おやつの与えすぎによる危険性①肥満・栄養の偏り
おやつの与えすぎで、最も気になるのがやはり肥満です。
当然のことながら、食事とは別におやつを与えすぎると、1日の摂取カロリーが増えるため体重増加につながります。
もちろん、おやつの量に合わせて食事量や運動量を調整することができれば、肥満対策になりますが、そこまで徹底してカロリーコントロールをすることはなかなかむずかしいと思います。
特に、犬のおやつの場合は食事に比べて、ハイカロリーで太りやすい炭水化物が使われていることが多いので、大した量ではないと思っていても、肥満の原因になりやすいのです。
肥満は万病のもとであり、太りすぎによって様々な疾病リスクが生まれます。
また、クッキーやスナックなどのおやつの場合は、食事に比べてどうしても栄養が偏ってしまいがちです。
栄養が偏ることで体の調子を崩したり、内臓に負担をかけたりする可能性もあるのです。
さらに、ガムや骨などを与えすぎると、消化不良を起こしたり胃腸に負担をかけたりすることも多いので与えすぎは禁物です。
おやつの与えすぎによる危険性②偏食・要求癖がつく
おやつは風味が強く、嗜好性が高いため、喜んで食べる犬は多いと思います。
食の細い犬でも、おやつならば「もっともっと!」と欲しがる犬も少なくないでしょう。
ふだん食が細くて悩んでいる飼い主さんは、愛犬が喜んで食べている姿を見るととてもうれしくなるものだと思います。
そのため、ついつい犬が好むおやつばかりを与えすぎてしまうということも。
しかし、犬が好むおやつばかりを乞われるがままに与えてしまうと、その偏食傾向がさらに進み、余計に食事を食べなくなってしまうことがあるので注意が必要です。
また、おやつを犬の求めるままに与えることは、しつけの面においても問題となることが…。
吠えたり飛びついたりするなどして、犬が要求することで「はいはい、しょうがないわねぇ」と犬用のおやつや飼い主が食べているおやつなどをすぐに与えてしまうと、要求が通ることを覚えてしまいます。
特におやつという“しつけのごほうび”ともなる大好きなものが手に入るのですから、要求の姿勢はどんどん強化されていってしまいます。
次第に、要求してももらえないときには、吠え続けたり飼い主の手や服を噛んできたり、問題行動を起こす可能性もあるのです。
おやつの与えすぎによる危険性③虫歯・歯周病
私たち人間の場合ですが、いわゆる“ダラダラ食べ”は虫歯の原因になると言われています。
犬は虫歯にならないという話を聞いたことがあるかもしれませんが、絶対にならないというわけではありません。
また、人間と同様の虫歯菌による虫歯になりにくいだけで、歯周病や口臭などの口内トラブルは、犬でも多く見られます。
そのため、時間を決めずにダラダラとおやつなどを食べ続けていると、常に口内に食べ物や食べかすがある状態になりやすく、雑菌が繁殖して口内トラブルの原因となってしまいます。
犬の歯の治療は非常に難しく、歯肉炎や歯周病などで歯が抜け落ちたとしても、どうすることもできない場合がほとんどです。
歯が健康であることは、食事をしっかりと摂り、健康を維持するためにとても大切な要素。
歯や歯茎の健康を守るためにも、おやつの与え方には十分注意しましょう。
犬におやつを与えすぎることに関するまとめ
犬におやつを与えすぎることは、肥満や内臓疾患、歯周病など、健康をおびやかすトラブルを引き寄せるだけでなく、しつけや飼い主との関係性づくりにおいても、悪影響を及ぼす可能性があります。
ですが、おやつを喜んで食べる愛犬の姿を見るのは、飼い主としてはとてもうれしいものですし、コミュニケーションのひとつにもなるでしょう。
大切なのは、おやつの種類や与え方をしっかりと考えること。
太りやすい犬には、野菜などを使ったローカロリーおやつを与えるようにしたり、手作りしたりしてもいいと思います。
また、与える時間や頻度についても、飼い主さんがしっかりと管理、コントロールして「どれくらい食べたかわからない」というような状態にはならないように注意しましょう。
犬にとっておやつは決して害となるものではありませんので、与えてはいけないというわけではありません。
与えるものや与え方に注意して、愛犬の体と相談しながら、楽しいおやつタイムを過ごしてくださいね。