パーソナルスペースとは?
みなさんは、「パーソナルスペース」という言葉を聞いたことはありますか?
パーソナルスペースとは、他者に侵入されると不快、不安に感じる空間のことで、人間の場合一般的には両手を伸ばし、体を中心として円を描いたときの広さがパーソナルスペースの基本とされています。
パーソナルスペースは一種の縄張りで、人間の場合「対人距離」とも呼ばれますが、その広さは女性に比べて男性の方が広い傾向にあるとされています。
しかし、置かれている場所の文化や環境、そのときの状況、年齢、性格などによって個人差が大きいのが特徴。
また、対峙する相手によってそのスペースの広さが変わるのが一般的です。
恋人や家族などごく親しい相手ほど、侵入を不快に感じるパーソナルスペースが狭くなり、敵視している相手に対しては、広いパーソナルスペースを必要とします。
一般的なパーソナルスペースの例
密接距離(恋人や家族などごく親しい相手との距離):0~45cm
個体距離(友人、知人との距離):45~120cm
社会距離(あまり知らない他人同士の距離):120~350cm
公共距離(1対1ではなく複数に対峙する距離:350~700cm
犬のパーソナルスペースはとても重要!
人間に限らず、どのような動物にもパーソナルスペースがあると考えられています。
特に野生動物などにとって、パーソナルスペースは命を守るためにも必要となる非常に重要なもので、言葉を持たない動物にとっては、人間以上に敏感になる問題。
犬の場合も、パーソナルスペースを守ることが自分の身を守ることにつながるため、その侵入を様々な方法で防ごうとするのです。
犬のパーソナルスペースも人間と同様でそれぞれの性格や状況、対峙する相手によって大きく異なります。
そのため、愛犬や外で出会った犬のパーソナルスペースを犬たちの様子からある程度予測し、その距離をしっかりと守ってあげることが大切です。
特に臆病な犬にとって、パーソナルスペースを侵害してくる相手は恐怖の対象であり、敵としてみなしてしまうこともあるでしょう。
犬たちと友好的かつ信頼し合える関係を築くためには、パーソナルスペースを理解して、きちんと守って接することが重要なポイントとなります。
犬との上手な距離の取り方
子犬の頃から飼っている、また長い期間飼っている愛犬の場合は、人間でいう「密接距離」のパーソナルスペースで過ごすことができることが多いと考えられます。
しかし、犬の性格やそのときの状況によって、そのスペースが広がるということも考えられるので、犬の様子を確認しながら適切な距離を保って過ごすことが大切です。
また、散歩中などに初めて会った犬と接するときもパーソナルスペースには十分注意しなければなりません。
犬の様子に関わらず強引に距離を縮めてしまうと、その犬に対して恐怖感や不安感を与えてしまい場合によっては逃げてしまったり、威嚇や攻撃を受けてしまったりすることもあるので気をつけなければならないのです。
距離を縮めて近づいたときに、犬が尻尾や耳を下げたり、軽く後ずさりしたり、視線を外さずこちらの動きを凝視しているような様子が見られたら、犬がややその距離に不安を感じ始めていることだと理解してください。
また、手を避けようとしたり別の場所に移動したり、目の前であくびをしたりする行動が見られたら、「これ以上近づかないでほしい」と思っていると考えるといいでしょう。
もちろん近づくことで吠える、唸る、歯を剥くなどの威嚇行動が見られた場合は、すぐに距離を広げてパーソナルスペースの侵害をやめるようにしましょう。
そのようにして、パーソナルスペースを理解していることが分かるような行動を続けていれば、犬も警戒心を解いて信頼してくれるようになり、パーソナルスペースが狭くなる可能性も明らかにるのです。
犬との上手な距離の取り方まとめ
私たち人間が他者と適切な距離で接したいと考えるように、犬にも同様の考えがありそれぞれのパーソナルスペースを持ちます。
犬にとってのパーソナルスペースはとても重要なもので、それを理解して適切な距離を守って接することのできる相手に対しては信頼感を高めていき、反対にパーソナルスペースを侵害してくる相手に対しては、より強い警戒心を持つようになっていきます。
愛犬との関係性を深めるため、また初対面の犬と仲良くなるためには、その犬のパーソナルスペースを即座に理解して守り、犬の方から距離を縮めてくれるのを待つようにするといいでしょう。