犬が変な座り方するときに注意が必要な5つの病気

【獣医師監修】犬が変な座り方するときに注意が必要な5つの病気

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わんこの座り方にはいろいろクセがあるもの。不思議な姿勢で笑わせてくれるわんこもいますが、その姿勢、もしかしたら病気が原因になっているかもしれません。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

これって大丈夫?不思議なわんこの座り方

おすわりして首を傾げる犬

人間にも楽な姿勢があるように、わんこにもその子の楽な姿勢というものがあります。お姉さん座りのようになっていたり、膝を崩していたり、ちょっとおかしな姿勢で座っていても、「オスワリ」とコマンドしたときにビシッと「オスワリ」の姿勢をとることができれば、大きな心配はいらないことがほとんどです。

ただ、常にしっかりした座り方をすることができない場合や、突然今までと違う座り方をするようになった場合には、怪我や病気のシグナルかもしれないので、注意が必要です。

骨折

包帯を巻かれる犬

犬は一般的に痛みに強く、また、自然界で暮らしていたころの本能から、骨折しても声を上げて大騒ぎすることはほとんどありません。そのため、座り方や歩き方がおかしくなったので見てみると実は骨折していたということも少なくありません。骨折の場合には、これらの異常の他に患部の腫れが伴うことがあります。

原因

ほとんどが交通事故や、高いところから落ちたなどの事故によるものですが、食事やホルモンの異常によって骨がもろくなっていたり、骨に腫瘍ができていたりすることが遠因のこともあります。また、ドッグレース等の激しいレースに出場するわんこの場合には、疲労骨折を起こす危険性もあります。

治療法

単純な骨折の場合は、皮膚を切らずに上から副木を当てて固定する方法をとります。それが難しい場合には、プレートなどを用いる外科手術を行うことになります。いずれにしても、完治するまでは患部を固定した状態で生活しなければなりません。

予防法

事故による骨折の予防は、飼い主さんが気をつけて見ていてあげる他ありませんが、骨折しやすい骨になってしまわないように、食事や運動を管理してあげることも重要です。また、見落としがちなのが肥満です。肥満は骨にも負担をかけますので、体重管理も予防につながります。

股関節脱臼

犬のレントゲン写真

わんこが発症する疾患の1つです。突然足を引り力が入らないそぶりになってしまったり、亜脱臼の場合は足を伸ばしたりといった初期症状です。痛みがひどい場合には地面に足をつけることができなくなることもあります。

原因

交通事故や落下などによって股関節に大きな力が加わり、靭帯が切れてしまうことで起こります。また、後でご紹介する股関節形成不全や、レッグパーセス病が原因になっていることもあります。

治療法

全身麻酔をかけたうえで、皮膚の上から脱臼した関節の整復を行います。その後は自宅で一週間弱、安静にします。整復ができない場合や、骨折を併発している場合には、手術になることもあります。

予防法

基本的には骨折の予防法と同様ですが、脱臼は再発しやすいので、再発を予防することが大切になります。散歩の時間の長さやリハビリの方法など、獣医師の指示に従うようにしましょう。

膝蓋骨脱臼

犬の膝

いわゆる「膝のお皿」がずれてしまうもので、先天性と後天性がありますが、小型犬に頻繁に見られる疾患です。また、膝蓋骨がどちらにずれるかによって内方脱臼と外方脱臼の2種類があります。内方脱臼は小型犬に多く、外方脱臼は大型犬に多くみられます。

症状は4段階に分かれますが、初期段階ではわんこが自分で脱臼を治してしまうため発見が難しく、後期段階になると脱臼している足を地面から上げて歩くようになります。

原因

外傷や先天的な異常が原因となって発症します。先天性のものはプードルやチワワといった小型犬に特に多く見られますが、大型犬では股関節形成不全を伴うことがあります。

治療法

手術によって脱臼を修復し、膝蓋骨の動きをなめらかにします。成長期の若いわんこの場合には、放置すると患部が変形してしまうため、重度の場合は迅速な手術が必要です。

予防法

先天的な異常が原因のことがほとんどのため、根本的な予防は難しいといえます。脱臼を起こさないように、床をすべりにくくする等の生活面での工夫は可能です。

股関節形成不全

犬と獣医

体重の重い大型犬に多い遺伝的疾患で、股関節が変形してしまう病気です。多くは生後半年頃から症状が現れはじめ、成長と共に症状が顕著になっていきます。

座る姿勢がおかしくなったり、歩くときに腰が揺れたり、うさぎ跳びのような走り方になったりすることがあります。

原因

遺伝的要因が大きいものの、発育期の生活環境に原因がある場合もあります。発育期に肥満によって骨に過度の負担がかかると、骨の組織が変形してしまい、股関節が十分に発達できなくなってしまうのです。特に生後60日間がポイントとなるとされています。

治療法

若い犬で初期症状の場合には内科療法をとり、運動と体重増加を制限した安静第一の生活を心がけます。症状が進行している場合には、抗炎症薬や鎮痛剤を用いた薬物療法をとりますが、効果がない場合には外科手術になります。

予防法

遺伝的要因の場合には予防は困難です。ただし、幼犬期の肥満が原因となる場合もあるので、食事管理や運動管理で肥満を予防することがこの病気の予防にもつながります。

膝前十字靭帯断裂

診察中の犬

膝で十字に交差している靭帯の前側が切れてしまう疾患です。突然後ろ足を上げて歩くようになりますが、痛みは現れたり消えたりをくり返しますが、一般的に痛みから足をあげていることや引きずるようになってしまうこともあります。治ったと思っていても症状は進行しているので、早めの治療が大切です。

原因

事故によって切れることもありますが、加齢により靭帯そのものが弱くなっている場合や、肥満が原因となっている場合が多いです。

治療法

関節の中に靭帯を再建する方法と、関節の外側を強化する方法がありますが、治療法はわんこの健康状態や症状の重さによって変わります。治療が遅れると関節炎を引き起こしてしまったり、他の靭帯も痛めてしまい歩行困難になることもあるので、異常が現れたらすぐに治療することが必要です。

予防法

肥満を予防することが第一です。また、膝蓋骨脱臼が原因となっている場合もあるので、その場合には膝蓋骨脱臼の治療を行うことが必要です。

まとめ

診察を受ける犬

いかがでしたでしょうか?おわかりいただけたように、座り方に異常が現れる病気のキーワードは「遺伝」と「肥満」です。特に「肥満」はさまざまな病気に直結しますから、普段から飼い主さんが責任を持って管理してあげましょう。

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