保健所から犬を引き取るということ
「○○犬ブーム!」「大人気!○○犬」なんて言葉をテレビ番組などでよく目にしますが、犬を飼う人が増える一方で、保健所に収容される犬の数も増えています。
保健所によっては新しい飼い主を探す活動をされているところもありますが、基本出来に保健所は犬を殺処分する場所であり、保護する場所ではありません。
安楽死だと思っている人も多いようなのですが、違います。ガスを吸わされ、苦しみ、窒息死させられているのです。
そんな保健所に収容されている犬たちの背景を知り、「保健所から犬を迎えたい!」と考える人も増えてきています。
保健所に収容されている犬たちは、ペットショップなどから迎える犬たちとは大きく異なります。
血統書付きの犬もいますが、ほとんどがミックスや雑種です。
どのような環境で生まれ育ち、どのような生活を送り、どのような理由で保健所へ収容されたのか全く分かりません。
人間が大好きな犬もいますが、人間を恐れ、飼うことが難しい犬もいます。
保健所から引き取った犬と一緒に幸せに暮らすためには、どのようなことが必要なのでしょうか。
保健所から犬を引き取るためには?
保健所によって犬を引き取るための手順や方法は異なると思いますが、だいたいこのような内容になっています。
- マッチングを行う
- 里親になるための申請書を提出する
- 飼育環境の視察
- 譲渡のための講習を受講する
- 契約書を交わす
- 登録と狂犬病の予防接種を受ける
- 受け渡し
マッチングを行う
引き取りたい犬がいる場合、犬と人間との相性を確認されます。
相性が合わないと判断された場合には、譲渡を断られてしまう場合があります。
里親になるための申請書を提出する
マッチングをクリアし、犬と人間との相性が良いと判断された場合には、里親になるための申請書を提出します。
飼育環境の視察
犬を飼うための環境がしっかりと整っているかどうか?を判断するための視察があります。
- 犬と暮らすために最適な家であるかどうか?
- 家族構成はどうか?
- 最期まで家族として暮らすことができるのかどうか?
譲渡のための講習を受講する
1時間~2時間程度の講習ですが、犬を飼うための法律や常識などについての講習です。
契約書を交わす
講習を受けた後、譲渡のための契約書を交わします。
- 適正飼養誓約書
- 飼養許可書
- 印鑑
保健所によって異なりますが、上記のものが必要になる場合がありますので、事前に保健所に確認しておきましょう。
登録と狂犬病の予防接種を受ける
犬の登録方法や狂犬病の予防接種方法などは講習の際に学びますが、狂犬病の予防接種は義務であり、年に1回必ず接種しなければなりません。
受け渡し
保健所によっては「トライアル期間」を設けている場合があります。
期間は1週間~数週間程度ですが、この期間は保健所の職員のサポートを受けることもできますし、困ったことや分からないことを相談しながら犬と人間がお互いに慣れていきます。
どうしても一緒に暮らすことができないトラブル等が起きてしまった場合、譲渡を断られてしまう場合もあります。
また、ご自身が譲渡を断ることもできます。
まとめ
誰もが犬を飼うことに憧れを持つことがあります。
アクセサリーやブランドのような感覚で犬を飼う人を見たこともあります。
マイホームを建てたら大きな庭に大きな犬、そんな夢を持っている人もいるようです。
しかし、犬を飼うということは、犬の命を預かるということです。
「ペット」という感覚でいる人もいらっしゃるかもしれませんが、犬も「家族」の一員です。
- 食事
- ワクチン
- 予防薬(ノミ、ダニ、フィラリアなど)
- 通院
- 手術
- 定期健診(健康診断など)
- トリミング(爪切り、耳掃除、シャンプーなど)
最低でもこれくらいの費用は必要になります。言うことを聞かないこともあります。
ワガママを言うこともありますし、イタズラをすることもあります。
犬も老いて介護が必要になり、自分では立ち上がることも歩くことも、食べることも排泄をすることもできなくなる可能性があります。
人間ひとりを育てることと同じくらいの覚悟が必要です。
なぜ犬を飼いたいのか、何のために保健所から犬を引き取るのか、よく考えてみてください。
保健所にいる犬たちは、とても苦しい経験をした子ばかりです。
飼い犬だった子もいますが、野良犬だった子もいます。
保健所から犬を引き取る前に、その子を幸せにしてあげるためのお金や時間や覚悟があるかどうか、ゆっくり考えてからでも良いのではないでしょうか。
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40代 女性 セナ