うちの子、犬なのに犬が苦手なんだよね。仲良くできないかな?
これはペットショップ出身のワンコや、あまり外の世界に触れてこなかったワンコに多い悩みです。
そういった問題を抱えているワンコは、子犬や若犬の頃の「社会化」が不足しているか、何か嫌な目にあった事を強く意識したまま、修正されずに生きてきたことが原因になってる可能性があります。
ワンコの社会化の重要性
子犬の頃の経験不足から、むやみに怖がったり攻撃的になったりしてしまいます。
新しいモノ・環境・人への適応力が不足しているので、不安感が大きく出てしまうんです。
それは犬同士のコミュニケーションでも同じです。
一般的にワンコの社会化訓練に適しているのは、生後4か月くらいまでと言われますが、社会化期を逃しても、子犬の時よりは時間はかかってしまうものの、ゆっくり経験を積ませてあげることによって慣らすことはできます。
上手に挨拶して、上手に遊ぼう♪
ワンコは「快・不快」にとても敏感です。
人間の方としては適応力を上げるため、親心で社会化の訓練をしようとしたとしても、それがワンコにとって不快なやり方・押し付けになると逆効果になってしまいます。
焦って進めると信頼関係を損なってしまうので、くれぐれも無茶はしないでくださいね。
じゃあ、具体的にどうするの?
怖がりの子犬・すでに犬が怖いと思ってしまっている成犬の場合、いきなり沢山の犬がいるドッグランに放り込むなんて事をしたら、かえって悪化する可能性があります。
そもそもドッグランのワンコ達がみんなコミュニケーション上手かと言ったら、けっこうな割合でコミュニケーション下手なワンコが混じっているのが実情です(^^;
事前に注意すること
- まずは飼い主さんがリラックス!
飼い主さんの緊張は、愛犬にもしっかり伝わっています。
まずは何より飼い主さんがリラックスして「なんてことないよ」と教えてあげましょう。
- リードを短く持つのもNG!
張ったリードから飼い主さんの緊張が伝わってしまいます。
さらに愛犬自身は動きが自由にならないことから、不安を高めてしまい状況は悪化します。
怖がりのワンコにとって「自分がいつでも逃げられない状況」というのは強いストレスになるので、可能であればドッグランやお家でノーリードにしてしまう方がスムーズです。
- ちょっとした事で抱っこしない!
もちろん相手ワンコが飛びかかって来たなど、緊急時は抱っこする必要もあります。
ですが、ちょっとした事で救出しているとワンコはいつまでたっても挨拶上手にはなりません。
もし練習を中止しようとするときは、できるだけ抱っこではなく、相手ワンコの飼い主さんに笑顔で挨拶して、歩いてその場を離れてしまいましょう。
(※次のページでは具体的な方法について解説!)
STEP1:まずは出会うところから
信頼できる落ち着いたワンコに協力してもらい、愛犬が反応しない距離から見せてみましょう。
相手のワンコは、おっとりした性格で他の犬に過剰に反応しない子が適しています。
いくらフレンドリーでも、ぐいぐい来る子だと練習には向きません。
愛犬が腰が引けつつも相手ワンコのにおいを嗅ごうとしていたら、前向きな興味をもった事を誉めて、「それでいいんだよ」と伝えましょう。
そして可能そうなら、リードをゆるめたままゆっくり距離を縮めてみます。
※ノーリードであれば、愛犬のペースに任せます。
STEP2:犬同士の挨拶をする
ワンコの礼儀正しい挨拶では、犬同士でいきなり目を合わせたりはしません。
仮に喜んでの事でも、初対面で目を見て飛びつくのはワンコとしてはマナー違反になります。
相手ワンコの方は、まず飼い主さんに注意をひいてもらって目を合わせないよう注意しましょう。
相手ワンコの足元にフードをばら撒き、下を向かせる演出も有効です。
※他の犬の前で地面のニオイを嗅ぐのは「落ち着いて。攻撃しないよ」のサインです。
あなたの愛犬の方は、少しくらい距離があっても興味を持ってるようなら上出来!
前向きに興味をもっている状態であれば、引き続きやさしく誉めます。
STEP3:相手ワンコにも挨拶してもらう
目を合わせない挨拶が上手にできたら、ゆっくりと相手ワンコを解放します。
飼い主さんは変わらず「前向きに興味を持った状態」であれば誉めてあげてください。
※相手ワンコが興味を示した途端にパニックになるなら、STEP1や2を繰り返して練習してください。
※愛犬のペースと相手ワンコのペースに合わせて、いったん休憩することも大切です。
STEP4:解散する
一緒に遊べなくても、深追いせずに相手ワンコと解散してください。
もちろんあなたの愛犬が喜んで寄っていくようであれば遊んで貰っても大丈夫ですが、「知らない犬と平和に挨拶した」というイベントを楽しく終了することが1番大事なポイントです。
頑張りすぎて疲れない程度に、ちょっと名残惜しいくらいで終わらせてしまいましょう。
あなたの愛犬も何度も繰り返すうちに、正しい挨拶を学習してくれるはずです。
正しい挨拶ができるワンコ同士であれば、いきなり吠えたり吠えられたりはしません。
※相手が礼儀正しい挨拶ができないワンコの場合は、無理せずその場を離れましょう!
