犬が怖がって落ち着かせるのに大切なこととは?
愛犬が怖がっている時、大切なのはなぜ怖がっているのか理由を探すことです。
犬が怖がっている時、落ち着かせるのに大切なことをご紹介します。愛犬が何かに対して怖がっている時は、当てはまるものがないか確認してみましょう。
雷・花火・家電などの大きな音
犬は、普段聞きなれない大きな音を嫌がります。 人間は音を聞けばそれが何の音で、なぜ鳴っているのかがわかりますが、犬にはそれがわかりません。
大きな音の中でも、特に花火や雷などの破裂音や掃除機、バイクなどの低くて継続して鳴る音を苦手とする犬は多く、混乱してパニックになる場合もあるため注意が必要です。
他の犬や猫などの動物
他の犬や猫などの動物が好きな犬もいれば苦手な犬もいます。他の動物と出会った時に唸る、逃げる、動けなくなるなどの行動がみられる場合は、怖がっている可能性があります。
怖がっている仕草を見せているにも関わらず、飼い主が無理やり近づけるとパニックになり攻撃的になってしまうこともあるため注意が必要です。犬同士や他の動物と近づける際は、飼い主が愛犬の様子をよく見て判断することが大切です。
見知らぬ人や子供・男性
犬は人が好きな生き物と思われがちですが、人が苦手な犬もいます。特に、大きな声で追いかけてくる子供や、体の大きな男性に苦手意識をもつ犬が多いようです。
苦手意識を持っている犬を人に無理やり近づけたり強引に触ろうとすると、犬はパニックになり攻撃的になってしまう可能性があります。愛犬が人間に苦手意識をもっている場合は、人間に恐怖を感じないよう慎重に慣れさせることが大切です。
動物病院やトリミングサロン
動物病院での診察や注射などの処置、トリミングサロンで行うシャンプーやカットはほとんどの犬にとってうれしいものではありません。そのため、嫌な事をされる場所だと覚えてしまい怖がる犬も多いのです。
車に乗っただけで動物病院やトリミングサロンを連想してしまい、震えが止まらなくなる犬やパニックになる犬もいるほど。簡単なことではありませんが、動物病院の前を散歩コースに加えたり、トリミングサロンのあとは大好きなおやつがもらえるなど、愛犬に合ったトレーニングをすることで、万が一の時に怖がらずに診察やトリミングができるようにしてあげることも大切です。
目薬やブラッシングなどのケア
目薬やブラッシングなどのケアが苦手という犬は少なくありません。成犬の頃は平気でも、老犬になると視力や聴力、脳の機能などが低下し怖くてパニックになる場合もあるようです。
いままで上手にやらせてくれていたケアでも、愛犬の年齢や状態に合わせてブラッシングや目薬などのケア方法も変えましょう。
犬が怖がる時によく見せるサイン
愛犬が怖がっている時は、飼い主が愛犬の気持ちをいち早く察し、落ち着くようにサポートしてあげることが大切です。
犬が怖がっている時によく見せるサインを5つご紹介します。どれも飼い主が見てすぐに確認できるので、愛犬が怖がっているかどうか判断する際の参考にしましょう。
- 表情がこわばっている
- 体を丸めて寝ている
- 高い声で繰り返し鳴いている
- 呼吸が荒くなる
- 体が震えている
犬が軽度の恐怖を感じている時は、耳を下げて口を真一文字に結び、表情がこわばります。普段は仰向けで寝ている犬が体を丸めて寝ている場合も、何らかに恐怖を感じている可能性があるでしょう。
犬によっては恐怖からストレスを感じ、普段より不機嫌になる場合もあるようです。軽度の恐怖を感じている犬のサインは、いずれも普段から愛犬の様子をよく観察している飼い主でないと変化に気付けない可能性が高いです。
犬の恐怖が中等度になると、鳴き声や呼吸などに変化が表れます。「キャンキャン」「キューンキューン」といった高い声で繰り返し鳴いている場合は、恐怖による警戒心が強くなっている可能性があります。
他にも、運動後や気温が高いわけではないのに舌を出し「ハァハァ」と呼吸が荒くなっている時は、恐怖から心拍数が上がり呼吸が荒くなっていることが考えられます。
犬にこれ以上の負担をかけるとストレスから体調に影響が出たり、パニックから攻撃的になる可能性があるため出来る限り恐怖心を軽減してあげましょう。
犬の恐怖心が重度になると痙攣発作を起こしたり、犬や人に対して噛みつくなどの行動がみられるため注意が必要です。
また、恐怖心が継続すると抜け毛が増える、体や足を毛が無くなるまで舐め続けてしまうなどの症状がみられることもあります。病気など他の原因も考えられるので動物病院で相談することをおすすめします。
犬が怖がっている時に上手に落ちつかせる方法
愛犬が怖がっているにも関わらず、しつけのために人や他の犬に慣れさせようとあえて近づける、恐怖心を和らげようと声をかけるなどの行為は恐怖心が増してトラウマになってしまう可能性があります。
では、愛犬が怖がっている時はどのように対応をすればよいのでしょうか。犬が怖がっている時に上手に落ち着かせる方法を5つご紹介します。
怖い音やものをシャットアウトする
犬が怖がる音やものをシャットアウトするのも方法の一つです。怖がっている対象が他の犬や特定の人の場合、散歩コースを変えるなどすることでシャットアウトすることができて、余計な恐怖心を与えることもなくなります。
