犬のストレス要因
人間にも犬にも同じことが言えますが、ストレスには、心理的ストレスと身体的ストレスの2種類があります。
心理的ストレスとは?
犬の場合だと、例えば、引っ越しをした、飼い主さんの家族構成が変わった、飼い主さんの生活環境が変わり、飼い主さんと関わる時間が急激に減った、近所で騒音がするなどが原因で、心理的にストレスを抱えてしまう状態です。
身体的ストレスとは?
手入れ不足による皮膚疾患だったり、歯が痛い、関節が痛い、など体に痛みや痒み、体調の不良を感じて、それがストレスになっている状態です。
犬がストレスを感じている時のサインとは?
健康になんの問題もなく、心理的にも特に緊張を強いるような状況でもないのに、日常的に、運動不足や退屈すぎるなど、犬にとってなにか不満がある時には、以下のようなサインがみられます。
- しっぽを追いかける
- トイレを失敗する
- あくびの回数が多い
- いたずらが増える
- 体を舐める
室内でもできる!犬のストレス発散させる方法4選
人間なら、家の中でストレスを発散する方法はいくらでもあります。
けれども、ドックランに出掛けたり、散歩に行けない時、何をすれば愛犬のストレスを解消することが出来るのでしょうか?
1. 飼い主さんと遊ぶ
愛犬にとって、これほど楽しい時間はないと思います。
多頭飼いの飼い主さんは、序列を守ったり、それぞれのコの個性や遊びの好みごとに、遊ぶのは大変かも知れません。
けれども、出来れば、一対一でほんの数分でも遊んであげれば、愛犬はきっと満足してくれるはずです。
2. 一人遊びを楽しむ環境や道具を用意する
飼い主さんと遊ぶのも楽しいと思いますが、一人遊びが好きなコもいると思います。
そんなタイプのコなら、一人遊びができそうなおもちゃを与えて、一人遊びの時にテンションが上がって、転がりまわっても床で滑ったり、何かにぶつかったりしないように部屋の中を広く使えるよう、十分なスペースを確保してあげましょう。
3. 落ち着いた場所でのんびりとお昼寝させる
愛犬がのんびりと昼寝をしている時は、なるべく構わずに、静かに眠れるような環境を保ってあげましょう。
せっかくリラックスして眠っているのに、大きな音を立てたり、騒がしくしたりすると、深く寝入ることが出来ません。
人間でも、ストレスを感じてぐっすり眠りたいのに、近くで大きな音を立てられたり、忙しなく動き回られたりすると、気になって眠れず、余計にストレスが溜まりますよね。
愛犬がのんびりと眠っている時は、飼い主さんもゆったりした時間を過ごして、一緒にストレス解消してはいかがでしょうか。
4. 飼い主さんとのスキンシップの時間を増やす
とにかく、愛犬は飼い主さんが大好きです。
派手に動き回って遊ばなくても、マッサージをしたり、静かにやさしく話しかけたり、体に触れたりして、普段よりも愛犬とのスキンシップの時間を少し増やしてみましょう。
出来れば、「テレビを見ながら」や「スマホを見ながら」ではなく、テレビも消して、愛犬にだけ気持ちを向け、スキンシップを行ってください。
室内でもできる愛犬と飼い主さんとの遊び方
ひっぱりっこ
タオルや、太いロープなどで引っ張りっこをします。
途中で、投げたり、高く放り投げたりしても、足腰に問題のないコであれば、遊び方に抑揚をつけて遊んであげましょう。ただ、歯に負担がかかることもあるので注意しましょう。
ミニキャッチボール
廊下やリビングなどで、外で行っているキャッチボールを家の中でもやれるように、ほんの短い距離を投げたり、上へ投げてうまくキャッチさせたりして遊びます。
どっちかな?