STEP5:ワンコの友達を作る、一緒に遊ぶ
何度か相性のいいワンコ達と挨拶を繰り返したら、だんだんと友達犬ができてくるでしょう。
人間と遊ぶのも楽しいけど、ワンコ同士の遊びはまた違った強烈な楽しみがあります。
楽しく遊ぶことを繰り返すと、愛犬の中で「他の犬」はポジティブな印象に変わっていきます。
ここまで来てしまえば、あなたの愛犬も犬嫌いを克服できる日はスグですよ♪
発展編:親友犬ができたら
ワンコはチームで生きる動物です。
親友犬が一緒なら、仲間意識によって不安な気持ちが小さくなるので、
ドッグランで他のワンコに会ったときも、自然に挨拶できる可能性があります。
そうやって成功体験が増やせれば、むやみに犬を怖がることが減りますよ♪
友達犬・親友犬ができたら、どんどんチームで出かけましょう!
頼れる飼い主になろう!仲裁の方法
そうは言っても、不躾な挨拶しかできないワンコ相手に困ってしまう場面も出てきます。
順調に遊んでいても、相手がヒートアップして愛犬が怖がる場面も出てきます。
こんな場面でも簡単に抱っこはしないでください。
かといってオロオロ戸惑っていたり、他人事のように笑っていては頼れる飼い主にはなれません。
まずは相手ワンコと愛犬の間に、サッと入って妨害
飼い主さんの体の向きは、愛犬を背中に・相手ワンコと対面する形で立ちます。
これは犬同士でもケンカを仲裁するときに「頭を冷やして!」という合図で登場します。
ちょっとヒートアップした程度なら、これで相手も冷静になってくれます。
※愛犬の様子を見てまだ遊ぶ気があるようなら、そのまま2匹を合流させて大丈夫。
それでも相手ワンコが止まらない場合
相手ワンコと対面したまま、あえて目を見て1歩前へ踏み込んでみましょう。
これは「もうダメだよ!これ以上は怒るよ!」という強めの合図になります。
それでも止まらない勝気な犬が相手なら、遊びは終了。
お散歩中ならその場を離れ、通常のお散歩に戻ります。
ドッグランであれば、そのまま出て仕切りなおすくらいの思い切りも必要です。
あくまで、無理なく、楽しめる範囲で♪
人間対ワンコとは違い、ワンコ対ワンコでは「お手柔らかに」と相手にお願いはできません。
相手のワンコに「もうやめて!」が伝わるとは限りません。
さらに相手ワンコの飼い主さんとの関係もあり、単純にはいかないかもしれません。
「このワンコ、マナー無視の挨拶しかできないの!?」と思っても冷静に!
「うちの子怖がりなんで練習中なんです~、ごめんね♪」と退散してしまえばOK♪
「まだいける・もうダメ」をしっかり飼い主さんが見極めて、上手にその場を収めてくださいね。
みなさんの愛犬が、楽しく暮らせますように!
