犬の伏せの教え方!教えるメリットやしつけの手順もご紹介

犬の伏せの教え方!教えるメリットやしつけの手順もご紹介

みなさんは愛犬に「伏せ」を覚えさせていますか? 伏せはしつけの基本動作の1つです。できるだけ犬には伏せを覚えさせておくのが良いとされています。なぜ伏せを教えたほうがいいのか、どのように教えるのか。この記事では、犬に伏せを教えるメリットや教え方の手順、注意点などをご紹介します。

犬に伏せを教えるメリット

伏せをする2匹の犬

どうして犬には伏せを教えておいたほうがいいのか、皆さんはご存知でしょうか。「お座りだけ教えてちゃダメなの?」と思う人もいるかもしれません。

実は犬に伏せを覚えさせておくと飼い主と犬の両方にメリットがあるため、犬には伏せを教えておくべきだといわれているんです。一体どんなメリットがあるのでしょうか。得られるメリットを具体的に5つ紹介します。

メリット1:興奮している犬をコントロールできる

犬が自発的に伏せをする理由は「自らを落ち着かせたり、休ませたいとき」だと考えられています。伏せは犬にとって、とてもリラックスできる楽な体勢です。そのため興奮して吠えている犬でも、伏せをさせることによって大人しくさせることができます。

ドッグカフェなどでも伏せをさせておけば、犬はテーブルの下で長時間待つことが可能です。

メリット2:飼い主との信頼関係が作りやすくなる。

伏せの体勢は、犬にとって服従や敵意がないという意思表現だともいわれています。子犬の頃から伏せのトレーニングをすることによって、飼い主と犬に信頼関係が作られやすくなるようです。

伏せに限ったことではありませんが、しつけトレーニングは犬との大切なコミュニケーションの1つなので積極的に行いましょう。

メリット3:犬の体に負担がかからない

犬は伏せの体勢をすると、足で体の重さを支える必要がなくなるので楽になります。伏せをさせることで、犬を休ませることが可能です。楽な体勢になれるのは犬にとって大きなメリットといえるでしょう。

メリット4:犬の急な動きを防ぐことができる

犬に伏せをさせておくと、急に犬が動こうとしても制止することができます。例えば犬にお座りをさせていても、犬は後ろ足を立たせるだけで、すぐに行動することが可能です。

対して伏せの状態から犬が動こうとすると、まず上半身を起こし、その後立ち上がるという動作が必要になります。少しの違いですが、犬が急に人に飛びついたりすることを防ぐには充分でしょう。

メリット5:待てのトレーニングにつなげることができる

伏せと同じくらい大切なしつけが「待て」です。伏せを教えておくと、お座りよりも伏せをして待つほうが犬にとって楽なので、長い時間でも待てができるようになります。お座りだけでなく、伏せも教えておきましょう。

犬の伏せの教え方

トレーニング中のダックス

「メリットはわかったけど、うちは子犬のときに教えなかったからもうダメね」という飼い主さんもいるかもしれません。でも安心してください。伏せは子犬だけでなく成犬になっても、いつからでも覚えさせることができます。

伏せの覚えさせ方を手順に沿ってご紹介しますので、チャレンジしてみてください。

まずはトレーニングを始める準備をします。犬がトレーニングに集中できる環境作りをしましょう。おもちゃなど邪魔な物は片付けてスペースを作ります。特別な道具は必要ありません。食べやすいサイズの犬用おやつだけ準備してください。

準備ができたら、次の手順にしたがって伏せを教えてみましょう。

手順1:手におやつを握り、犬にお座りをさせ向かい合って座る

繰り返し練習できるようにおやつは数個握っておきます。

手順2:犬の鼻先におやつを1つ近づける

片方の手でおやつを1つだけ持ち、犬の鼻先に近づけます。犬におやつを食べられないように注意してください。

手順3:「伏せ」と言いながら、おやつを下げて犬に前足を伸ばさせる

コツは犬のお尻が上がらないように、スローモーションでやることです。どうしても犬がお尻をあげてしまう場合は、軽く犬のお尻を押さえてあげると良いでしょう。おやつを下げる手の動作は「伏せ」を指示するハンドサインとして使うことができます。

手順4:犬のお腹が床についたら褒めておやつをあげる

タイミングが大切なので、伏せの体勢ができたらすぐに褒めましょう。犬はお腹を床につけるとご褒美がもらえると学習していきます。

1〜4の手順を何度も繰り返すことで、犬はだんだんスムーズに伏せるようになっていきます。スムーズにできるようになったら、おやつでの誘導はやめて「伏せ」の言葉だけで伏せをするチャレンジをしましょう。

