犬のQOL!老犬や病気の子の為にできるライフスタイルの改善

【獣医師監修】犬のQOL!老犬や病気の子の為にできるライフスタイルの改善

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QOLを高めることで、その子にとって心地よく過ごしやすい生活を手に入れることができます。そこで、老犬や病気の子のQOLを高める方法をご紹介していきますので、穏やかな日々のためにも参考にしてください。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

QOLとは?老犬や病気の子がその子らしく過ごせるために

窓の外を眺めている犬

QOLとは「クオリティオブライフ」の略で、その子がその子らしく過ごすことができるように生活の質を高めることを言います。

若いころは活発だった愛犬も、年を取って老犬になると寝ていることが多くなり、足腰も弱くなったり病気にもなりやすく、老犬であるがために積極的な治療ができないことも。

また、心臓病や腎臓病、ガンなど「完治」ではなく、いかに寿命を長くできるかといった「対処療法」しかできない病気を患ってしまった場合、今後どのような生活をさせてあげられるかが大事ですよね。

そこで考えるのがQOLなのです。たとえ寝たきりになってしまったとしても、病気で今以上の回復は見込めなかったとしても、生活の質を高めてることで気持ち的な幸福感を増やすことができます。

老犬のQOLを考える

老いている柴犬

老犬になると起きている時間よりも寝ている時間のほうが多くなり、筋肉量も少なくなってやせ細ってくるため足腰も弱くなってきます。

足腰が弱くなると関節の負担も増えるため、関節炎を起こしやすくなったり、体力の低下で疲れやすい場合やもうほとんど歩けないということもあるでしょう。

こうしてできないことが増えていく老犬ですが、QOLを高めるためにできることもたくさんあるため、そちらをご紹介していきます。

お散歩の回数を増やす

足腰が弱くなってきたとはいっても、お散歩がすごく大好きな子は多いですし、適度な運動は筋肉を鍛える上でも大事な時間です。

しかし、若いころのように長い時間のお散歩は負担になってしまうため、1回の時間を短くして1日の回数を増やしてあげることをおすすめします。

そうすれば、1回の時間は短いので疲れさせてしまうこともありませんし、回数が増えることで気分転換も増えるのでメンタル的健康の促進にもつながります。

もし、もうあまり歩くことができない子であれば、抱っこして外の空気を吸いに出るといった方法でもいいですね。また、スキンシップをかねてマッサージをしてあげたり、足を曲げ伸ばししてあげたりすることもいいかもしれません。

ドッグフードやおやつの与え方を楽しむ

ドッグフードやおやつを与えるとき、普通に口元に持って行ったりお皿に入れて与えますよね。しかし、工夫をしてあげることで脳を活性化させ、より楽しい時間として過ごすことができます。

その方法が宝探しゲームです。やり方はすごく簡単で、ドッグフードやおやつをいろんな場所に隠して、見つけたら食べることができるというもの。

目の前にコップなどを置いてその中に入れて隠してもいいですし、道中に餌20cmくらいの等間隔で置いて誘導して遊んでみてもいいですね。

毎日のグルーミング

グルーミングとはブラッシングなどのお手入れのことを指しますが、ここでいうグルーミングは美容的なものというよりも、コミュニケーションを目的としたグルーミングです。

軽くなでる程度でもいいので簡単にブラッシングをしてあげたり、ブラッシングが嫌いならお手入れシートのようなもので体を拭いてあげるなど、体を清潔にしながらふれあいの時間を設けてみましょう。蒸しタオルをつかって、関節などをあたためてあげたりしてもいいかもしれませんね。

飼育環境の見直し

老犬になると段差がきつくなったり、筋力の低下ですべりやすくなったり、粗相をして汚れやすくなったりします。

そのため、スロープなどを取り入れてできる限り段差の少ない環境を作ってあげたり、滑り防止のマットを敷くなどの工夫をするようにし、毛が長い子であれば汚れやすい部分は短くカットして衛生面を保てるようにしましょう。

また、寝たきりになると床ズレを起こしてしまうので、寝床をフカフカにしてあげたり、床ずれ防止のクッションを使って床ずれを防ぎましょう。

もし寝返りができないときは2時間に1回くらいのペースで向きを変えてあげて、意識的に寝返りをさせてあげましょう。

病気の犬のQOLを考える

飼い主の腕の中にいる犬

病気といってもいろいろありますが、特に心臓病や腎臓病、肝臓病などのようなものは、病気の進行をできる限り遅らせて症状を緩和し、日々を過ごしやすくしてあげることがまず第一のQLO向上になります。

そのうえでいかに日常を健やかな状態にできるかがQOLを高めるうえで大事なので、次のようなことを意識して取り組んでみましょう。

適切な食事を与える

健康な犬であれば年齢に応じた食事を選ぶだけでも十分なのですが、特別な疾患を持っている場合だと摂取を控えるべき栄養素や逆に積極的に取るべき栄養素などもあるため、病気ごとに合ったドッグフードを選んであげる必要があります。

これは、動物病院で診断を受けると獣医師から療法食の提案があるため、そうしたものを使って体の負担を減らしてあげましょう。

好きなものを与える

適切な食事を与えるのに好きなものを与える?と疑問に思うと思いますよね。もちろん、基本的には適切な食事を与えて体の負担を減らすことが大事なのですが、もし食欲が落ち込んであまり食べることができないようであれば、カステラやパンなどなにか好物のものを与えて、少しでも元気を付けさせてあげましょう。

もちろん、指示されているドッグフードだけで十分であれば他の物は与えないようにすべきですが、どうしても食べない場合はそうした工夫をしてあげることが大切です。「食べるもの」ではなく、「食べること」が大切な場合もあります。

見た目ではなく過ごしやすさを重視する

健康な状態であれば見た目を重視したトリミングでもいいのですが、抱えている病気を患っているのであればいかに衛生的に過ごせるか、そしていかにお手入れを早く終わらせることができるかといったことを重視しましょう。

そうすることでお手入れ時間を短縮することができるため、体の負担も減らすことができますし、汚れにくく衛生的に過ごすことができます。

過ごしやすい環境を整える

どのような疾患を抱えているかにもよりますが、例えば心臓病であれば涼しいかちょっと肌寒いかな?と感じるくらいの室温にした方が心臓への負担は減るため、室温は特に意識をして調整してあげることが大事です。

また、関節炎を患っている子であれば関節に負担をかけないように、スロープやフロアマットを用意してできるだけ上り下りや滑り防止をしてあげるようにします。

もし寝たきりで動けないようであれば、できるだけ寝床を柔らかくしてあげたり、寒い日は暖かくしてあげるなど心地よいと思えるような環境を整えてあげましょう。

まとめ

人の手に合わせる犬

QOLというとすごく難しく聞こえてしまいそうですが、何も特別なことをするのではなくその子その子にとって過ごしやすい、心地が良いと思える空間を提供してあげることがQOLの向上になります。

ですから、具合が悪くなったら病院に行って治療をすることがQOL向上のためのひとつですし、暑そうだから涼しくしてあげよう、寒そうだから温めてあげよう、滑るから滑らないようにしてあげよう、といったような些細な思いやりがすべてQOLの向上につながるため、たとえ老犬になったり病気でいろんなことが制限されてしまったとしても、その中で最大の最善を尽くしてあげましょう。

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