人間の食べ物を安易に与えないで!
私たち人間と犬は、生きるために必要な食べ物がそれぞれ異なります。共に雑食性ではあるものの、体が必要としている栄養素が根本的に異なります。
また、同じ食べ物(栄養素)をカラダの中に取り込んだときに、人間と犬とでは、全く異なる反応が引き起こされることもあります。
犬に人間の食べ物を与えることは簡単ですが、与えてしまった場合に、どのようなリスクが考えられるのか、詳しくご紹介したいと思います。
人間の食べ物を与えるリスク その①「栄養過多・栄養失調になる危険がある」
人間と犬では、健康を維持するために必要な栄養素や、その割合が異なります。また、カラダの中で合成することのできない必須の栄養素なども異なります。
炭水化物・タンパク質・脂質は、私たち人間と犬にとっての三大栄養素ですが、人間が必要とする量や割合と、犬が必要とする量と割合は大きく異なります。
犬は人間よりも多くの割合のタンパク質と脂質を必要とし、逆に炭水化物は必要量が少なくなっています。
パンを食べた場合の例
ついついあげてしまいがちな「パン」はどうでしょうか。
パンは炭水化物の含有量がとても多く、またデニッシュや菓子パンなどには脂質も多いため、犬がパンを多く食べてしまうと栄養過多・カロリー過多になってしまうでしょう。
また、パンには犬が必要とするタンパク質の含有量が少なく、精製された小麦が原料である一般的なパンにはビタミンやミネラルもあまり含まれていないため、パンだけ与えた場合、栄養失調になってしまうでしょう。
そのため、パンは犬に向いている食材とは言えないでしょう。
今回、例に挙げたパンは、極端な例ですが、パン以外の人間用の食べ物は、犬にとって必要以上の栄養素が含まれている、また必要な栄養素の含有量が少ない場合がある、と考えた方がよいでしょう。
人間の食べ物は味付けがとても濃く、塩分や糖分の含有量が多いです。
犬が塩分を摂りすぎる場合のリスク
塩分の摂りすぎは心臓病を引き起こすリスクを高めます。
犬が塩分(ナトリウム)を摂りすぎると、体の塩分濃度を薄めるために、水分を多く摂るようになります。
カラダの水分量が増えると血液の量も増え、増加した血液をカラダに循環させるため、心臓にとても大きな負担がかるため、心臓病のリスクが上がるのです。
犬が糖分を摂りすぎた時のリスク
パンの例でも書いたように、糖分=炭水化物を摂りすぎると、肥満や生活習慣病になるリスクが高まります。
人間の食べ物には大量の砂糖(糖分)が含まれているものが多くありいます。糖分は動物に必要なエネルギー源ですが、必要以上に摂りすぎると中性脂肪となってカラダに蓄積され、肥満や生活習慣病のリスクを高めてしまうのです。
犬が肥満になる原因の多くに、糖分の多い人間の食べ物をよく食べてしまっていることにあるようです。
人間の食べ物を与えるリスク その②「中毒」
人間の食べ物の中には、犬にとって毒性のある食べ物もあります。
- タマネギやニラなどのネギ類
- チョコレートやココアなどのカカオが含まれたもの
- ぶどうやレーズンなどのぶどう類
- キシリトール
これらを犬が食べると中毒症状を引き起こしてしまうことは、飼い主さんなら誰もがご存知かと思います。
それ以外にも毒性は低いものの、犬が食べると中毒症状を引き起こす食べ物はたくさんあり、見落としがちなので注意が必要です。
人間の食べ物を与えるリスク その③「アレルギー」
- 牛肉
- 乳製品
- 小麦
- 鶏卵
- 鶏肉
- 大豆
- とうもろこし
これらの食べ物は、犬の食物アレルギーにおいてアレルゲンとなりやすいなっていることが多いものです。 アレルゲンを含む食材を食べると、アレルギー反応を引き起こし、最悪死んでしまう場合もあります。
また、腸内環境のためにヨーグルトを食べさせている飼い主さんも多いようですが、逆に、乳製品によってアレルギー性の腸炎を起こす犬もいます。
「愛犬の健康のために…」と与えている人間の食べ物がある場合、愛犬が食物アレルギーを持っていないか確認しましょう。初めて与える食材は、少量を与えて愛犬や便の様子に変化がないか観察し、徐々に量を増やしていくと良いでしょう。
まとめ
愛犬の健康のために、健康に良い食べ物を与えたい、と考える方は犬用のフードやサプリメントなどでサポートしてみてはいかがでしょうか?。
確かに、人間の食べ物全てが犬の健康に悪影響を与えるわけではありませんが、人間の食べ物を安易に与える事は避けましょう。
健康のためにと与えたバナナやリンゴ、糖分過多ではありませんか?また、飼い主さんが食事をしているとき、その食べ物をおねだりされていませんか?一度でも与えてしまうとクセになってしまいますので、与えるのは止めておきましょう。
最近、愛犬に与えてしまった人間の食べ物を思い出してみてください。そして、その食べ物が愛犬の健康にどのような影響を及ぼすか、または悪影響を及ぼさないものかどうか考えてみてください。