犬との遊びは重要!
犬の飼い主さんなら、当たり前のようにしている犬との「遊び」。遊びは一見適当で良さそうに感じるかもしれませんが、深い意味があり、しつけの一環としても効果があるなど奥が深いのです。
では、犬との遊びにはどんな意味があるのでしょうか?犬を飼ったことがない、飼い始めたばかりの初心者の方に向けて犬と遊ぶことの重要性をお伝えしていきます。
遊びによって犬の狩猟本能が満たせる
犬は、飼い主さんとの遊びを通して本来犬のもつ本能を刺激されることがよくあります。犬種によっては強い狩猟本能が備わっていますし、愛玩動物として生まれた犬種でも犬の祖先はオオカミです。
遊びを通して犬のもつ狩猟本能が満たされることがあります。そういった本能的なことも意識して遊んであげられれば、有意義な遊びになるはずです。
遊びを通して犬のしつけができる
犬の集中力は5分程度と聞いたことはありませんか?犬は集中力が長く続かない動物と言われています。
個体差はありますが、しつけをする際には遊びを交えるなど、集中力が切れないようにしつけるのがポイント。また、遊びながらしつけを意識することもできます。
遊びは大切なコミュニケーション
犬と遊ぶこと自体が大切なコミュニケーションとなります。犬の気持ちを満たしたり、コントロールするためにもコミュニケーションはとても重要。
犬が楽しい時間を飼い主さんと過ごすという意味においては、遊びが一番です。犬の遊びたい気持ちを満たしてあげることで、信頼関係も深まるでしょう。
犬の性格を知ることができる
遊びを通して、犬の性格を知ることができます。ボール遊びを好むようであれば、活発な性格で運動中心の遊びを考えてあげるとさらに喜ぶでしょう。知育玩具で遊ぶことが好きな犬は、じっくり室内で遊ぶことを好みます。
犬がどんなことに喜ぶのかを理解し、遊びに積極的に取り入れてあげることで飼い主さんと遊ぶことがとても楽しくなるだけでなく、飼い主さんとの信頼関係を築くことができます。
犬との遊びの種類5つ
犬を初めて飼う方に向けて簡単な遊びをご紹介します。ご紹介する遊びの中には、嚙んでもいいと犬が勘違いしてしまうのでは?と思ってしまう引っ張りっこやケンカごっこなども。
引っ張りっこなどは、遊びやしつけがしっかりできるようになれば問題なく遊ぶことができるようになりますので、犬の様子を見ながら遊びを増やしてみてくださいね。
スキンシップ遊び
遊ぼう!と思ったときは「おもちゃや道具を使う」とイメージしがちですが、手で身体を触ってあげることが犬にはとってもうれしい遊びになります。
手足や背中、お腹などいろんなタッチで触ってあげると思いのほか喜びます。通常、犬が触られることを苦手とする足先などをあえて積極的に触って遊びましょう。
体に触られることに慣れさせることで、お手入れなど健康面でのケア(爪切りなど)のときに役に立つことがあります。
監修ドッグトレーナーによる補足
無理はせずに少しずつ触りましょう。
ボール遊び
犬はボール遊びが大好きな子が多いです。ボール遊びといっても様々な方法があります。
- ボールを投げてもってこい!をすること
- ボールを投げて一緒に追いかける
- ボールを高めに投げてキャッチさせる
などです。
その他にも、紐付きボールなどを使用してボールを投げたあと紐をひっぱり、予想のつかないボールの動きを演出することで犬がボール遊びに飽きないように工夫することもできます。
おすすめは、ボールを投げたふりをして手に隠す方法です。犬は一生懸命目で追って、投げられた方向を探しに走ったり、戻ってきたりします。何度かだまし投げをして、時々投げてを繰り返すと飽きずに遊ぶことができますよ。
ただし、何度も騙されると犬が遊ぶのを嫌になる場合がありますので、たまに遊びに織り交ぜるなどタイミングをみてやりましょう。
知育遊び
犬用の知育オモチャがたくさん出ていますが、おやつを仕込ませるコングが有名です。かじったり鼻で押したりと色々な方法でおやつを取り出して遊びます。
他にも、身近にあるもので知育遊びができます。タオルを丸めたり軽く結ぶなどして、その中におやつを隠しておくと鼻先でニオイを嗅ぎ一生懸命探します。探し出したら褒めてあげましょう。
犬の性格や能力によって、おすすめのオモチャは変わりますが、梅雨時期などで家から出られずに、お散歩や公園遊びなどができない時にもおすすめです。
引っ張り合いっこ
タオルや紐なども使用して、犬に片方をくわえさせて引っ張りっこをします。
最初は犬がくわえているのを離させる(リリースさせる)ことは難しいかもしれませんが、徐々にリリースさせる方法も教えていけると良いでしょう。
少しずつその号令がボール遊びなどにも使えるようになれば遊びの幅も拡がりますよね。
監修ドッグトレーナーによる補足
まずは、タオルや紐を犬に与えてからしばらく様子を見ましょう。
くわえてすぐに強く引っ張りすぎると、犬が萎縮してしまうこともあるので注意が必要です。
喧嘩ごっこ
飼い主さんの手にじゃれついて遊ぶうちに甘噛みをしてくることがあるでしょう。犬の社会では兄弟との遊びを通して噛む加減などを学びます。
本気で噛んできたら遊びは中断する必要がありますが、手にじゃれつかせてあえて甘噛みなどをさせて遊ぶことで、社会性を身につけさせる目的もあります。
ただし、強く噛んだり興奮しすぎている様子が見られたら、無視するなどして一旦遊びを中断して落ち着かせましょう。
遊び方がわからない子犬への教え方
犬の本来の本能的な習性で、ボールを投げれば自然に追いかけるイメージがありますが、性格的に興味を示さない子犬もいます。遊び方がわからない子犬にはまず遊び方を教える必要があります。
遊びはどのくらいから?
