犬が陰部をしきりに舐める原因とは?
犬が陰部をしきりに舐める原因は、オスとメスでそれぞれ異なる原因があります。
また、犬が陰部をしきりに舐めるからといって必ずしも病気であるわけではありません。
正常な行動なのか、病気による行動なのか、しっかり見極める必要があります。
犬が陰部をしきりに舐める原因として考えることができる病気と、オスとメスでそれぞれ異なる原因について、ご紹介しましょう。
病気の可能性と原因について
犬が陰部をしきりに舐める際に考えることができる病気には下記のようなものがあります。
- 子宮蓄膿症
- 外陰部の炎症
- 膣炎
- 包皮炎
- 膀胱炎
病気ではなく、正常な行動として考えることができるものには下記のようなものがあります。
- おしっこをした後の陰部のお手入れをしている
- 発情期の分泌物を舐めとっている
- オリモノを舐めとっている
オス犬が陰部をしきりに舐める原因と病気について
オス犬が発症する病気には、前立腺肥大・前立腺炎・前立腺膿瘍・亀頭包皮炎・睾丸の腫瘍・陰嚢などがありますが、陰部をしきりに舐めるという症状が起きる病気として考えることができるのは「亀頭包皮炎」です。
亀頭包皮炎について
オス犬の生殖器に発生する病気として最も多いのが亀頭包皮炎です。
命に関わるような病気ではありませんが、決して軽視することなく、しっかり治療を受けさあせてあげて欲しいと思います。
亀頭包皮炎を発症することで最も多くみられる症状が“陰部をしきりに舐める”というものです。
犬にとって、とても不快なものなのではないでしょうか。
陰部の先端に黄色っぽい膿が付着していることがあり、それを舐めとろうとしきりに陰部を舐めるのです。
その膿が付着する理由は細菌感染をしているからであり、病原性のない細菌もありますが、痒みや痛みを伴うものではないとされています。
亀頭包皮炎の治療法について
- 包皮を洗浄する
- 抗生物質を投与する
などの治療法が用いられることがあります。
亀頭包皮炎を発症する原因は、陰部が不潔な状態であるということです。
おしっこをした後は犬自身で舐めてお手入れするかと思いますが、洗ったり拭いたりなどし、清潔に保ってあげることで予防に繋がるのではないでしょうか。
メス犬が陰部をしきりに舐める原因と病気について
メス犬が発症する病気には、子宮蓄膿症・膣炎・偽妊娠・乳腺炎などがありますが、陰部をしきりに舐めるという症状が起きる病気として考えることができるのは「子宮蓄膿症」です。
子宮蓄膿症は避妊手術をしていない中年以上のメス犬によくみられる病気です。
陰部から膿が出てくるようになり、それを舐めとるために陰部をしきりに舐めるようになります。
子宮蓄膿症について
子宮に炎症が起こり、膿をもちます。
開放性の子宮蓄膿症である場合には、膣から膿が出てきます。
膣から膿が出てくるようになったことで病気に気づく飼い主さんがほとんどのようです。
子宮蓄膿症の症状について
- 水を飲む量がとても増える
- 尿と量がとても増える
- 食欲がなくなる
- ぐったりとして動かなくなる
- 膣(陰部)から膿が出てくる
などの症状がみられます。
膿が出てくる開放性の子宮蓄膿症は飼い主さんも気づくことができるのですが、閉鎖性の子宮蓄膿症の場合、膿が出てこないため、発見や治療が遅れてしまうことがあるので注意しましょう。最悪の場合、亡くなってしまうケースも少なくありません。
避妊手術をしていないメス犬は、子宮蓄膿症を発症する可能性があるということを理解し、定期的な検査を受けることをおすすめします。
まとめ
あまりにも陰部をしきりに舐める場合や、しきりに舐めることで皮膚に赤みなどの異常がみられる場合には、すぐに獣医さんに診てもらいましょう。
不衛生であることが原因となり、炎症を起こしている可能性も考えられますので、おしっこの後などは洗ったり拭いたりしてあげることで清潔を保つようにしましょう。
そうすることで陰部をしきりに舐めるという行為をやめさせることができるのではないでしょうか。