保護犬を引き取るとき、どのような覚悟が必要なのか
私の愛犬の男の子は元保護犬です。
1か月以上もの間、ひとりぼっちで放浪生活を送っていました。
「もう1か月もここにいるんだ。かわいそうだ。」と祖父から聞き、保護しました。
捨て犬であることはわかっていましたが、もしかしたら迷子かもしれないという思いもありました。1年間、飼い主さんを探したのですが見つからず、正式に家族として迎えることになりました。私が保護犬を家族に迎えたとき、どのような覚悟をしたのか。
保護犬を引き取るとき、どのような覚悟が必要なのかということについてお話したいと思います。
保護犬を引き取るときに必要な覚悟
1.人に慣れないかもしれない
うちの元保護犬の男の子は家族以外の誰も触れることができません。近づくことさえできません。同居している犬と猫以外の動物と、仲良くすることができません。
なので、お散歩のときは他の犬とすれ違わないようにしています。
犬と暮らしたら、一緒にドッグランへ行こう、一緒にドッグカフェへ行こう、一緒に旅行をしようなどと楽しみにしている方もいらっしゃると思います。
しかし、保護犬の中には心の問題を抱えている犬がいます。
時間をかけても解決することができないことがあります。
2.病気を患っているかもしれない
保護団体や、保護施設で保護されている犬なら大丈夫と思われている人も多いようですが、予算の都合や人手不足などから、保護犬を病院へ連れて行けないケースもあります。
飼育放棄によって保護されている犬がいます。
栄養不足や不衛生な環境におかれていたことで、病気を患っている可能性があります。
もし、保護犬を引き取った後に病気が発覚したらどうでしょう。
しっかりと適切な治療を受けさせてあげることができるでしょうか。
生涯ずっと付き合っていかなければならない、完治することのない病気であったとしても、家族として最期のときまでお世話してあげることができるでしょうか。
3.高額な医療費を自己負担しなければならないかもしれない
ペットショップから迎えた愛犬の女の子は、私が希望した保険に加入しています。
医療費の自己負担を減らすことができるので、高額な治療費が必要になったときに助かります。
しかし、元保護犬の男の子は希望する保険には、加入することができませんでした。
生年月日や年齢が全くわかりません。
調べようもありません。
持病などは一切ありませんが、私が「この保険に加入させたい!」と希望した保険への加入はできないと断られてしまいました。
全ての保護犬が、保険に加入することができないわけではありません。
生年月日や年齢や病歴がわからない犬の場合も、一定の条件を満たすことができれば加入することができる保険もあります。
私も、希望する保険には加入することができませんでしたが、他の保険には加入することができました。
保険に加入することができない、もしくは希望する保険に加入することができないということは、高額な医療費を自己負担しなければならない可能性があるということです。
保護犬を引き取ったとき、その医療費を負担してあげることができるでしょうか。
4.意外とかかる飼育費用
1.食費
毎日の食費がかかります。
うちは超小型犬と中型犬ですが、ドッグフードだけで1か月の食費は1万円くらいです。
その他にもサプリメントや野菜や果物や肉などを買うので、プラス1万円~2万円くらいかかります。
与えるドッグフードによって食費は大きく変わりますが、健康と長生きのためにはより良い食事を与えてあげたいですよね。そう考えると、どうしても費用が膨らんでしまうものです。
2.医療費
健康な犬にも、毎年必要な医療費と毎月必要な医療費があります。
- 年に1回の狂犬病予防注射の費用
- 年に1回の混合ワクチン接種の費用
- 4月~12月頃までに必要なフィラリア症予防薬の費用
- 一年を通して必要なノミやマダニの寄生予防薬の費用
- 毎月のトリミング代
- 定期的な健康診断にかかる費用
3.お世話グッズ
- 首輪
- リード
- ハーネス
- 食器
- おもちゃ
- トイレシート
- ベッドやお布団
- ケージやクレートやキャリーバッグ
- ブラシ(ブラッシングお手入れ用)
- 歯ブラシと歯磨粉
挙げたらキリがないほどのお世話グッズがあります。
犬種によって必要なお世話グッズも変わるでしょう。
まとめ
「犬を飼うときは、保護犬を引き取ろうと思ってるの」と簡単に口にする人がいます。
私の周りにもたくさんいます。
そんなとき、ご紹介した4つの私が「覚悟してほしい」と思うことを伝えます。
こんなことがあるけど大丈夫?と聞きます。ほとんどの人が戸惑った表情をします。
1.2.3.に関しては保護犬特有の内容だと思います。
4.に関しては全ての犬に共通する内容だと思います。
保護犬を引き取るにしても、ペットショップやブリーダーから迎えるにしても、想像以上の覚悟が必要だと思います。一緒に暮らしてみると、覚悟していた以上の出来事が起こります。
最も覚悟してほしいことは、「最期まで一緒に暮らす」ということです。
老いて寝たきりになってしまっても、どんなことがあっても手放してはなりません。