おやつを片手に隠して、「どっちにあるかな?」と見せて遊びます。
知能ゲーム(ペットボトルを使って)
食いしん坊の愛犬にオススメの遊び方です。
1センチぐらいの大きさのフードか、リンゴを切ったものやおやつを500ml入りのペットボトルに入れて与えます。
フタを開けたままにすると、犬はどうすれば食べれるかを考えて、無我夢中になります。
あまりたくさん与えると、カロリーの摂りすぎになるので注意しましょう。
犬種の特性を生かした遊び方 3選
ラブラドールやゴールデンなど、なんらかの使役犬としての適正を持つ犬種は、他の犬種に比べると、「飼い主のために働きたい」という作業欲が強いと言われています。
そんなコたちに特にオススメの遊び方を3つ、ご紹介します。
宝探しゲーム
愛犬のお気に入りのおもちゃや、おやつの入ったコングなどを飼い主さんが隠し、それを愛犬が探すゲームです。
かくれんぼ
飼い主さんが家の中のどこかに隠れて、愛犬が探します。
見つけた時の愛犬の笑顔を見ると、飼い主さんのストレスも解消出来ますよ!
新しいお勉強をはじめよう
まだ身に着けていない「芸」をマスターさせるお勉強の時間に当てます。
例えば、「バーン!」と飼い主さんが手をピストルの形にして声を出したら、倒れる…など、あまり躾に関係ない芸でも構わないので、なにか新しいことを覚えさえることで「作業欲」が満たされて、ストレスの解消になります。
犬と遊ぶ時に守るべきルール
遊びの始まりと終わりは飼い主さんが決めること
愛犬が、「遊ぼうよ?」とおもちゃを飼い主さんのところまで持ってきて、要求吠えなどで気を引き、「遊び」をおねだりすることがあります。
愛犬の考えていることが手に取るように理解できて、言葉がなくてもしっかりと意思の疎通ができているのがうれしくて、つい、すぐに遊んであげたくなると思います。
けれども、それを続けると、愛犬は「飼い主さんは、自分の言うことを聞いてくれる」と勘違いします。
どんな遊びにしろ、愛犬からねだられて遊びを始めるのではなく、「遊び」を始める合図を出すのは、必ず、飼い主さんから、というルールを徹底しましょう。
「遊び」を始める前に、「マテ」「オスワリ」など、なにか指示を与えて、それを達成できたら、ご褒美として「遊び」を開始します。
また、愛犬が終わるまで遊び続けるのではなく、「もう少し遊びたい」と思うくらいのタイミングで、飼い主さんから「今日はもうおしまいね」と愛犬との遊びの終了のタイミングも、飼い主さんが決めましょう。
そして、遊び道具もずっと出しっぱなしにせず、飼い主さんが取り出し、飼い主さんが片付けます。
興奮していても、しっかりと愛犬をコントロールすること
楽しすぎて、ハイテンションになると、家の中を全力で走り回ったり、うなり声をあげたりし始めます。また、飼い主さんと遊んでいるのを邪魔されたくなくて、側にいる他の家族に向かって、「邪魔するな、あっちに行け!」と威嚇することもあります。
そこまで興奮してしまうと、愛犬自身も床で滑って足を痛めたり、壁に激突したり、飼い主さんやご家族も勢い余って咬まれてしまったり、という事故が起こりやすくなります。
愛犬の目つきが「遊びモード」から「野生モード」に変わり、呼吸が荒くなってきたら、一度、遊びを中断し、「マテ」と指示を出して愛犬を落ち着かせましょう。
まとめ
今回、「室内でもできる!犬にストレス発散させる方法3選」をご紹介しましたが、まるで3~5歳のやんちゃな男の子を家の中でどうやって遊ばせるか?の記事を書いているような気持ちになりました。「犬にストレス発散させる方法」という内容ではありましたが、愛犬と
一緒に遊んだり、愛犬がゆったりとくつろいで安心しきって眠っている様子を見るのは、私たち飼い主にとっても最高のストレス解消にもなるのではないでしょうか。