犬を飼うと長生きできるって本当?
犬を飼うと健康になれる、ストレスが緩和される、家族との絆が深まるなど、さまざまな効果が飼い主にもたらされます。
「長生きできる」というのも犬を飼う効果のひとつと言われていますが、昨年11月、このことを裏付けるような研究結果がスウェーデンのウプサラ大学の研究チームによって発表されました。
その内容とは、犬を飼うと心血管疾患リスクや死亡リスクが低下するというものでした。
研究チームは、およそ340万人のスウェーデン人のデータを2001年から2012年にわたって追跡調査しました。
調査対象となったのは、2001年の時点で心血管に健康上の問題を経験したことがない40~80歳の人たちで、12年間追跡した国が有する医療データと犬の登録簿とを照合して分析を行いました。
調査対象者のうち、12年間のどこかの時点で犬を飼っていたのは13%でした。
ウプサラ大学の研究で明らかになったこと
ウプサラ大学の研究の結果、犬を飼っている人は飼っていない人より狭心症や心筋梗塞、脳卒中など心血管疾患による死亡リスクと、あらゆる死因による総死亡リスクが低くなることが明らかになりました。
犬を飼っている人は、飼っていない人と比べて、心血管疾患による死亡リスクは23%低く、総死亡リスクも20%低かったといいます。
死亡リスクの低下が顕著だったのは一人暮らしの人
そして、特にこの傾向が顕著だったのは、一人暮らしの人たちです。一人暮らしの人の場合、犬を飼っている人の方が犬を飼っていない人よりも心血管疾患による死亡リスクは36%低く、総死亡リスクは33%低いという結果が出ています。
また、心血管疾患リスクについても、犬を飼っている一人暮らしの人は犬を飼っていない一人暮らしの人よりも8%低い結果でした。
これまで、一人暮らしの人は複数の人と暮らす人に比べて、心血管疾患リスクや死亡リスクが高いとされていたため、非常に興味深い研究結果となりました。
この結果について研究者は、犬が家族の一員としての役割を果たしているのではないかと分析しています。
飼い主の心血管疾患リスクを下げる犬種も明らかに
この研究では、心血管疾患リスクを下げる犬種も明らかになりました。
愛玩犬を飼っている人よりも、ポインター種やレトリーバー種、嗅覚ハウンドとその関連犬種など猟犬タイプの犬種を飼っている人の方が心血管疾患リスクが低いという結果が出ています。
心血管疾患リスクや死亡リスクが低下した理由とは?
ウプサラ大学の研究結果から、実際に犬を飼うと心血管疾患リスクや死亡リスクが低下する事が分かりました。では、なぜこれらのリスクが低下したのでしょうか?
その理由について、研究者たちは次のような事が要因となっているのではないかと推測しています。
- 犬の飼い主は毎日の散歩などによって身体活動レベルが高くなる
- 社会的なふれあいが増える
- 犬との交流を通して心理的なストレスが緩和する
- 犬の飼い主はもともとアクティブな人が多い傾向にある
犬を飼っている方なら、これらの理由に心あたりがあるかもしれません。
どれも些細な事ではありますが、犬を飼う事で健康にいい習慣が「自然と身についていた」事が大きいのかもしれませんね。
まとめ
ウプサラ大学の研究によって、犬を飼うと心血管疾患リスクや死亡リスクが低下し、長生きできる効果があることが明らかになりました。
これは、愛犬のために長生きをしたいと願う飼い主にとって朗報ではないでしょうか。
犬を飼うと長生きできる効果がある理由ははっきりと解明されてはいないものの、確かに犬を飼うと、暑かろうが寒かろうが散歩へ連れて行かなくてはいけないので運動量が増えます。
一人暮らしである場合は、愛犬を散歩に連れて行けるのは自分一人しかいないため、代わりに散歩へ行ってくれる家族がいる人よりも運動量は多くなるでしょう。
そして、散歩へ行けば自然と他者との交流が生まれて社会的に孤立することがなくなり、落ち込んでいるときには愛犬が癒してくれてストレスが緩和されますから、犬を飼うことが長生きにつながるというのもうなずけるような気がします。
私たちを健康に、そして長生きに導いてくれる犬はやはり「人類最良の友」ですね!