犬は人を見た目で判断するの?
犬は聴覚や嗅覚が非常に優れているということは周知の事実ですが、聴覚や嗅覚に比べると視覚は衰えているとされています。しかし、だからといって視覚をまったく重要視していないということはなく、目から入った情報で判断することもあります。
そこで浮かび上がる疑問として、犬に好かれる人とそうでない人の間には、どのような違いがあるのかという疑問が上がります。犬は聴覚や嗅覚はもちろん、人を見た目でも判断することがあるのでしょうか。
犬を飼っている人や犬が好きな人の体験談として、いつもは仲良くしている犬がマスクをした状態で会ったら吠えてきたという声や、うちの愛犬は男の人より女の人が好きなのかもといった経験談を聞くことがあります。これは見た目で判断していると言えるのでしょうか。
犬は人間の表情から感情を読み取っている
多くの飼い主さんは、愛犬と一緒に暮らしていると「見た目で判断しているのかも」と感じる事があるようです。実はそんな見た目に関する研究がオーストリアで既に行われていたことをご存知でしょうか。
オーストリアの研究内容
オーストリアにあるウィーン獣医大学の研究学者達により行われた実験は、スクリーンに人間の笑った顔と怒った顔を映し出し、それを犬に見せることで行われました。この実験では24匹の犬が対象になり、その犬たちに好きな方の顔を選んでもらいます。
しかし、この24匹を2グループに分け、片方には笑顔の顔を選べばご褒美を、もう片方には怒った顔を選んだ場合にご褒美を与えるという特典付きで行われました。
すると、犬たちはご褒美をもらうため、正確に選ぶことができましたが、怒った顔を選ぶグループの犬に比べると、笑顔の顔を選ぶグループの方が躊躇せず、すぐに選ぶという結果が出ました。
怒った顔を選ぶグループの犬たちは、しぶしぶ怒った顔を選択するものの、中にはご褒美のおやつを見せてもなかなか選ぼうとしない犬もいたということです。
犬は喜んでいる表情と不機嫌な表情を見分けている!
この実験結果から、犬は笑顔と怒った顔を判別していることはもちろん、笑顔は「喜び」の感情を持っており、怒った顔は「怒り」などの負の感情を持っているということを理解している可能性が非常に高いことがわかったのです。
だからこそ、笑顔の写真をは躊躇せず選ぶことができますが、怒った顔の写真は渋々選んだり、あるいはご褒美を見せられても選ぶことを嫌がるといった素振りを見せたのでしょう。
こんな顔の人が犬に好かれやすい!
オーストリアの研究によって、犬は人間の表情から人間の感情を読み取ることができるという研究結果が発表されたことを理解して頂き、犬は人を見た目でも判断することがあるとおわかりいただけたのではないでしょうか。最後に、犬に好かれやすい外見とはどのような外見なのかについてお話しします。
笑顔
先ほどの実験にも出てきたとおり、犬は負の感情を抱いている顔よりも笑顔の人に寄っていく傾向があります。これは表情から感情を理解しているため、人間と同じように不機嫌な人よりも上機嫌な人に近付きたいという心理が働いているからです。
したがって、朗らかな表情を浮かべることの多い人と険しい表情を浮かべることの多い人では、前者の見た目の方が好かれやすいと言えます。
飼い主さんに似ている
犬は嗅覚や聴覚によっても飼い主さんを判別しますが、視覚もしっかりと使い飼い主さんと他の人を見分けています。しかし、やはり飼い主さんに似ている人とそうでない人とでは、飼い主さんに似ている人の方が親近感を感じやすいようです。
実際、犬を飼っている方の経験談として、「自分に似ている雰囲気の人に近寄っている気がする」といった話を耳にする事があります。
これは雰囲気や匂いなども含まれますが、見た目も重要視されます。そのため、飼い主さんに似た見た目の人、あるいは飼い主さんと似た雰囲気の服装や髪型をしている人など、様々な要素から見た目で判断している可能性があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。このように犬は見た目で人を判断することがあります。犬によっても外見の好みは個々に異なりますが、犬に好かれたいと思っている人は、表情を柔らかくすることから始めてみてはいかがでしょう。