生後2ヶ月頃になると、歯が生えることでムズムズしてくるので、物を噛むようになります。その時にかじるオモチャやぬいぐるみを与えることが最初のオモチャ遊びになります。遊びは日常的に体力に合わせて、徐々に増やして行きましょう。
生後6ヶ月を過ぎるころから動きは成犬に近くなり、激しくなってくるはずです。その頃には、ボールを遠くに投げて持って帰ってくるようになっていると良いでしょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
1歳になるまでに激しい運動をすると発達途上にある骨格系に影響し、関節に損傷や変形を引き起こす可能性があります。
程よい距離にボールを投げるなど、無理な運動のさせすぎには注意しましょう。
遊びを教えるコツは?
遊びを促すには、まずは犬に興味をもたせることが必要になります。その方法として、
- 音が鳴るオモチャを使用する
- オモチャを目の前で見せる
- おやつをうまく使用する
犬の気を引くために音が鳴るおもちゃを使用してみましょう。目の前で音をならしたり、いつもは見たことのないものを動かしてみたりしてニオイをかがせたら、声掛けをして遊びスタートです。
声をかけるときには、短い号令を意識するとよいでしょう。遊びの中で「待て」や「いけない」などしっかり伝えると、遊びを通してできるようになったことが自然にしつけにも使える号令になることもあります。
犬との遊び方での注意点
遊び方を間違えると、性格が荒々しくなってしまうことがあるので注意が必要です。子犬のうちはしつけも兼ねて遊ぶことも多いと思いますので、ポイントをおさえながら楽しく遊びましょう。
遊び終わったらおやつを与える
遊び終わったら、おやつを与えてしっかり褒めてあげましょう。遊びが終わったという合図にもなります。
夏に外で遊ぶなら熱射病・熱中症に注意する
犬と外で遊ぶ場合には、気温や体調などには十分注意してあげてください。炎天下の中外で遊ぶのは大変危険です。
もし外遊びをする場合には、日が落ちた夕方など熱射病に気を付けましょう。気温が高い日中は熱中症にも注意が必要です。
興奮しすぎない
犬は飼い主さんとの遊びに夢中になりすぎて興奮気味になることがあります。特に、引っ張り合いなどをしているときに興奮してうなり声をあげるようであれば、遊びを中断して落ち着かせましょう。
多頭飼いで遊んでいて興奮した犬同士が喧嘩になり、悲しい事故になった事例も。興奮する理由には様々な要因があります。
例えば、エリザベスカラーを使用していて普段のように遊ぶことができないとき、一旦エリザベスカラーを外して遊ばせるうちに溜まったストレスから興奮し過ぎてしまうことなども。
解放され過ぎると制御がきかなくなることがあるので、様子はいつも観察しておきましょう。
犬が攻撃的になる様なら別の遊びを
ひっぱりっこや、手にじゃれつかせる遊びは、「噛みついても大丈夫!」と犬に勘違いをさせる場合があります。
普段の生活で噛むことはダメだと教えているのに、タオルや紐は大丈夫という区別がつかない場合は、一度遊びの内容を見直す必要があるかもしれません。
もし遊びと区別がつかない場合には、引っ張りっこなどの遊びは一旦やめてしつけがしっかりできてから取り入れるなど、犬の性格などをみて判断しましょう。
遊びは飼い主のペースで
犬は遊ぶのが大好きです。犬が遊びを求めてきた時、決して言いなりになってはいけません。
あくまでも飼い主さんのペースで遊ぶと決めたタイミングで遊びをスタートしてください。ただし、犬にも遊びたくないときがあります。必ず犬の様子を見ながら判断し、遊びに誘ってあげることが大切です。
安全に遊べる環境を作る
外で遊ぶ場合、のびのびと遊んで欲しいからとノーリードで走らせるなどは大変危険です。ロングリードや伸縮リードを使用するなど安全には配慮が必要です。
体調などをしっかり観察して遊ぶ
体調不良や低血糖症の犬が、飼い主さんの誘いで遊びに夢中になっていて、気が付いたら疲れてフラフラになっていることがあります。
犬は体調が悪くなっていても、深刻な状況にならないと表に出さないことがあります。普段からしっかり様子を観察して体調などを見極めて遊んでください。
犬の大きさや月齢に応じて、遊びの内容や運動量などもしっかり考えてあげましょう。小さな仔犬は低血糖症になることが多いので特に注意が必要です。
もし遊びの中で低血糖の症状が出た場合には、砂糖水(砂糖8: 水2)やシロップを応急処置として舐めさせてください。
まとめ
いかがでしたか?犬の遊びにはたくさんの種類があり、遊ぶことの重要性も理解していただけたでしょうか?
- 犬の遊びにはしつけなども意味もある
- コミュニケーションの観点から遊びは重要
- 犬との遊びは運動系(ボール遊びや引っ張り合い)と知育系(知育おもちゃで遊ぶ)がある
- 犬と遊ぶときは注意点を守らないと事故につながる恐れがある
犬にとって遊ぶことはとても重要で、生活の中にうまく取り入れることができれば犬との生活は充実します。
犬とのコミュニケーションの基本はしつけと遊びです。しつけと遊びは切り離せないので、犬の性格をよく見て判断することで、愛犬にとって最適な方法を取り入れていきましょう。