泳ぎが得意な犬種
ポーチュギーズ・ウォーター・ドッグ(Portuguese Water Dog)
日本ではあまり見かけることがないポーチュギ-ズ・ウォーター・ドッグですが、ウォータードッグとの名を冠す通り、泳ぎが得意な犬種の代表です。その昔は漁(猟)用犬として、網の設置や魚を網へ追い込むなどの漁師の手伝いをしていました。船から船、船から陸へのメッセージを泳いで届けたり、海に落とした道具を見つけたり、非常に賢い犬種として知られていました。元来の役割からも飼い主との作業に生きがいを感じる犬種のため、しっかりとコミュニケーションをとってあげることで生き生きとした生活を送らせてあげることができます。
ニューファンドランド(Newfoundland)
カナダ東岸にあるニューファンドランド島を原産とするニューファンドランド。作業犬として漁師の手伝いや海難救助をしていた犬種が祖先だといわれています。荒れた海でも溺れた人間を岸まで運ぶことができる強靭な体力と高い心肺機能で長距離を泳ぐことができます。長く厚い被毛は寒い海で体温低下を防ぐためだといわれています。現在も海難救助犬として陸や船上で活躍していますが、家庭犬として飼う場合はその特性を理解して、毎日の散歩や引っ張りっこなどの遊びなど、しっかりとした運動を取り入れてあげましょう。
ゴールデン・レトリーバー(Golden Retriever)
元来、猟の際にハンターが撃ち落とした獲物を”回収する=retrieve”役割を担う犬として改良されてきました。猟の際は地上だけでなく、水鳥猟で水面に落ちた獲物を泳いで持ち帰るという役割も担っていました。これらの役割を全うするために改良されたため、当然泳ぎも得意な犬種が多く、水の中で獲物を咥えたまま泳ぎ続ける体力も持ち合わせています。人間の手助けをするために改良された犬種ということもあり、人間への忠誠心も高く人気の犬種ですが、元の役割を理解してしっかりと体力に応じた飼い方をしてあげたい犬種ですね。
ラブラドール・レトリーバー(Labrador Retriever)
ゴールデン・レトリーバーと同じ”レトリーバー”の名を冠すラブラドール・レトリーバーですが、その昔はカナダの凍てつく寒い海の中を泳ぎ、漁師の手伝いで網や魚の回収をおこなっていた犬種が起源だといわれています。その後イギリスへ渡り、ゴールデン・レトリーバーと同様に水鳥猟の手伝いをしていたといわれています。海水が氷る季節にも海を長時間泳げるよう体毛は高い撥水効果を持っており、足には水かきがついています。人懐こく大変賢い性格のため、現在では盲導犬や警察犬としても活躍していますが、泳ぎまで得意という万能な犬種だといえます。
プードル(Poodle)
プードルはドイツ語の”Pudel=水中でバチャバチャと音を立てる”が語源だといわれています。語源にも通ずるように、元は鴨猟で獲物を回収する狩猟犬として活躍していたことから泳ぎが得意だといわれています。プードルといえば胸と関節部分だけを残したカットを見ることが多いですが、あのスタイルは鴨猟の際に胸と関節を保護するため編み出されたものだそうです。現在はトイプードルやミニチュアプードルなどの小型犬のプードルも人気ですが、これらのすべての犬種が泳ぎが得意というわけではないため、泳がせる時は様子をよく見て好き嫌いを見極めてあげましょう。
泳ぎが苦手な犬種
ダックスフンド(Dachshund)
ドイツ語でアナグマを意味する”ダックス=Dachs”と犬を意味する”フント=Hund”を合わせたダックスフンド。”アナグマ犬”という名の通り、元は巣穴にいるアナグマを狩るために改良された犬種です。特徴ともいえる短い手足は陸の上での狩りで力を発揮する反面、水の中での動きは不得意だといわれています。
フレンチ・ブルドッグ(French bulldog)
頭でっかちで筋肉質な体つき、短い鼻が特徴のフレンチ・ブルドッグ。愛らしく利口で活発な犬種だといわれていますが、その短い鼻からも、呼吸器システムがあまり優れていないため、体温の調節が得意ではありません。そのため暑さや湿度に非常に弱く、泳ぎを含めて屋外での活動にはあまり適していないといわれています。身体的な特徴が大きいため、運動させる時は十分に特性を知って注意してあげたい犬種です。
ビーグル(Beagle)
ビーグルはウサギの狩りをおこなうセントハウンド(嗅覚ハウンド)として改良されてきました。仲間たちと鳴き声で合図を出し合いウサギを追いつめていくことから、“森のトランペッター”とも呼ばれています。現在は優れた嗅覚を生かし検疫探知犬としても活躍しています。猟犬ではあるものの、地上での狩りを想定して改良されてきた犬種のため、水辺や海、泳ぎは得意ではないといわれています。活発で賢い犬種ではあるため、育て方や性格によっては泳ぎが得意になる個体もいるようです。
ウィペット(Whippet)
日本ではあまり見かけることがありませんが、ウィペットはマズル、首、脚、胴、尾が長く、ショードッグとしても活躍する美しい犬種です。元は貧しい農民が獲物の追跡や追い詰める際に用いるためのサイトハウンド(視覚ハウンド)として改良を加えた犬種だといわれています。ビーグルと同じく地上での行動を得意とするように改良されたため、泳ぎは苦手だといわれています。
まとめ
泳ぎが得意な犬種は古来から水辺での狩猟のために改良されてきた犬種が多く、苦手な犬種は身体的特徴から苦手であったり、地上での猟を専門とするために水に触れる機会がなかったことから苦手だといわれていることがわかりました。
実際には、泳ぎが得意だといわれている犬種であっても、個体によっては水嫌いであったり、泳ぐのが苦手な子もいます。苦手だといわれている犬種であっても、環境や訓練で泳ぎが好きになったり、得意になることもあります。愛犬の泳ぎの得意不得意については、犬種には縛られずに水に触れさせた際の様子をよく観察したうえで判断してあげましょう。
なお、いくら泳ぐのが得意な犬種だからといって、初めから深い場所や長い距離を泳がせるのは大変危険です。人間同様に溺れることもあります。泳ぎに連れていく際は、しっかりと愛犬の状態と様子を見てあげてくださいね。
泳げても泳げなくてもかわいい愛犬であることに変わりありません。ぜひ特徴を知ったうえで、愛犬にあったスタイルの運動や遊びを取り入れてあげましょう。
ユーザーのコメント
20代 女性 なつめ
犬と言えば犬かきを想像するように、泳げない犬がいるとは露知らず
まさか、それが家の子だったとは!とショック共に笑い転げたことを思い出しました。
発覚したのは、真夏の川遊びでの出来事。
レトリバーやトイプードルのお友達が気持ち良さそうに泳いでおり
「自分も入る!」とジャブジャブと入水。
冷たい水でご機嫌になって調子に乗っていたら、足がつかない場所へ!
溺れるような深みじゃないのに、重いお尻のためかズブズブと勝手に沈んで
必死のパッチで大暴れ...という経緯です。
我が家の愛犬が泳げないのは、森で猟犬をしていた犬種であるからであって
決して、運動神経とか鈍臭いという個性のためだけではないのだろうと
この記事を読んでちょっと救われました(笑)
泳ぎが苦手なのに水に入りたがる子には、ライフジャケットみたいなものを
用意してあげるのもいいかもしれませんね。
30代 女性 みけ
女性 ラブ