言葉だけで成功するになったら、次は立った状態からやってみたり、ハンドサインだけでの伏せにステップアップしていってください。

尚、ご紹介した手順だけが正しいやり方というわけではありませんので、うまくいかない場合はトレーニングの仕方を変えて粘り強くチャレンジしてみてくださいね。

犬に伏せをしつけるときの注意点

申し訳なさそうな犬

犬が伏せをなかなか覚えないと、焦ってしまう飼い主さんもいるかもしれません。焦るあまり間違ったやり方をすると、犬に伏せを覚えさせるのが難しくなってしまいます。

覚えるスピードには個体差があるので、愛犬の様子を見ながらしつけていきましょう。

しつけをする時の注意点を3つまとめておきますので、頭に入れてからトレーニングをしてみてください。

コマンドを統一させる

よく犬を混乱させてしまうのが、統一されていない指示を出すことです。あるときは「ダウン」、別のときには「伏せ」など、英語だったり日本語だったりコマンドが変わると犬はとても混乱してしまいます。

同じ言葉でも「伏せ!」と強く言ったり「伏せだよ、伏せしてね〜」などと言い方を変えるのもよくありません。犬にだすコマンドは統一し、犬が理解しやすいようにしましょう。ハンドサインは誰が使っても統一しやすいので、指示を出すときに有効的です。

強引に伏せをさせない

犬に伏せをさせようと強引に前足をひっぱったり、お尻を押さえつけるのは絶対にやめてください。犬が恐怖心を覚えてしまったり、関節を痛めてしまうことがあります。

また、なかなか覚えないからといって叱りつけたりしてはいけません。犬がトレーニングを嫌がるようになったり、飼い主と信頼関係を築けなくなってしまいます。

しつけは短時間でする

犬の集中力は15分程度しかもたないといわれています。早く覚えさせようと長時間トレーニングしようとしても、犬はあきてしまい効果がでません。犬の集中力がもつ時間で効果的にしつけを行いましょう。

犬が伏せをできない原因

レントゲン写真と犬

教えても伏せをしない、普段から伏せようとしない。もしくは、今まで伏せをしていた犬が急に伏せをしなくなってしまう。これらの原因はいくつか考えられますが、場合によっては動物病院へ行く必要があるかもしれません。

犬が伏せをしたくてもできないのか、伏せの指示を嫌がっているのか見極めることが大切です。犬の様子を普段からよく観察しておきましょう。

犬が伏せをできない原因として考えられる4つの例を紹介しますので、参考にしてください。

犬が反抗期に入っている

人間と同じように、犬にも反抗期があるのはご存知でしょうか。小型犬は生後4ヵ月〜6ヵ月頃、大型犬は生後9ヵ月〜12ヵ月頃に反抗期に入るといわれています。反抗期に入った犬は飼い主の指示を無視することがあるようです。

成長途中の若い犬が伏せの指示を嫌がるときは、反抗期である可能性が高いでしょう。ワガママになっている犬に対処するときは、甘やかしても叱ってもいけません。淡々と接することで、犬は飼い主を頼れる存在だと認識し落ち着いてくるはずです。

関節に痛みがある

老犬が伏せをしなくなった場合には、どこか関節などに痛みがあるかもしれません。老化に伴って関節に痛みがでることが多いのは、人間も犬も同じです。

また子犬であっても、不自然に伏せをしようとしない時にはどこかに痛みがある可能性があります。伏せをしようとしても痛がる様子でやめてしまい、時間を置いても改善しないときは動物病院へ連れて行きましょう。

落ち着けない環境にいる

犬が不安を強く感じ、どうしても落ち着けない場合は伏せをしないことがあります。また、伏せをする地面や床が冷たかったり熱かったり、濡れていたりすると伏せをしたがらないでしょう。

原因を考えて、犬が落ち着いて伏せができる環境を整えてあげてください。

肺疾患、心臓疾患で呼吸が苦しい

肺や心臓に病気があり、呼吸が苦しいと伏せをするのが難しい状態になることがあります。犬の体調をよく観察し、呼吸できず苦しそうな時には一刻も早く動物病院へ連れて行きましょう。

まとめ

伏せて見上げる犬

犬に伏せを教えるメリットや手順、注意点などについてご紹介しました。

伏せを教えておくとメリットがたくさんあることを、お分かりいただけたでしょうか。愛犬がかわいいからといって、しつけをせず伏せを教えていない飼い主さんもいるかもしれません。

しかし、興奮した犬を伏せや待てを使ってコントロールすることは、思わぬ事故の予防にもなります。楽しみながらトレーニングをして、愛犬に伏せを教えておきましょう。ドックカフェや家の中など、伏せを教えておくと役立つ場面はたくさんあります。

子犬や保護犬を迎え、これからしつけをする飼い主さん。「今まで教えてこなかったけど、教えてみようかな。」と思った飼い主さん。ぜひこの記事を参考にして、伏せのトレーニングにチャレンジしてみてくださいね。

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