犬が抱えやすいトラウマ1.叩かれた
過去に虐待を受けていた犬や、飼い主さんにとってはしつけの一環として軽く叩いた行為が「ハンドシャイ」と呼ばれる心の病気に繋がる恐れがあります。これも一種のトラウマです。
ハンドシャイになってしまうと様々な影響が現れます。例えば、愛犬が何かに成功した際、あるいはスキンシップを図る際に飼い主が撫でようと手を伸ばしたとします。しかし、トラウマがあるためスキンシップを受け入れられず、震えてしまったり、警戒心が強くなってしまうのです。
克服する方法
手で触られることに慣れる必要があります。これは飼い主さんがスキンシップを取れるようにするためもありますが、愛犬のためにも人に触られることの喜びを感じてもらうためです。
始めはどうしても手を怖がってしまいがちですが、まずは下から手を指しだし、匂いを嗅がせるところから始めてみましょう。無理に触れる必要はありません。落ち着いて匂いを嗅げるようになったら、サッと軽く触れる程度に体の側面を撫でてあげてください。
これを根気強く繰り返していくことで徐々に慣れることが可能です。間違っても頭の上から撫で、恐怖心を煽るようなことはしないであげてくださいね。
犬が抱えやすいトラウマ2.長時間の留守番
一見、「うちの子はしっかり留守番ができている」と思っていた犬であっても、留守番が全然平気、というわけではない事が多いことをご存知でしょうか。
特に幼少期に長時間1匹にされてしまった犬は、その留守番がトラウマとなってしまい、その後留守番が苦手な犬になってしまう恐れがあるのです。
実際、イギリスの大学教授による研究で、留守番ができているけれど、留守番中の行動をモニタリングしたら、不安行動をとった犬が非常に多かったという結果が出ています。重症化すると分離不安症になる恐れもあるため、幼少期の長時間の留守番はなるべく避けるべきでしょう。
克服する方法
留守番に対してトラウマ感情を持ってしまった犬は、飼い主が外出する前に鳴き続けたり、飼い主の後を執拗に追いかけるといった行動が見られます。重症化すると、留守番中に問題行動を立て続けに起こすようになってしまうのです。
この長時間の留守番に対するトラウマを克服するためには、外出前に構い過ぎないという点が重要です。1匹になる直前まで構ってしまうと、その後1匹になった途端に強烈な恐怖心、不安感が襲いかかります。
そうならないためにも、まずは外出前に声をかけない、30分程度は無視するなどの対応を心がけるようにしてください。
犬が抱えやすいトラウマ3.特定の場所が怖い
「なんだかこの場所を通る時だけ、怖じ気づいている気がする…」と感じる事はありませんか?もしかすると、過去にその場所で愛犬にとって怖い思いをしたことがあり、それがトラウマになっている可能性があります。
この特定の場所は様々な場所が当てはまります。例えば散歩中のコースであったり、あるいは家の中でも対象になる事があります。
飼い主さんが気付いていないだけで、実はその場所を通った時に足を痛めてしまった、他の犬に吠えられてしまったなどの経験が、強く印象に残ってしまうことでトラウマとなってしまうのです。
克服する方法
基本的に特定の場所が怖いと感じている場合には、その場所に慣れさせる必要があります。しかし、無理にその場所へ強引に連れて入ってしまうと、トラウマを増幅させてしまう恐れがあるため注意が必要です。
根気強く飼い主さんが一緒にその場所へ行ってみる、そしてその場所に行くことができたら愛犬にとって「嬉しい」と思うようなこと(おやつをあげる、遊んであげる、褒めるなど)をしてあげましょう。
そうすることで「怖い場所」という認識から「嬉しい場所」という認識へと徐々に変わり、最終的に克服することが可能です。
犬が抱えやすいトラウマ4.他の犬との接触
よく耳にする犬の事件に犬同士の喧嘩が挙げられます。犬同士の喧嘩によって怪我を負ってしまった場合、怪我を負わされた方はもちろんトラウマとなってしまうでしょう。
しかし、怪我を負わなくても他の犬との接触にトラウマを抱えてしまうケースがあります。一見、仲良くじゃれているように見えても、実は犬同士の間では諍いが起こっていたり、臆病な犬であれば軽く威嚇されただけでもトラウマとなってしまうことがあります。
克服する方法
いつまでも犬から逃げていては克服することができませんが、いきなり他の犬と交流を持たせることは、トラウマを強く植え付けてしまう恐れがあるため危険です。まずは遠目からアイコンタクトを取る程度の距離で接するところから始めてみましょう。
このアイコンタクトに慣れてきたら、徐々に近付いていき、最終的に鼻を近付け合う挨拶ができればOKです。この時、少しでも嫌がる素振りや怖がる素振りを見せたら、無理強いせずに相手の飼い主さんに挨拶をしてその場を離れましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。人間が気付かないところでトラウマを抱えてしまっている子も多いため、もしかすると自分の愛犬も何かしらトラウマを抱えているかもしれません。もしもそのような素振りを見せたら、早めに少しずつ克服していきましょう。