知ってる?犬の「吠え」の種類2つ

知ってる?犬の「吠え」の種類2つ

犬の無駄吠えにお困りの飼い主さんも多いでしょう。この無駄吠えには、犬の大切な気持ちが隠されています。犬の無駄吠えについてと、飼い主さんがすべき対策についてご紹介します。

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犬はなぜ吠えるの?

子犬のお世話をする母犬

野生動物はほとんど吠えない、鳴かないことをご存じですか?シマウマやキリン、ウサギなどがどのような声なのか、どのように鳴くのか、あまりイメージが湧かないですよね。

吠えたり鳴いたりという行為は、野生動物にとって必要がありません。獲物を追う側も、外敵から逃げる側も、吠えたり鳴いたりすることで、相手に見つかっては意味がないからです。

また食事に関しても、野生動物は、「自分の獲物は自分で守る」「仲間であろうと奪われるかもしれない」という環境で生きているため、吠えたり鳴いたりして食べ物をねだったとしても、無視されるのです。

では、野生のオオカミを祖先に持つ犬は、なぜ吠えるようになったのでしょうか?それは、人が犬の吠えに感化されすぎるためと考えられます。

子犬は本来ならば、母犬と暮らすことで生後2~3か月のころに離乳を終え、母犬は吠えられて食べ物をねだられたとしても、与えることはしません。このころに母犬や兄弟犬とじゃれ合うことで、コミュニケーションの仕方や甘噛みの仕方を学びます。しかし、この重要な社会化期の時期に、母犬や兄弟犬と離れ、人間とともに生活している犬は、どうでしょう。

日本人は、子犬を人間の赤ちゃんのように甘やかしたり、赤ちゃん言葉を使ったりする特色を持っているため、要求されるままに食べ物を与えたり、吠えるからといって構ったりしてしまいます。

犬の2~3か月は人間でいうと幼稚園児くらいなので、犬は「どうすれば飼い主が動いてくれるか」「どうすれば要求を受け入れるか」を分かっています。そのため、犬は吠える動物になったのです。

犬の吠え「要求咆哮」と「威嚇咆哮」

大きく口を開けて吠える子犬

犬の吠えは、「要求咆哮(ようきゅうほうこう)」と「威嚇咆哮(いかくほうこう)」に分かれます。咆哮とは「吠えること」を意味しますが、いわゆる「無駄吠え」ですね。この2種類の吠えには、それぞれ全く異なる気持ちが隠されています。

要求咆哮

  • 寂しい
  • 構って
  • 触って
  • お腹が空いた
  • 遊んで

要求咆哮は主に子犬にみられ、何かを要求するときや何かをしてほしいときに、こちらに来てほしくて吠えます。このときに叱ると、威嚇咆哮へ移行してしまう可能性があります。叱るのではなく、何を要求しているのかを観察しましょう。

威嚇咆哮

  • 不快
  • 危険
  • 気に入らない
  • 向こうへ行け

威嚇咆哮は、主に成犬にみられ、相手に来てほしくないときや避けたいときに吠えます。その対象は、人以外にも音や物など様々です。

まれに子犬も威嚇咆哮をしますが遊び程度で、本気で吠えていません。しかし、怖い思いをしたり嫌なことをされたりした場合は、生後2~3か月の子犬であっても本気で威嚇咆哮をします。それは飼い主であっても、威嚇の対象となります。

それぞれの咆哮を防ぐには

飼い主の指示を聞く犬

人と暮らしていく上で、やはり無駄吠えは防がなければならないもの。お互いがケガをしたり、嫌な思いをしたり、信頼関係が崩れてしまっては、幸せな生活を送ることができません。

過剰な要求咆哮をさせないためには

一番は飼い主が構いすぎないこと、つまり無視が効果的です。子犬が吠え始めたら、飼い主さんは別の部屋に移動するなどして姿を消しましょう。吠えが止んだら、犬の目の前に現れて褒めてあげます。これを繰り返すことで、一週間ほどすれば要求咆哮をしなくなるでしょう。

また、食事の要求咆哮にも気を付けなければなりません。子犬はお腹が空くと要求咆哮をしますが、このタイミングで食べ物を与えてしまうと、「吠える=食べ物をもらえる」と学習し、要求咆哮がエスカレートしてしまいます。「子犬だから仕方がない」「可愛いから許しちゃう」と、成犬になっても要求咆哮をするクセが抜けなくなってしまいます。

過剰な要求咆哮を防ぐには、飼い主さんの根気が必要です。愛犬のために心を鬼にして試してみましょう。

過剰な威嚇咆哮をさせないためには

犬が何に対して威嚇しているのか、何を避けようとしているのかを観察します。オモチャやオヤツを守るように威嚇咆哮をする場合は、物々交換をしましょう。目の前に別のオヤツを見せて気を引かせ、「ハナセ」「チョウダイ」などのコマンドを出したあとに交換をします。

爪切りやブラッシングを避けるために威嚇咆哮をする場合は、おそらく痛い、怖い思いをしたのでしょう。
そのため、爪切りやブラッシングへの認識を「イイコト」に変えてあげます。爪切りやブラシを犬の足先などに少し触れさせ、威嚇咆哮せずに我慢することができたらオヤツを与えます。少しずつ触れる秒数や部位を変えていき、イイコトに変えてあげましょう。

まとめ

おすわりの指示をする飼い主と犬

咆哮は、エスカレートする前に予防することが大切です。特に威嚇咆哮をよくする犬は、精神的に落ち着きがなかったり、ストレスが溜まっていたりする場合があるため、飼い主さんとの関係性や生活環境を見直してみるのもいいかもしれません。

また成犬は性格や習慣が固まっているので、直すのには時間がかかることを覚悟しましょう。

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