犬種の用途、性格を調べる
まず一番大切なことは、絶対に吠えないという犬はいません。犬が吠えるという行為は人間で言うところの「言葉、会話」にあたります。人と同じで、無口で物静かな性格の方はいますが意思を伝える上で言葉を交わすことは必要です。
では、その「性格から犬を選んでみてはいかがでしょうか?」。ケネルクラブや国際畜犬連盟は、犬種をその形態やもともとの用途に応じて10のグループにわけています。つまり犬達は皆、役割に合った性格をしているんです。
その為、飼おうとしている犬の用途が違えば、求めていた犬の性格と違う訳ですね。では、まず犬種ごとに分けられた10のグループと性格をご説明します。
1G 牧羊犬・牧畜犬のグループ
家畜の群れを誘導、保護する犬たちが集まったグループです。そのためシープドック、キャトルドックと名前のついている犬種がいます。
牧羊犬・牧畜犬ともあって性格が穏やかな犬種も多く、主に代表的な犬種は、シェットランドシープドック、ボダーコリー、ラフコリー、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークなどが有名ですね。
2G 使役犬のグループ
「使役犬」とは主に番犬、警護の仕事をする犬達のことを示します。
使役犬のグループとしてもっとも有名なのは警察犬の仕事をするドーベルマンや、番犬として扱われるブルドックなどがいます。警察犬や番犬と聞くと怖いイメージがありますが、2グループの犬達の性格は、おっとりとした非常に優しい犬が多くいます。
3G テリア・グループ
ラテン語で土を掘るという意味の「テリア」。その名の通り土を掘ることが得意で、穴の中に潜む小動物の狩りに使われてきました。テリアは特徴的な性格を持ち、テリア気質と言われる「非常に明るく活発的で俊敏に動く運動能力」を持ちます。
4G ダックスフンド単体 グループ
第4Gグループはダックスフンドのみで構成されるグループです。ダックスは、ドイツ語で「アナグマ」、フンドは「犬」という意味を持っています。この名前の由来通り、アナグマ等の狩りに使われました。
そして、ダックスフンド単体のグループに分けられるのは、9種類という種類の多さが理由です。
ダックスフンドには、小、中、大の3種類の大きさがあり、「カニーンヘンダックスフンド、ミニチュアダックスフンド、スタンダードダックスフンド」といったサイズに加え、3種類の毛質「スムースヘア―ド、ロングヘア―ド、ワイアーヘア―ド」と分けられます。
また、ダックスフンドの性格は毛質によっても違いがあるようです。
- 毛の短いスムースは、賢く活発的。
- ロングは、スパニエルの血を受け継ぎ、温厚で甘えん坊
- ワイヤーは、テリアの血を受け継ぎ、気が強く好奇心旺盛
5G プリミティブタイプ、原始的な犬
このグループは紀元前からいるような、歴史の古い犬達が集まったグループです。5グループは他のグループと分け方が異なり、用途ではなく系統で分けられているのが特徴です。そのため、サモエド、柴、秋田、シベリアンハスキーといったような、短い耳、厚い毛、くるんと巻いた尾が特徴的なスピッツタイプと、ファラオハウンドのような紀元前からいるような原始的な犬がこのグループに属します。
古くから人間と暮らして来たこともあり、このグループに属する犬達は飼い主に従順かつ忠実な犬が多く、飼い主には愛嬌のある一面を見せますが飼い主以外には非常に警戒心が強く、懐かないと言われています。
6G 嗅覚犬・セントハウンドのグループ
鋭い嗅覚を持ち、獲物を追求しハンターに獲物の位置を知らせる仕事をしてきたセントハウンドのグループの犬達は、大きな耳、3種類のカラーを持つ犬が多いという特徴を持ちます。この特徴的なカラーは獲物と見分けをつけるために必要だったんですね。
また嗅覚犬として主に有名なのは、ビーグルやバセット・ハウンドです。6グループの犬達は自分から獲物を追求することもあって比較的、やんちゃで活発、社交的で人見知りのしない頼もしい性格の犬が多いです。
7G ポインター・セターのグループ
ポインター・セターは獲物を探し出し、その位置を静かに示す猟犬、「ポインティング・ドッグ」と呼ばれます。アイリッシュ・セターやイングリッシュ・ポインターなどが有名ですね。
ポインター、セターは、人や他の犬達にとても友好的で、成犬になってもやんちゃな一面を残している犬達が多くいます。しつけが入りにくいと言われますが一度、覚えたことは忘れない記憶力を持ちます。
8G 水辺で活躍する猟犬が多いグループ
7グループに含まれない猟犬と、水辺で活躍する猟犬がこのグループに属します。そのため、スパニエルとレトリバーの多くが8グループに分けられます。
代表的な犬種として、アメリカン・コッカー・スパニエルやゴールデン・レトリーバーなどが挙げられます。また8グループの犬達は幼い子供と遊べるほど、穏やかで明るい性格の犬種が多くいます。
9G 愛玩犬・家庭犬(トイ・コンパニオンドッグ)のグループ
この9グループの特徴は、愛玩犬として可愛がられること自体を目的として作出された犬達が集まったグループです。そのため非常にかわいい容姿を持つ犬種が多く、チワワやパピヨン、プードル、パグなど日本でも馴染みの深い犬種が9グループとして分けられています。
9グループには非常に多くの犬種がいますがグループに属するほとんどが小型犬です。9グループの性格は主に小型犬の性格の子が多いので、愛嬌があり人懐こい子もいれば、臆病で怖がりの子もいますね。
10G 視覚犬、サイトハウンドのグループ
サイトハウンドは視覚を用いて狩りをする犬達のことを示します。500メートル先にいる獲物を視覚で捉えて狩りを行うので、すらっとした体型で足が速く、瞬発力がある犬種が多く属します。
10グループに属する犬種はアフガンハウンドやボルゾイ、サルーキなどがいますが性格は比較的、警戒心が強く、気ままな猫のような性格の犬種が多いと言われています。
飼いやすいオススメの犬種
犬種ごとに割り当てられたグループの犬達は、その役割に合うような個性豊かな性格をしていましたね。それぞれの用途や形態によってわけられたグループを参考にすることで、自分の環境などによって飼いやすい犬とそうでない犬が随分、分かりやすくなりました。ここで、飼いやすいオススメのグループからそれぞれ3頭、ピックアップしてみました。これはあくまで個人的なものですので、参考程度にしてください。
9グループ 愛玩犬 パグ
原産国は中国。小型犬の中で無駄吠えの少ない犬種と言えるパグ、明るく穏やかな性格をしています。短毛の犬種なので、毛のメンテナンスに手がかからないのも魅力の一つ。
10グループ サイトハウンド ウイペット
原産国はイギリス。中型の短毛犬種で10グループのサイトハウンドに属します。家の周りにいる小動物の狩りに使われていた為、室内飼い向きで、非常に大人しく家族に対して愛情深い性格をしています。また10グループの中で一番、人間に従順な犬種とされます。
5グループ プリミティブタイプ、原始的な犬 柴
原産国は日本。日本古来から家庭犬として飼われて来た為、飼い主に従順かつ忠実な犬が多く、無駄吠えが少ない犬種です。警戒心が強いですが、しっかりしつけをすればすてきな加パートナーになってくれるでしょう。
まとめ
飼いたいと思った犬種がいるなら、まずはその犬種がどのグループに属しているのか、どんな仕事を役割としているのかを調べてみると大体の性格が分かりますね。