初対面同士の犬が接触することに注意が必要な理由
犬を飼っていると、「犬って、本当にいろんな性格の子がいるんだな」と感じることが多いと思います。
特に散歩中やドックラン、病院の待合室などでは、どんな犬とでも問題なく挨拶できる子や、上手に他の犬と遊べる子、または馴染めずにどの犬にも攻撃的な態度を取ってしまう子など、いろんな性格の犬を見ることがありますよね。
我が家の愛犬めいぷるは、残念ながら非常に犬見知り、人見知りが激しく、初対面の人や犬に対してかなりうるさく吠えかかってしまうタイプです。散歩中やドックランに連れて行っても、最初はしっぽを振って他の犬に近づいてお尻の匂いを嗅ぐのですが、相手が匂いを嗅ごうとした瞬間、「何やってんのよ!誰がニオイを嗅いでいいって言った?!」と言わんばかりに吠えかかります。
当然、相手の犬もも飼い主さんもびっくりしますよね。幸い今までは噛みつくことも噛みつかれたこともありませんが、いつこのような事故を起こしても不思議ではない状況です。小型犬でも犬が本気になって怒るとものすごい力で相手を攻撃するため、仲裁に入る飼い主さんの手や腕を噛んでケガを負わせてしまうことも十分考えられます。
もちろん、私自身も愛犬や相手の犬に噛まれてケガをすることがあるかもしれません。そんな危険を回避するためにも、初対面の犬同士が挨拶しあう時は、どんなに穏やかな犬あっても、注意を払うに越したことは無いのです。
①社会化が出来てない犬もいることを知っておくこと
我が家のめいぷるは家族に対しては快活で朗らか、一度心を許した相手に対してはいつでも友好的ですが、残念ながら心を許している犬はたった3匹しかおらず、なぜか全てシニア男子のラブラドールばかり。それ以外の犬は全て「敵」に等しい存在のようです。
なんとか他の犬とも仲良く挨拶できるようになってほしいと、いろいろと調べてみたところ、めいぷるはおそらく「犬の社会化」が出来ていないのだと分かってきました。社会化ができていないと、犬同士の挨拶ができなかったり犬同士とうまくコミュニケーションが取れない犬が多いことに気がつきました。
監修ドッグトレーナーによる補足
挨拶の最中に、態度が変わる犬は少なくありません。鼻を突き合わせた最初の挨拶が大丈夫だからといって、気を許していないこともあります。
飼い主さんが神経質になりすぎるのもよくありませんが、油断して愛犬から目を離さないようにしましょう。
しっぽを振っている=友好的なサインではない
犬を注意深く観察したり、犬についていろいろと調べていると、「犬のボディサイン」で、犬の感情を察することが出来ます。
犬を飼う前は、「しっぽを振っていると喜んでいる」と思っていましたが、実際は、足を踏ん張ってしっぽを高く上げ、小刻みにしっぽが震えている時は「こっちに来たらやっつけてやる!」というファイティングポーズに近い感情だと言うことが分かりました。
また、甘える時に「クンクン」と鼻を鳴らすことがありますよね。それと同じようにしっぽを振りながら鼻を鳴らす時もあります。この場合も「仲良くしようよ!」ではなく、「早く勝負をつけよう、こっちに来いよ!」と相手をあおって鼻を鳴らすケースもあるのだそうです。
このように、愛犬のボディサインも知っておくことはとても大切なことです。トラブルに遭わないようにするためにも、犬のボティサインやカーミングシグナルなどについて知っておくことが重要です。
監修ドッグトレーナーによる補足
尻尾を振っている時に、犬の他の仕草なども観察することは非常に大切なポイント。犬が尻尾を振るのは、感情の変化を表しているからです。
尻尾を振りながら胸を張って相手をじっと見ているなら「興味がある」や「威張っている」状態、尻尾を振りながら耳を倒して相手から離れるなら「怖がっている」状態です。このように、尻尾の動きと合わせて体全体の動きを観察することで、犬の気持ちを察して理解が深まります。
カーミングシグナルを知っておくと便利
