ニューオーナーシンドロームとは
聞き慣れない言葉ですし、初めてニューオーナーシンドロームという言葉を目にしたという方も多いのではないでしょうか。
この言葉をよく見てみてください。
「ニューオーナー」とは、「新しい飼い主」という意味があります。
つまり、新しい飼い主さんのもとで暮らすことになったことで、不安や恐怖やストレスを感じ、犬が体調を悪くしてしまうことを意味しています。
“子犬を迎えるときは、ニューオーナーシンドロームに注意しましょう”とよく言ったりするのですが、成犬に対しても同じことが言えます。
何らかの事情によって、新しい飼い主さんのもとで暮らすことになったとき、成犬にも同じようにニューオーナーシンドロームの症状が起きる可能性があります。
ニューオーナーシンドロームの症状
ニューオーナーシンドロームは、不安や恐怖やストレスによって精神的な症状が起きます。
どのような症状が起きるかは、犬によって異なるため、必ずこの症状が起きますとは言えません。予測していなかった症状を引き起こす可能性もありますので、犬の様子を細かくみてあげる必要があります。
起こる可能性の高い症状
ほんの一部ですが、ニューオーナーシンドロームによって、起こる可能性の高い症状をいくつかご紹介しましょう。
- 元気がない
- 食欲がない
- 嘔吐する
- 下痢をする
嘔吐や下痢が続く場合には、病院へ連れて行ってあげることをおすすめします。
子犬の嘔吐や下痢は、成犬の場合の場合と同じように考えてはいけません。下痢が続き食欲がなくなると、脱水症状や低血糖を起こしてしまい亡くなることもあります。下痢が続くと腸重積や直腸脱を起こしてしまうこともあります。
特に子犬は免疫力が弱く、体力もありませんので、症状があらわれたらすぐに病院へ連れて行ってあげた方が、飼い主さん自身も安心できると思います。
ニューオーナーシンドロームを起こさないための対策
新しい飼い主さんや家族や環境、犬にとっては全てが新しいものであり、初めて触れるものです。すぐに慣れてくれる犬もいますが、明るく振る舞っているようで、実は大きな不安を抱えているという可能性もあります。
新しい飼い主さんのもとへ来てから、数日間はニューオーナーシンドロームが起きやすいとされています。
対策①「構いすぎないようにする」
慣れてもらうためにも、たくさん構ってあげたくなりますよね。
スキンシップやコミュニケーションだと考えて、たくさん話しかけたり、抱っこしたり、遊んであげようとすると思います。
しかし、その構いすぎが犬にとっては大きなストレスになってしまうことがあります。
犬の方から来たときは構ってあげても良いと思いますが、ケージや寝床から出てこようとしないのを、無理やり出してまで構う必要はありません。そっと見守ってあげましょう。
対策②「たっぷりと睡眠をとらせてあげる」
新しい飼い主さんのもとへ来た犬は、ストレスなどから疲れてしまい、寝ていることが多くなります。特に子犬の睡眠時間は18時間以上と長いです。
起こしたり、無理にお散歩へ連れて行ったりはせず、たっぷりと睡眠をとらせてあげましょう。
対策③「しつけを急がない」
新しい飼い主さんや、家族や環境にしっかり慣れるまでは、しつけを始めなくても大丈夫です。
しつけに早いも遅いもありませんし、しっかり慣れてからしつけを行っても問題はありません。
トイレトレーニングを行うまでは、粗相や失敗をしてしまうことがあるかもしれませんが、叱ったりせず、「トイレはここだよ」と誘導してあげる程度にしましょう。
まとめ
元気がない、ごはんを食べてくれない、そんなときはすぐに病院へ連れて行っても構いません。
元気もなく、ごはんも食べてくれないのであれば、飼い主さんも不安で仕方がないですよね。
その飼い主さんの不安が犬にも伝わってしまい、体調を悪くしてしまうこともあります。
特に初めて犬と暮らすという方であれば、獣医さんに相談し、アドバイスをもらうことで上手く対処することができるのではないでしょうか。