週齢)に満たない犬猫の販売、引き渡し、展示は禁止」とされ、健康や社会性を養うのに重要な週齢をできるだけ親元で過ごさせるようになりました。

犬がペットショップで過ごす一日

ロープを噛んでいる子犬

ワクチン接種/食事/健康管理

ペットショップで最も大切なことは、子犬の健康を守ることです。子犬の時期はワクチン接種が完了しておらず、免疫力が低い状態であることも多いため、病気にかかりやすいと考えられます。

更にペットショップには、多くの子犬や子猫を始め、様々な動物がおり、不特定多数の人間が出入りしています。そのため、いつどのような病気に感染するかわからない、ある意味非常に危険な環境とも言えるのです。

そんな中で健康な体を育てるために、週齢にあった食事と、十分な睡眠をとらなければなりません。しっかりと休息を取り、ストレスを抱えないようにするため、動物愛護法の改正で「犬猫の夜間(20時~翌8時)展示が禁止されるようになりました。

他の犬と遊ぶ/社会化

ペットショップにいる子犬は、病気を避けて健康を守るとともに、他の犬や人に慣れるなど、社会性も身につけなければなりません。
生後3~4か月頃までの「社会化期」に、どれだけの人、犬、物に触れ合い、受け入れることができたかで、その後の犬の気質や行動が変わるとも考えられています。

そのため、ペットショップ内で病気感染がない子犬同士で遊ばせ、清潔な環境下で店員さんと触れ合い、社会性を身につけていきます。また、最近では『パピースクール』などと称して、社会化とともに、トイレや甘噛みのしつけなどを行っているペットショップもあるようです。

ペットショップの犬の売れ残りはどうなる?

フレブルの子犬

かわいい子犬が見られるペットショップですが、実は様々な問題があるとされ、近年議論の的にもなっています。
子犬の販売ピークは生後3か月とされ、やはり小さければ小さいほど人気があり、高値がつきやすい傾向にあります。では反対に、その時期に売れなかった、いわゆる「売れ残り犬」はどうなってしまうのでしょうか?

小さな子犬がガラスケースの中にいるそばで、床に置かれたサークルなどに、やや大きめの子犬が入れられている光景を見たことがあると思います。

生後5か月頃を過ぎた子犬は、がくんと販売率が下がると言われており、価格も一気に引き下げられます。ペットショップとしてはできるだけ子犬が売れ残ってしまわないよう、1万円など非常に安い値段をつけて売り切りを目指します。

それでもなお売れなかった犬は、無料で譲渡先を探したり、ペットショップでそのまま買われたり、仕入先に戻されて繁殖犬になったります。しかしそのような需要もないなど、最悪の場合は殺処分の対象となってしまうのが実情です。

ペットショップの犬の生活まとめ

カートを押すチワワの子犬

実はガラスケースに、生後間もない子犬が並ぶ日本のようなペットショップは、世界ではあまり見られない光景です。
一部の動物愛護先進国では、そのような販売方法は禁止され、虐待とみなされることもあるのです。そのため、日本の中でもペットショップはなくなった方がいい、などという議論もしばしば行われます。

しかし一度根付いた文化や慣習をなくし、全く新しい方法に移行させるということは、そう簡単なことではありません。そのため、ペットショップを含むペット産業界でも様々な模索が行われ、ペットショップでかかる子犬たちへの負担をいかに減らすか、などということが考えられ、試行錯誤が行われています。

子犬たちを気軽に購入できる反面、実は様々なリスクを抱えることになるペットショップ。ここで生活する子犬を守り、飼い主となる人たちに、正しい犬の知識と考えを身につけてもらうため、今後もできることがまだまだあると信じています。

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