花火や雷などの音に怖がる場合は、窓を閉めることで音を小さくすることは出来ますが、それだけではなかなか難しいでしょう。対処法としては、雷が鳴るとき犬が落ち着きなく歩き回るときは、号令をかけてできたらご褒美を与えましょう。雷が近づいたらご褒美の時間と思わせることで、恐怖心を抑える効果があります。
日常の生活音は犬自身も日常的に慣れ親しんでいる音です。テレビなどいつも聞いている音で犬の意識を雷など外部のノイズからそらしてあげるのも手段の一つです。
過剰な声かけをしない
怖がっている愛犬を見るとつい「大丈夫だよ」「怖くないよ」と、言葉をかけてしまいたくなります。しかし、このような声かけは犬にとって飼い主の様子がいつもと違うと感じて更に恐怖心をあおってしまうことにつながります。
犬が怖がっている時は過剰な声かけをせず、犬が怖がっている対象を無視してつも通りに過ごしましょう。そうすることで犬も異常事態ではないと感じ安心して生活出来るでしょう。
怖いものから気をそらす
掃除機をかけるタイミングや来客が来るタイミングなど、犬が怖がるタイミングがある程度予測できる場合は、その前に気をそらすのも良いかもしれません。
恐怖心が軽度であれば愛犬の好きなおやつをあげたり、おもちゃで遊ぶなどでで気をそらすことができるでしょう。
これを繰り返すことで怖がる必要のないものだと犬が理解し、恐怖心を軽減させる練習になります。
気持ちが落ち着くツボを押す
動物病院やトリミングサロンなどに行ったら、待ち時間などに気持ちが落ち着くツボをマッサージしてあげるのも良いでしょう。
犬の眉の内側にはさんちくと呼ばれるツボがあり、犬のストレス軽減や気持ちを落ち着かせるのに効果があります。さんちくを優しく撫でてあげることで愛犬の気持ちが落ち着くかもしれません。
孤独感を感じないように工夫をする
犬の祖先と言われるオオカミは群れで行動をしていたため、犬も孤独が苦手な子が多いです。バイクや雷の音など外の音を怖がる犬は留守番中に恐怖を感じトラウマになっている可能性があります。
留守番中も孤独感を感じさせないように部屋を明るくしておく、テレビをつけたままにしたり、慣れている音楽を流しておくなど愛犬が安心して過ごせるように工夫をしてあげましょう。
怖がる犬を落ちつかせる時の注意点
怖がっている犬はとてもデリケートです。誤った対応を行うとトラウマとなり、状況が更に悪化するケースや、パニックになり脱走して事故につながる可能性もあるため注意が必要です。
怖がる犬を落ち着かせる時に注意することを4つご紹介します。
怖がっている犬を叱らない
恐怖や不安を感じている犬に対して、叱って無理やり克服させようとするとするのはやめましょう。犬は、怖がっている時に叱られると余計に対象物が苦手となり逆効果になる可能性が高いです。
また、犬を心配して過剰に声をかけてしまうのも犬が異常事態だと感じて状況が悪化してしまう可能性があるため注意が必要です。
愛犬が怖がっている時は、「叱らず、褒めず、普段通り行動する」ことが大切です。
犬を自宅や飼い主の傍から逃走させない
犬は、恐怖や不安が最大値に達するとパニック状態になります。パニック状態になった犬は対象物から離れようと逃走し、迷子や事故にあってしまうケースもあります。
犬が怖がる対象物がある場合は、庭で遊ばせていても室内へ入れる、お散歩中はハーネスや首輪が抜けないようにダブルリードにするなど、犬が逃走してしまわないように気をつけましょう。
また室内にいる場合も、ドアをあけた時や網戸を破って脱走してしまう可能性があるため注意が必要です。
恐怖症が強い犬は行動診療専門の獣医師に相談する
雷や地震などの自然災害からくる恐怖心を飼い主の力だけで防ぐことは難しいでしょう。自然災害への恐怖心が強い犬は、行動診療専門の獣医師に相談してみるのも良いかもしれません。
恐怖や不安は重度になると犬のストレスや病気につながります。気持ちを落ち着かせる薬やサプリメントを処方してもらい、犬の気持ちを安定させることに繋がるかもしれません。
ただし、自己判断で薬やサプリメントを試すことは状況が悪化してしまう可能性があるためNGです。必ず行動診療専門の獣医師と相談しながら対応しましょう。
怖がっているものを無理強いさせない
特に犬同士を挨拶させる時や他の人と触れ合う時、愛犬が怖がっている場合は無理強いをさせないように心がけましょう。
怖がっているのに無理やり近づけてしまうことで愛犬がトラウマになるだけでなく、攻撃的になり危害を加えてしまう可能性があるため注意が必要です。
まとめ
人間と同じように、犬にも怖いものや苦手なものが存在します。飼い主から見れば大したことがないことでも、犬にとっては大きな恐怖やストレスを感じる場合があるのです。
愛犬が怖がっている時に無理強いをさせてしまうとトラウマになり、恐怖心が増すだけでなく飼い主との信頼関係も崩れてしまう可能性があるため注意が必要です。愛犬が怖がっている時は、安心して過ごせるようにサポートしてあげましょう。
また、恐怖やストレスから脱毛や痙攣など体に影響がある場合は、行動診療専門の獣医師やドッグトレーナーなど専門家の力を借りることも考えてみても良いかもしれません。
愛犬と飼い主が幸せで快適な毎日を過ごせるように心がけましょう。