犬の仕草からわかるもの
できれば愛犬の病気は早期発見したいもの。しかし「犬は体の不調を隠そうとする」とよく言われます。いったい、なぜ犬は体の不調を隠そうするのでしょうか。その理由や、犬の不調に気付くための注意したい仕草をご紹介します。なかなか不調を見せない犬だからこそ、日々の少しの変化に気付けるようにしましょう。
犬が体の不調を隠そうとする理由
本能によるもの
1つ目の理由としていわれているものは、犬の本能によるものです。本来、野生動物にとって怪我や病気といった不調は生きるうえでの弱点となります。狩るか狩られるかといった世界においては、子どもの次に、弱っていて動きが遅い動物が狙われます。そのため怪我や病気などの体調不良を見せてしまうことで恰好の餌食となってしまうのです。
犬もこれらの本能により「不調」といった「弱み」を見せないように、本能で痛みや辛さを隠すのだといわれています。よく犬は痛みに強い、場合によっては痛みを感じないだなんていわれますが、実際は痛みを隠しているだけで、決して痛みに強いわけでも、痛みを感じないわけではないのです。
構ってほしくないという思い
もう一つの理由として、そもそも不調の時に周りから「構ってほしくない」という思いを抱き、不調を見せないことが考えられます。人間でも不調の時はなるべく放っておいてほしいと思う人がいますよね。犬も同じで、不調を隠しているわけではなく単純に放っておいてもらいたい、構ってもらいたくない、そういった思いから「痛みを隠しているように見える」ことがあります。
この気持ちの時に余計に構ってしまうと、犬は不調とイライラが募り、唸ったり噛みついたりする可能性があるので注意が必要です。飼い主さんが見て不調を隠しているように見えるという場合は、実際に不調ながらも構ってほしくないということなのでしょう。(そうはいっても不調であることが一目瞭然であるならば、ケアが必要です)
信頼関係が築けていれば不調は隠さない?
犬が不調を隠す理由として、「本能」と「構ってほしくない」という思いによるものがあるとご紹介しました。しかし、飼い主さんと信頼関係を築けている場合、犬は不調を隠すことがないともいわれています。それどころか不調な時こそ「そばから離れない」といった仕草を見せます。
もちろん個体差もありますが、飼い主さんと密接な関係を築けている場合、飼い主さんは信頼できる相手のため不調を隠す必要がないのです。多頭飼育をしている場合、他の犬に不調を知られたくなくて飼い主さんにも不調を見せない犬もいます。しかし、本能が大きく残っていないような犬の場合、基本的には信頼関係が築けていれば飼い主さんへ助けを求めることもありえるのです。(もちろん関係が築けていても性格によっては隠す個体もいます)
不調に気付くために…
愛犬が不調を隠してしまい、飼い主さんがそれに気付けないのは悲しいですし、心配ですよね。なるべく早く愛犬の不調に築くために、大前提として「犬は不調を隠そうとする」可能性があることを理解しておきましょう。そのうえで次のような動きが愛犬に見られるときは、不調を抱えている可能性があるため注意深く観察して、早めに病院へ診察を依頼しましょう。
- 元気がない
- 触るのを嫌がる
- 痩せた/太った
- 下痢/便秘をしている
- 繰り返し嘔吐している
- 食欲がない
- 水を多飲している
- 呼吸が荒い
- 咳が続いている
- 頻繁に頭をふる
- 頻繁に体を舐めている
- 震えている
- 気が立っている
- 高い声で鳴いている/全く鳴かなくなった
他にも「いつもと違う」ような動きが見られる場合は注意が必要です。いつもと違う動作をしていることが分かるように、普段から十分なコミュニケーションを取るようにしましょう。
まとめ
愛犬の不調には飼い主としてはなるべく早く気づきたいものです。言葉を持たない犬は不調なのかどうかを口で知らせることはできません。飼い主さん自身が愛犬の異変を見つけることが第一です。早めに気付くことができるように、日頃から愛犬の動きや仕草を把握できるようにしておきましょう。
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50代以上 男性 いぬはの丸チー