冬場に多い犬の関節炎の症状と対策

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冬場に多い犬の関節炎の症状と対策

冬になると多くなるのが関節炎です。寒くなって血行が悪くなったり、動かなくなって太ったりした結果、関節炎が悪化してしまうことも多いようです。今回は冬になると増える関節炎の原因と対策をご紹介します。

監修:獣医師 加藤桂子先生

(伊達の街動物病院)

犬の関節炎とは?

足を曲げる犬

犬も人間と同じように色々なことが原因んとなって生じる関節炎があります。
長年使った軟骨がすり減って起こるものや、リウマチなどの病気によって起こるもの、また外傷を受けて起こるものもあります。
犬に多いのは大型犬の関節炎や小型犬の膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)、または先天的な股関節異形成症(こかんせつけいせいしょう)による関節炎です。
大型犬の関節炎は体重を支えることで負担が出てしまい起こるものも多いです。
小型犬の膝蓋骨(膝のお皿)脱臼をすると膝に余計な負荷がかかるため関節炎を発症する可能性が高まります。
先天性の股関節異形成症は生まれつき股関節の形成が上手くいかず、正常な関節の動きができるずに炎症を起こしてしまうものです。
関節に生じたダメージは修復することが難しく、場合によっては手術を必要とするものもあります。
慢性的なものは治療を行っても進行してしまうものが多く、長期的な治療が必要となってしまいます。

冬に関節炎が悪化する理由

包帯

多くの場合、冬になると関節炎が悪化すると言われています。
冬は寒さで血管が縮み、血液の流れが悪くなってしまうためです。
そうなると筋肉が固くなり、その周辺の血流も悪化するため関節に負担がかかるようになります。
寒さから関節への負担が、関節炎をさらに悪化させてしまうことになります。

関節炎の症状と主な病気

パグ

関節炎になると、その関節を動かすときに痛みを感じるようになり、関節の可動域が狭くなります。
関節炎を起こしやすい場所は足や脊椎が多いので、それらの関節を動かすのを嫌がるようになります。
次のような症状が見られる場合は関節の痛みを疑ってみましょう。

  • 散歩を嫌がる
  • 座り込んで動かなくなる
  • ジャンプをしなくなる、ジャンプをするのをやめてしまう
  • 背中を丸める
  • 体を触られるのを嫌がるようになる
  • 足をひきずる、跳ねるように歩く
  • 動作がぎこちなくなる

また、体の痛みが常にあるためストレスが溜まり食欲が落ちたり、元気がなくなったりすることがあります。
関節炎を起こす病気として以下のようなものがあげられます。

膝蓋骨脱臼

膝の膝蓋骨(お皿)が外れてしまうものです。トイプードルなどの小型犬に多く、中には生まれつき外れやすい犬もいます。
お皿が外れた膝には負担が多くかかるため、膝関節が変形したり、炎症を起こしたりします。
足を曲げようとすると痛いため片足をあげて歩いたり、小股で歩くようになります。

股関節異形成症

骨盤と大腿骨(だいたいこつ)をつなぐ股関節が先天的にしっかりとはまっていないために、軟骨同士がぶつかって関節炎を起こしてしまいます。
遺伝が原因とも言われていて、ゴールデンレトリバーのような大型犬によく見られます。
股関節を動かすと痛みが出るため、小股で腰をふって歩くモンローウォークをするようになります。

リウマチ性関節炎

リウマチとは本来であれば外部から入ってきた異物を攻撃する免疫反応が自分の体の中のものを攻撃する、という異常によっておこります。
原因はまだ不明ですが、関節炎が進行していきます。
膝関節などは炎症によって変形がみられることが多く、そのまま放っておくと歩けなくなります。

変形性脊椎症

本来であればひとつひとつが独立している脊椎の間に骨が増殖して、進行するといくつかの脊椎がつながって固まる病気です。
椎間板ヘルニアが原因のひとつと考えられていますが、高齢になると骨が変化することで起きるとも言われています。
増殖した骨が椎間板や脊椎の神経を圧迫すると、しびれや麻痺といった症状が出てくることがあります。

気をつけるポイント

散歩

肥満

関節炎にならないためには関節に負担をかけないことが大切です。
冬になると皮下脂肪が増え体重が増加する犬もいますが、肥満は体重ではなく体脂肪が多い状態のことを言います。
犬も人間と同じように筋肉が発達していたりすると重くなるのは当たり前で、たとえ体重が減っても体脂肪が多くなると隠れ肥満になります。
食事の量や質を管理して、適切な運動をさせて肥満を防ぎましょう。
もしすでに関節炎になっている場合は、さらにあまり動かなくなるので体重が増えがちになります。
食事管理をしっかりとして体重を維持できるように頑張りましょう。

運動不足

関節炎で痛がっているときに激しく体を動かすのはいけないことですが、全く動かないのはよくありません。筋肉が衰えてしまいます。
筋肉が衰えてしまえば関節はますます不安定になり、炎症を悪化させてしまいます。
獣医さんに相談して、軽い散歩などは行ったほうが良いでしょう。
またマッサージやストレッチ、場所によってはプールなどがあるところもあるので、相談してみてください。

カルシウム

骨の病気の予防といえばカルシウムだと思うかもしれませんが、過剰にカルシウムを与えると骨の成長が妨げられてしまったり、病気を引き起こしてしまうことになります。
ドッグフードには必要な栄養素が含まれているので、さらにカルシウム剤などを足してしまうと、骨が正しく成長しなかったりしてしまい関節炎を起こしやすい関節をつくってしまうことになります。
もし何かフードに足すのであれば一度獣医さんに相談してみましょう。

まとめ

柴犬

冬になると血行が悪くなり悪化しがちな関節炎ですが、関節炎になりやすい病気と気をつけるポイントを知ればある程度対処ができると思います。
これからますます寒くなっていくので、ポイントをしっかり押さえて愛犬の関節を守ってあげましょう。

記事の監修

  • 獣医師
  • 加藤桂子先生
  • (伊達の街動物病院 獣医師)

日本獣医生命科学大学卒業。仙台市の動物病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

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  • 40代 女性 匿名

    我が家には14歳の大型犬がいますが、年齢からなのか冬場は特に足の運びが悪くなります。
    長時間寝た後の散歩では、固まっているのか出だしがゆっくりでスムーズにいきません。
    一言で関節炎と言っても、様々な原因が考えられるので適切な処置をしてあげたいですね。
    記事にもありますように、遺伝的に関節炎になる場合もあるし、肥満等による関節炎もあるかと思います。うちの場合は散歩の距離が減ってしまったので運動不足から体重が増えて、それによって足にもかなり負担があるように思います。出来る限り散歩の後や寝る前には、マッサージをしてほぐすようにしていますが、効果があるようでしっかりマッサージした後は歩きが楽そうに見えます。あとは、食事面でもカルシウム摂取を心掛けて骨を強くすることも大事かと思います。
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