信頼関係を築くメリット①: しつけが上手くいく
犬を飼う際は人間社会に適応して生活していけるよう、また家族の一員として生活していけるようにしつけをする必要があります。
子犬のしつけはもちろん、成犬のしつけの場合も言葉が通じない相手にこちらの思惑を上手に伝えるのは至難の技です。トイレの場所を教えるのにも根気よく、何度も繰り返して教えなければいけません。
しかしここで重要になってくるのがお互いの信頼関係です。
犬はリーダーについていく
犬はもともと優れたリーダーのもとで群れを作り集団生活する生き物です。リーダーは冷静で、公正で、群れの安全と利益を考えて全体を導きます。そのため群れの個体はリーダーを信頼し、それについていくのです。
人と生活するようになった犬も同様です。自分の食を確保してくれ、安全な寝床や安心を提供してくれる飼い主を犬はリーダーとして信頼します。リーダーの言うことに従おうとするため、犬の方からコミュニケーションをとろうとしてきます。
信頼する人の声を聞き、表情を読み、飼い主の言いたいことを理解しようするため、何か困ったことや不安なことが起こったときにリーダーの行動に従おうとしたり、リーダーの望む(好む)行動を起こそうとするのです。
信頼関係を築くメリット②:お互いのストレスが減少する
犬との信頼関係が出来上がっていると、犬は飼い主をリーダーとして考えるため、その望まないことは極力避けるように行動するようになります。リーダーに敵対する行動をしたり、望まない行動をすると自分にとって不利益なことがあることを分っていて、それを避けるためでしょう。
人が信頼に足る行動をしていないと犬は自分がリーダーになろうとします。
犬が家族のリーダーになると…
リーダーとなった犬はとても大変です。群れ(家族)を守るために始終神経を張り巡らせていなければいけません。
散歩の途中では、通りかかる犬すべてに吠えかかったり、道端のにおいを嗅ぎまわったり落ち着く暇はありません。
家の中でも不審な物音には耳をそばだて、窓を影が横切ればなわばりに侵入されたと威嚇し、おもちゃを片付けられたら腹を立て噛みついたり。
これでは安心できる家の中でさえ、リラックスしているとはいいがたい状況です。
このような状況が続くと、人のストレスもそうですが実は犬も相当ストレスが溜まっている状態となります。
そのため、犬の心の負担を軽くしストレスを和らげる意味でも、犬に信頼されるリーダーになる必要があるんですね。
犬に信頼されないとどうなる?
犬に信頼される飼い主になっていない場合、先述したとおり犬は自分がリーダーになろうとしてしまいます。すると普通に生活しているだけで犬のストレスはどんどんたまっていってしまいます。
- 外に出れば外敵からこの頼りない人間を守ってやらなくてはいけない。
- 自分より大きい犬や敵が来たら威嚇しなくてはいけない。
- 家では敵の侵入を防がなくてはいけない。
- 自分のおもちゃは自分で守らなくてはいけない。
- 食事の時間を教えてあげなくては行けない。
このように様々使命感に燃えてしまっている状態なのに、飼い主は自分の言うことを聞かないし自分を信頼もしない。安らげる寝床もないし、いつも落ち着かずにイライラしてしまいます。
これでは人同士であっても相当なストレスになるとは思いませんか?
過剰なストレスがたまると、犬はそれを発散するためにさらに吠えたり、家具を壊したり人に噛みついたりといった問題行動を起こします。
これでは飼い主、犬のどちらもとても不幸です。
まとめ
言葉も生態も違う犬との信頼関係は一朝一夕には出来上がりません。しかしお互いに信頼をしあうことは重要です。
そのためにはまず犬の能力と個性を尊重し、穏やかな気持ちと誠実な態度、そして一貫した方針で犬に接してください。これらは犬の信頼を得るために大切な土台となり犬に「自分を信頼して良いのだ」と伝えるメッセージになります。
皆さんも信頼関係を築き、頼れるリーダーとなって犬と生活できるといいですね。