犬にとって絶対必要なわけではないお世話とは?
真面目な飼い主さんであればあるほど、「愛犬のためにこのお世話もしなくちゃ」「このしつけもしなくちゃいけない」といろいろ考えてしまい、許容範囲を超えてしまうということが起こりやすいです。しかし、今一度考えてみてください。「しなくてはいけない」と思っているお世話の中には、実は絶対必要なわけではないお世話が混ざっているかもしれません。
1.散歩後に足を洗う
散歩中は犬の場合、外を裸足で歩くことがほとんどですので、「足が汚れているはず」と散歩が終わると毎回お風呂場に連れて行き、しっかり足を洗ってあげているという飼い主さんもいるでしょう。
しかし、この散歩が終わる度に足を洗うというお世話は必ずしも絶対必要というわけではありません。ペット用のウェットシートなどで足を拭くだけで汚れは落ちるため、家の中が汚れてしまうことを心配するならば、ウェットシートで代用する方法もあります。
また毎日のように足を洗ってしまうと、皮膚が弱くなってしまい、炎症を起こしたり、乾燥から痒みが生じ、犬自ら掻きむしってしまうこともあるため、良いことばかりではありません。無理して毎回足を洗わなくても問題ないでしょう。
2.無理に他の犬や人と触れ合わせる
社交的な犬に育てるために、誰とでも仲良くなれる犬に育てるために、そして愛犬が楽しい生涯を送れるようにするためにも多くの犬や人と関わった方が良いだろうと考える飼い主さんは非常に多いです。
もちろん、この考え自体は間違っておらず、幼少期から多くの人や犬と関わることで社交的になり、人や他の犬と関わることに喜びを感じるようになる犬も多くいます。
しかし、中には非常に臆病でシャイな性格を持つ犬もいるため、そのような子に対して無理やり他の犬や人と関わらせようとすることは、犬にとって苦行に値します。ストレスが溜まってしまうため、嫌がるような仕草を見せるのであれば、無理に触れ合わせようと頑張らなくても良いでしょう。
3.長時間お散歩する
愛犬の健康のために長時間散歩をしようと決めている飼い主さんは多いです。体力作りや運動不足解消には非常に効果的なので、非常に良いことではありますが、毎日適切な散歩時間以上の散歩を無理にする必要はありません。
例えば、飼い主さんが忙しい日であっても「今日もこれくらいの時間は散歩しなくちゃ」と無理に長時間散歩する必要はありません。その日はいつもより少なめにし、次の日少し長めに散歩するなど工夫をすしましょう。
また小型犬の場合、適切な時間以上の散歩をすることによって、足腰に負担がかかってしまったり、過剰な疲労を感じてしまう子も多くいます。毎日長時間散歩するのではなく、週に何日か少し長めの散歩をすると良いでしょう。
4.ごはんの前に「待て」と指示をする
飼い主と愛犬との間にしっかりと上下関係を付けるため、あるいはしつけの一環として、ごはんを与える前に「待て」をするという家庭は多いでしょう。しかし、もちろんこれも絶対に必要なわけではないお世話の1つです。
たしかに「待て」と指示をし、しっかり言うことを聞くことができるならば、しつけができている証拠の1つでしょうが、待たされた犬としては、「やっと食べられる」という喜びから早食いをしてしまいがちです。
犬が食べ物を喉に詰まらせる原因の多くは早食いですので、ごはん前に「待て」をさせることはダメなことではありませんが、少々危険が伴うことがあります。この「待て」はごはんではなく、少量であるおやつの時に行ってはいかがでしょう。
5.水を水道水ではなくミネラルウォーターにする
「水道水は体に悪そうだから、ミネラルウォーターを与えている」という飼い主さんもいますが、犬は水道水で十分ですので、わざわざお金を掛けてミネラルウォーターを犬のために買う必要はありません。
むしろ市販の水の中には硬水と呼ばれる種類の水があり、これを与えてしまうと犬の体に悪影響を及ぼしてしまう恐れがあるのです。
また日本の水道水はしっかり水質も厳しくチェックされているため、安全面に置いても問題はありません。また水分補給は健康を保つ上で非常に重要ですので、好きなときに好きなだけ水が飲める環境を作ってあげることが第一優先です。
「ミネラルウォーターだし、お金が勿体ない」という理由で水が残り少ないのにも関わらず入れ換えてあげないという事態が起こるのであれば、水道水で十分でしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今まで頑張って行ってきたしつけやお世話も、実は絶対に必要というわけではないお世話の1つだった、という方もいたのではないでしょうか。今回ご紹介したお世話は、「してはいけない」ではなく「する必要はない」というものです。飼い主自身に時間がある場合や余裕がある時には行ってあげても問題ないでしょう。