ドッグライフは飼い主次第で大きく変わる
ドッグトレーナーとして活動している間に問題行動を抱えるたくさんの犬を見てきました。その行動や原因はさまざまですが、根本的な要素として子犬期のトレーニング不足、飼い主さんの知識不足があることを何度も感じてきました。日本の犬が幸せになるために、これ以上不幸な犬を増やさないためには子犬の時からの適切な関わりやトレーニングが必要だと思っています。
今の日本では小型犬~中型犬が多く飼育されており、室内で飼われることがメインになってきています。犬と人との距離が近く、時間や空間を共有するからこそ絆が深まり「家族の一員」とされるようになりましたが、その分、しっかりとしつけをしたりルール作りをしておかなければトラブルになりやすく犬にとっても人にとってもつらい生活になってしまうことがあるのです。
子犬を飼い始めたらやるべきこと①家族でルールを統一する
子犬を飼い始めたら、というよりも飼うことを決めたらまず家族会議を開きましょう♪犬を飼うために家族の中で色々なルールを決めておくための会議です。お父さんもお母さんもお兄ちゃんも妹もおじいちゃんも、何なら先住犬も参加です!
これから迎える子犬は、人との生活はもちろん世の中のことをまだ何も知らない状態です。そんな子犬がストレスなく家庭になじむことができるように、ある程度家庭内のルールを決めておかなければなりません。
どこからどこまでは出入り自由にするのか、指示の出し方は日本語?英語?、ご飯の前は待たせる?、飛びつきはOK?などなど、そのルールは多岐に渡ると思いますが、家の中で一緒に暮らす上で必要だと思われるあらゆる項目を挙げてみましょう。
そしてそのルールを家族内で必ず統一させるのです。子犬に限らず、今後の犬と生活していく上で「人によって言っていることが違う」「その日や場所によって言っていることが違う」というのは犬を困惑させ、混乱させてしまいます。わけがわからず指示に従わなくなってしまったり反抗したりすることもあるかもしれません。
子犬を飼い始めたらやるべきこと②「ごほうび」は何だろう?
子犬を飼い始めたら、しつけを行う前段階としてその子犬の性格や好みを見極めることが大切です。個性を見極めるなどと言うと小難しく聞こえてしまいますが、要は「その子の好きなものは何かを知る」ということ。
犬にも1頭1頭個性があり、食べることが好きだったり、人と遊ぶことが好きだったり、犬同士で遊ぶことが好きだったり、頭をなでてもらうことが好きだったりします。その中でもどんなおやつが好きか、どんな遊びが好きかなど細かい好みを知ることはとても大切です。
犬のしつけにおいて「ごほうび」はとても重要なもの。ごほうびがなければ犬のしつけ成り立たないでしょう。しつけというと「おやつで釣る」などという言い方をする人もいますが、私としてはその表現は正しくないと思いますし、個人的に好きではありません。
私たち人間が何かしらのメリットのために勉強や仕事を頑張るように、犬だってメリットやモチベーションがなければ苦手なものを克服したり、苦に感じるトレーニングは乗り越えられないのです。そのメリットやモチベーションこそが犬にとっての「ごほうび」。信頼関係が結ばれれば。飼い主さんに一言『Good!』とほめられるだけでも喜ぶことだってあります。
まずはその子犬がどんなものに喜び、モチベーションとするかを知るために好きなものを見つけてあげてください。
子犬を飼い始めたらやるべきことのまとめ
子犬を飼い始めると飼っていなかった時の生活とは一変してかわいさと同時に「思っていたよりも大変だな…」と感じることは少なくないと思います。特に子犬はいつでも人にかまってほしくてはしゃぎまわって落ち着かなかったり、トイレや噛んでいいものといけないもののルールなども知らないため、それを追いかけまわしてお世話をするのはとても大変だと思います。
しかし、そんな生活はそう長くは続きません。犬は人間とは違ってあっという間に大人へと成長していきます。大人になる前に必要なしつけや家庭でのルールをきちんと教えてあげることで、数か月後にはきっと笑顔あふれるドッグライフが待っていることでしょう。
子犬の時期にやるべきことはたくさんあり、それを毎日の家事や育児、仕事などと両立していくことは大変だと思いますが、長い時間をかけるのではなくこういった記事を参考にしたり、動物病院で開催されているパピーパーティに参加したりして上手にコツをつかんで楽しく取り組んでもらえたらうれしいです。