犬の斜視とは
斜視とは、両目または片目が真っすぐ向いていても、視線が違う方を向いている状態のことで、半数は片目が内側や外側、上下や斜めを向いています。
斜視の好発犬種は、ブルドッグ、パグ、チワワなど先天性によるものが多いです。
子犬は目の筋肉が未発達のため成犬になると治る可能性もあります。また、「瞬膜」という目頭にある白く薄い膜が、犬の斜視と間違われることも多くあるようです。犬の斜視の症状としては以下が挙げられます。
- 歩きにくそう
- 壁や物によくぶつかる
- 物を口でうまく掴むことができない
犬には斜視による視力の影響はないと考えられています。
犬の斜視に関連する病気
水頭症
犬に斜視があらわれる病気に水頭症があります。
水頭症とは多くの脳背髄液が頭蓋内に異常に溜まり、脳神経を圧迫することで様々な神経症状を引き起こす病気です。遺伝や奇形で起こる先天性と、腫瘍や外傷などで起こる後天性に分けられます。障害を受ける部位や進行状況、期間によって様々ですが、主な症状として以下が挙げられます。
- 斜視
- 痙攣
- 意識障害
先天性と好発犬種
先天性では頭蓋骨のつなぎ目部分がしっかり繋がらず隙間が空いています。この部分を「泉門」といいます。好発犬種はチワワ、トイプードル、ヨークシャテリアなどの小型犬や、ペキニーズ、ブルドッグ、ボストンテリアなどの短頭種に比較的多くみられるようです。
治療方法としてはステロイド剤や利尿剤を使用して脳内の圧を下げる治療や外科手術をします。外傷が原因の場合は同時進行で外傷の治療も行われることもあります。
脳腫瘍
犬の眼科疾患、特に斜視や眼振があらわれやすいとして脳腫瘍も注意したい病気です。
脳腫瘍は7歳以上の高齢犬に多くみられます。しかし、症状が認知症とよく似ており見分けが難しいため、発見が遅れてしまうケースもあるようです。犬に見られる症状としては、斜視や眼球が左右に揺れ動く「眼振」など眼科疾患の他に様々です。
- 嘔吐(嚥下障害を伴う)
- てんかん発作
- 同じ所をグルグルと回り続ける
- 意識障害
などがあり、腫瘍ができる部分によって症状は多少異なってきます。ゴールデンレトリバーやパグ、ブルドッグなどの短頭種が好発犬種であり、遺伝の他に外傷によるものが原因だと考えられています。
確定診断するためにはMRI検査が行われるので、設備が整った病院や大学病院などの大きな病院へ検査しに行く必要があります。治療方法としては抗てんかん薬で発作を抑え、放射線治療や抗がん剤の投与などが勧められます。
手術を行う場合は高齢犬に全身麻酔をするリスクと体力を考えての獣医師と話し合いが重要です。また、ステロイド剤による炎症や痛みの緩和や食事やサプリメントで糖質を抑えるなどのサポートも有効です。
まとめ
上記に挙げた病気以外にも、犬には斜視が症状としてあらわれる病気は様々あります。斜視があらわれたからと言って必ずしもその病気が発病するということではありませんが、愛犬の様子がいつもと違いおかしいと感じたらすぐに動物病院に相談、診察を受けることをお勧めします。
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女性 きょん