犬の点滴の必要性と種類
犬の腎不全や脱水などにより、栄養補給や輸液療法といった治療の1つとして点滴が必要になります。犬に点滴をする部位は静脈内や皮下、腹腔(ふくこう)内や骨髄内などがあります。
中でも皮下投与と静脈内投与で点滴を主に行うため、聞きなれた方も多いかと思います。重症化していて、入院が必要な場合は静脈内に投与します。静脈内の方が薬の効きが早く、投与時間が長いという特徴があるためです。
一方、皮下は軽症の場合に向いています。大量に投与はできませんが、短時間での投与が可能でゆっくりと効果があらわれるため、通院もしくは自宅で飼い主が犬に点滴することができます。
犬の点滴にかかる費用
病院にもよりますが、犬の皮下点滴はだいたい1,500~2500円、静脈点滴は1日2,000円でさらに入院の場合は入院料が1日3,000円かかります。大型犬か小型犬かによって費用が変わるところや、検査も必要になった場合には検査費用がプラスされます。しかし、自宅で犬に点滴をする場合は1回の点滴の費用が1,000円以内でできます。
自宅で行う、犬の点滴方法
点滴で必要なもの
- 点滴パック
- 点滴チューブ
- 21G(ゲージ)の翼状針
- アルコール綿
- S字フック
- ティッシュ、コットン
犬の点滴に必要なパック、チューブ、針などは病院で購入することができます。
点滴の手順
- 点滴パックをお湯やレンジで人肌程度に温めてください
- その後点滴チューブを袋から取り出して、流量を調節するためにチューブについてあるクランプ(クレンメ)を下にしてしっかりと閉めてください
- パックのゴム部分にチューブのプラスチック針を差し込み、S字フックなどを使ってパックを高い位置につるしてください(ゴム部分は必ずアルコールで消毒してからプラスチック針を刺してください)
- 点滴筒に輸液製剤を半分ほど溜めます
- 点滴チューブと21G翼状針をとりつけます
- クランプを一度全開にして針先まで液を満たして、再度クランプを閉じます
- 背中の皮膚を親指、人差し指、中指で三角形を作るようにして持ち上げ、親指の下辺りの皮膚をアルコールで消毒し、針先を上にして背中と平行に刺します
- クランプを開き、漏れがなければ点滴開始です。針が抜けないように翼状針の羽の部分をテープで固定してください
- 点滴終了後、針を抜くときは軽く皮膚をつまんで抜き、1分ほどコットンで圧迫してください
犬に点滴をする際の注意点
犬の点滴で使用したパックやチューブ、針は医療用廃棄物ですので家庭ごみでは出せません。犬が触れることのできないような場所に置き、次回病院に行ったときに持っていくようにしてください。
点滴パックは直射日光が当たらないような場所で保管してください。皮下点滴後は点滴部位がラクダのコブのようにむくむことがありますが、数時間で治りますのであせることなく様子を見ててあげてください。
自宅での点滴が不安な場合は無理せず積極的に病院スタッフからのアドバイスをもらうことが大切です。事前に獣医さんと点滴手順や注意点を再度確認するようにしましょう。
まとめ
犬が点滴が必要になる状況は様々あると思います。病気によっては毎日点滴が必要な犬もいるでしょう。犬にとって点滴はかわいそうと思う飼い主の方もいるかと思いますが、点滴は治療をする上で欠かせないものです。
もし自宅での点滴が可能であれば、費用や犬の負担を考えると飼い主自ら点滴をしてあげるのが1番良いのではないでしょうか。最初は自分の犬に針を刺すわけですから不安で緊張してしまう方もいるでしょう。
ですが皮下点滴であればそれほど難しくなく、慣れれば犬もほとんど嫌がらないと思います。もしものときを考えて、飼い主がしてあげられることはないか事前に調べておく、心構えをしておくと治療が始まったときに少しは気持ちの負担が減るはずです。
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女性 ビンゴ
50代以上 女性 マロンのママ