カーミングシグナルとは、犬に生まれつき備わった非音声的言語のことで、27個に分類されているそうですが、いくつかこのカーミングシグナルを知っておくと、犬の気持ちがよく分かるようになります。
そのうちの一つに、「目を逸らす」というカーミングシグナルがあります。人間なら初対面の相手に向かって目を逸らすと「全く興味がありません」と言われているような気持ちになりますが、犬は違います。「目を逸らす」という行為は、「私はあなたに敵意はありません」と相手の犬に伝えるカーミングシグナルなのです。
このように、犬の言語とも言えるカーミングシグナルを知っておくと、初対面の犬同士を挨拶させるときに、お互いの犬がどんな感情なのかを予測することが出来るので、ぜひいくつか頭に入れておくことをオススメします。
監修ドッグトレーナーによる補足
他にも、「体をブルブルする」「足で体を掻く」「あくびをする」などの行動には、緊張や緊張を和らげるといった意味のカーミングシグナルがあります。
これらのカーミングシグナルを覚えておくと、犬が緊張して気難しくなる前にその場から立ち去るなど、余計なトラブルを回避することにも繋がります。
②犬嫌いの犬もいることを知っておくこと
カーミングシグナルやボディサインを知っていたとしても、人間でも「人嫌い」の人がいるように、犬が嫌いな犬もいます。もし、愛犬がとても上手に他の犬と挨拶が出来るタイプでも、人や犬見知りで怖がりな犬には吠られてしまうこともあります。
飼い主さんととても楽しそうに散歩をしていて愛らしい容姿をしていても、「犬がキライ」な犬もいると言うことを頭に入れておきましょう。
③相手の飼い主さんの許可を得ること
上手に挨拶できる犬だとしても、初対面で挨拶したいと思った時は必ず相手の飼い主さんに「ご挨拶させてもらっていいですか?」と許可を貰いましょう。
「うちの子は上手に挨拶出来ないので…」と断られることや、「どうぞ、うちの子は犬が大好きですから大丈夫ですよ」と歓迎してくれるかもしれません。まずは、飼い主さん同士がにこやかに挨拶することで、犬同士も「飼い主さんが和やかに接しているから危険は無いな」と察知してくれます。何よりも最低限のマナーでもあるので、必ず飼い主さんの許可を貰ってから犬同士を挨拶させましょう。
④飼い主主導で挨拶させる、でも焦らないこと
挨拶が上手に出来て犬同士がうまくコミュニケーションが取れると、新しいお友達が出来て嬉しくなりますよね。けれど、挨拶をするかしないかを決めるのも、挨拶が終わってその場を立ち去るタイミングも、必ず「飼い主が決める」ということを忘れないでください。
全ての行動は飼い主が主導であると理解させないと、万が一犬同士の相性が悪くてケンカになった時なども制止することが出来ません。挨拶をさせると決めたら、焦らずに犬同士のペースに任せてまずは見守りましょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
犬同士の挨拶の時には、リードに気をつけましょう。
お互いのリードが絡んでしまうと、犬同士の距離が近くなることで一気に緊張感が高まってしまいます。その結果、ケンカに発展する光景を時として目にすることがあります。リードが絡まないように注意することも、飼い主の大切な役目です。
まとめ
初対面同士の犬を挨拶させるときの注意点は、
- 社会化が出来てない犬もいることを知っておくこと
- 犬嫌いの犬もいることを知っておくこと
- 相手の飼い主さんの許可を得ること
- 飼い主主導で挨拶させる、でも焦らないこと
などです。人間も初対面の人と挨拶するときは気を使ったり緊張しますが、犬も同じです。
だからこそ飼い主である私達が犬の習性を知り、上手に挨拶出来るように配慮してあげたいですね。
ユーザーのコメント
女性 匿名
飼い主さんに了承を得て近づいた子は吠える事なく匂わせてくれます。
ドッグランでは怖がられる事が少なく安全に遊ぶことが出来ます。
ただうちの子は大型犬なので万が一の事が無いように配慮が必要です。