犬の歯の数と人間の歯の数
歯は、前歯(切歯)・犬歯・前臼歯・後臼歯の4つに大きく分けることができますが、犬の歯の数と人間の歯の数には違いがあります。
みなさんはご自分の歯や愛犬の歯の数をご存知でしょうか。
人間の歯の数
- 乳歯 :20本
- 永久歯:32本(親知らず含め・親知らずがない場合は、合計28本)
犬の歯の数
- 乳歯 :28本
- 永久歯:42本
上記のように、犬の歯は人間の歯よりも、乳歯も永久歯も8本~10本くらい多いということがわかります。
※一部、内容に誤りがあったため訂正を行いました。不備があった事をお詫び申し上げます。
歯の違いは食べ方の違い
人間は咀嚼をしますが、犬は咀嚼をしません。咀嚼(そしゃく)とは、口の中で食べ物をよく噛んで砕き、すり潰して消化しやすい状態にすることです。のんびり食べる犬もいれば早食いしてしまう犬もいますが、人間のように食べ物をすり潰すことはできません。
犬には存在し、人間には存在しない歯がある
犬には“裂肉歯(れつにくし)”という歯があり、多くの肉食哺乳類にみられる、肉や骨をハサミのように剪断することができる歯です。
犬の祖先であるオオカミは、裂肉歯を失うと餓死してしまうとされています。これは人間には存在しない歯です。上下の奥歯にある最も大きな歯で、犬が食事をする上で重要な役割を持っています。
人間は、前歯を使って食べ物を噛んで小さくするなどしますが、犬の前歯は主に運搬するためにしか使われていません。
人間は食事をする際にほとんどの歯を使用しますが、犬の場合はそうではなく、犬と人間では食事の際の歯の使い方にも違いがあるのです。
犬と人間の歯が違う理由と重要性について
人間は歯を失ってしまうと顎の骨や筋肉が痩せ細ってしまうのですが、犬は歯を失ってしまっても人間のような弊害が起きることはありません。
ドッグフードを与えられ、動物の生肉や骨を食べることのない現代の犬は、とても極端な話ですが、犬は歯が0本であっても食べることに困らないのです。
何故なら、犬の歯は狩りで得た獲物の動物の肉や骨を裂肉歯で噛み切るためにあり、その後は丸のみするだけだからです。
これは野生であった頃の犬の話ですが、裂肉歯で噛み切る必要がないドッグフードを食べている現代の犬は、あまり噛み砕くことをしないまま飲み込んでいることがほとんどです。
犬と人間の虫歯の違い
虫歯になりやすい人間と虫歯になりにくいとされている犬ですが、どのような違いがあるかということはご存知でしょうか。
人間と比べて犬が虫歯になりにくいとされている理由は、人間の唾液よりも犬の唾液の方が強いアルカリ性だからです。
アルカリ性を示す数値はphですが、人間の唾液は6.5ph、犬の唾液は8phです。
虫歯の仕組み
虫歯は、虫歯菌によって放出されている酸によって歯が溶けます。そのため、唾液のアルカリ性によって酸を中和させ、歯が溶けてしまうことを予防しています。
犬の唾液は人間の唾液よりもアルカリ性が強く、その分、酸を中和する力も強く虫歯になりにくいというわけなのです。
もっと人間と犬の虫歯の違いについて
- 犬は人間と比べて虫歯菌の発生率や数が少ない
- 犬の食事には糖質が少ない
- 犬の唾液には消化酵素(アミラーゼ)が含まれていない
- 犬の歯には咬合面(噛み合わせ)のある歯が少ない
- 犬は咀嚼時間がとても短いため、口の中に食べ物がある時間も短い
このようなことも虫歯になりやすい人間と虫歯になりにくい犬の違いです。
まとめ
犬と人間の歯の違いはいろいろとありますが、歯垢ができることや歯石ができることは同じです。とくに犬の歯垢は2日~3日で歯石になるとされています。また、毎日の歯磨きが必要であることは犬も人間も同じです。
みなさんは、もし毎日の歯磨きをしなかったらどんな気持ちになるでしょうか。口の中がとても不快になると思います。
犬と人間の歯には違いがありますが、大切な愛犬ですから、自分の歯と同じように愛犬の歯も大切にお手入れしてあげて欲しいです。