ユーザーのコメント
20代 女性 エシャロット
それから、ワンちゃんにも事情や気分があります。一緒に「こんにちは」とお話しして、その場にいれるだけで最初は十分、少しづつ、外の世界や外の人、犬がいるという環境に慣らしてあげましょう。この記事ではリードは無い方がいいと推奨されている部分がありますが、リードは行動を制御するだけでなく、飼い主とつながっているという安心感にもつながるものですので、個人的にはリードをつけておくことをすすめたいです。
40代 女性 ぱん
違う環境で生まれ育ってきたのですから、社交的な子もいればなんだか臆病な子もいて当然です。
まずは勇気を出してお散歩に出てみてください。
そして飼い主さんの感情は犬も読み取るため、最初は飼い主さん同士で挨拶したり笑って世間話をすることで、犬は「あれ、飼い主さん同士が仲良く話してるってことは、心配しなくてもいいんだ」と思ってくれます。もし飼い主さん同士が喧嘩口調で攻撃的に話していたら、犬は避けようとするでしょう。
難しいところから始めずに、わたしたちが相手の飼い主さんに挨拶するとこから始めるのがいいと思います。
外で犬に会ったときに相手の犬がフセのように前足を伸ばして頭を下げるポーズをとったり、いきなりパンチをしてくることがあります。
また愛犬がお腹を見せる仕草をすることがあるかもしれません。
この仕草に犬が飛びかかってくるのではないかと心配になる飼い主さんもいるかもしれませんが、そこで不安にならず少し待ってあげてください。
犬は「遊びたい」のアピールとしてこのような行動をします。
怖くてお腹を見せているのではないことを分かってあげてくださいね。
案外犬同士しか分からないシグナルが沢山あると思うのです。
怖いからと言って飼い主さんがカチコチになりすぎて行動をしていたのでは、いつまでたっても犬たちは仲良くなれません。犬を信じて見守ってあげると、案外早くお友達ができるかもしれません。
そして犬同士で触れ合うことが出来れば、犬は満足すると共にストレスも解消されて、いいことばかりですよ。
40代 女性 SUSU
ミニチュアダックスの男の子と暮らしています。我が家の愛犬は、犬種によって好き嫌いが分かれていて、嫌いな犬種にはあからさまな態度をとることも多く、飼い主としては申し訳なくて焦ってしまうことも多々あります。
犬の挨拶に関しては、飼い主さんの中でも考えが分かれる所があり、大きさに関係なく、全てのワンコに対してきちんと挨拶が出来るワンコになって欲しいという方もいれば、他の犬とは一切接触させないようにしているという方もいます。
それぞれのお考えがあるかと思いますが、個人的な意見としては、他の犬と接触させないことで病気の感染やトラブルによる怪我のリスクから避けられるかもしれないが、社会性の高い動物には少々かわいそうな方針であり、かといって、全てのワンコと挨拶できるようになって欲しいというのは飼い主のエゴに近い願いに過ぎないと思っています。
私達人間でも好き嫌い、得意なタイプ、苦手なタイプがあり、親からみんなと仲良くしなさいと言われても、現実はそうはいかないものではないでしょうか。
社会性の高い犬であってもそれは同じで、好きなタイプ、嫌いなタイプがあってもいいのかなと私は思っています。我が家では、愛犬が嫌いなタイプ、犬種に対して吠えかからないようであれば、たとえ挨拶が出来なくてもよしと考えています。
記事にあるように、挨拶が苦手なワンコをいきなりドッグランなど犬がたくさんいる場所に放り込むことは逆効果です。まずは、通りの端と端で通り過ぎることが出来ればそれで良しだと思います。人間は挨拶というと近くに寄って鼻と鼻を付き合わせることが挨拶だと思いがちですが、十分に距離を取って、弧を描きながらゆっくりと通り過ぎることも立派な挨拶です。
敵意はありませんという意思表示となり、マナーの出来たワンコであればこれで十分に通じます。
お散歩をしていて犬同士がすれ違う際に、どちらか片方が地面の匂いを嗅いだりして知らんふりをしている場面を見かけることがありますが、これも相手に対して落ち着いて、敵意はないよいというちゃんとした挨拶です。
なお、記事の写真にあるような、挨拶をしている際に尻尾が左に向いている場合は長引かせず他に注意を向けた方が無難です。お互いに尻尾が左に向いており、不快のサインを示しています。このまま続けていると、気の強いワンコの場合は吠えたり、唸ったりといった次の行動を取ることになります。飼い主さんにとっては、最初はおとなしく挨拶をしていたのに急に吠えだしたと思うものですが、カーミングシグナルでははっきりと不快を示しています。
また、記事にある愛犬と相手のワンコとの間に立って妨害する場合は、まず、相手のワンコに対して身体を横に向ける方が無難です。正面に立つことは敵意を表すことになり、いきなり戦闘モードとして捉えられてしまいます。横向きに間に入ることで、もう止めて!落ち着いて!という意思表示になります。
ワンコそれぞれの性格によって、積極的に挨拶をしたいタイプ、上記のような控えめな挨拶で済ませたいタイプ、いろいろなワンコがいていいと思います。それも個性ではないでしょうか。
控えめな挨拶の中でも少し近づいて挨拶をしてみようかなと思えば、ワンコの方から行動に移していくと思います。その延長線で仲良くお散歩出来る仲間が見つかれば最高だと思うのです。
30代 男性 さとう
その犬はよほど犬が嫌いなのか、犬が近づくとものすごい勢いで吠え続けます。するとそのご婦人は「なんで吠えるの?お友達でしょう?」と子どもを諭すように話し、そんな犬なので、他の犬は自ら近付かなくなるのですが、するとご婦人は犬を連れていろいろな犬にあいさつ回りを始めます。もちろん犬は猛烈に吠え続けています。
その光景を見ながら、別に犬が嫌いな犬に、犬を好きにさせる必要なんてないのに、と思ってしまいます。
かわいそうに、そのダックスにとっては地獄でしょうね。犬が好きじゃなくたって、無理やり犬と仲良くできなくたって楽しく幸せに生きていけるのに…。
30代 女性 nico