家族内にこんな人はいませんか…?
「お母さんなら何をしても怒らないのに、お兄ちゃんだと側を通っただけで怒る」「お母さんにはいつも尻尾を振っているのに、おじいちゃんには吠える」「お母さんが呼ぶと来るのに、子どもが呼んでも来ない」など、家族の中で犬に警戒されていたり、犬が指示を聞かなかったりと、明らかに嫌われている人がいたりしませんか?
同じ家族なのに、なぜ愛犬に好かれる人と警戒されたり嫌われる人がいるのでしょう?
それはお世話は一切しないのに、愛犬の気持ちに関係なく「可愛がりたい」と思った時にだけ、自分本位の感情で愛犬と接するからではないでしょうか。
人間だって、全く信頼していない人にゆったりくつろいでいる時に体を撫でまわされたり、大好きな人の側にいたいのに無理にひきはがされたりしたらイヤですよね。犬だって同じなのではないでしょうか。
犬はこんな人が大好き!
犬を飼っていると、家族で役割分担があると思います。
しかし「散歩は子どもたちが…」「朝ごはんはお姉ちゃんが…」といろいろ取り決めても、結局しつけも散歩も餌やりも体のケアも全部お母さんがやってる…というご家庭が多いのではないでしょうか?(ですので、この記事ではお母さんが犬の中での順位が1番とします。)
犬は
- ご飯をくれる人
- 散歩に連れて行ってくれる人
- 遊んでくれる人
- しつけをしてくれる人
が大好きです。犬に食事を与え、体のケアをし、散歩に連れて行って、一緒に遊び、時に家庭内のルールを厳しく教えることで「この人の側にいれば安心して暮らせる。この人といると楽しい。」と犬の信頼を得ることができます。
家庭の中でその役割を担っているのがその一家の主婦である「お母さん」だとしたら、犬は「お母さん」を一番信頼し、懐きます。
次に「お母さんの声に似ている人」「体つきが似ている人」はお母さんの代わりになる人だと思うのでしょうか、あまり「女の人がキライ」な犬はいないように感じます。「男の人が好き」という犬はきっと、その家庭の中ではお父さんが率先して犬のお世話をなさっているのかもしれませんね。
お母さんを「信頼しているリーダー」や「親代わり」と思っている犬なら、お母さんと容姿や声が全く違う存在に対して「全然世話もしてくれないのに、急に高く抱き上げたり、怖いことをする得体の知れない人」と思い、警戒心を抱くのも無理がないことですよね。
愛犬との関係を改善する3つの方法
では、警戒されて懐かれていない人と愛犬が家族としての関係を修復するにはどうすればいいのでしょうか?
①何かひとつお世話をする
普段お母さんがしている愛犬のお世話のうち、1つだけでもいいのでお世話を代わってみましょう。
例えば、ごはんを与える役割をお母さんから譲ってもらいます。毎日確実に愛犬にごはんを与える役割を遂行するだけです。ご飯を与える時に「待て」「ヨシ」のコマンドを使って制止と許可のしつけをすれば、「しつけをする」「コミュニケーションをとる」という役割も担えるので一石二鳥です。
犬にとって「食事を与えられる」ことは一番の「ご褒美」であり、犬によっては「生きがい」でもあるので、「この人は食事をくれる人」と認識してくれれば犬との関係はかなり改善されると思います。
時間的にごはんを与えるのが難しい人は別の役割を担いましょう。オモチャで遊んであげるくらいなら簡単ですよね。
②関係の改善が見られるまで愛犬におやつをあげる
愛犬に良い印象を抱いてもらうために、犬にとって最強のアイテム「おやつ」を使います。
朝起きた時、帰宅した時、寝る前など「その日最初に会った時」「外から帰ってきた時」「その日最後に会った時」と愛犬が覚えやすいタイミングでその人だけがくれる特別なおやつを与えて、その人の印象を良くしましょう!
出かける前におやつを与えるクセをつけてしまうと、身支度を整え始めた時に「早く出かけろ!」と言わんばかりに吠え始めるコもいますので、おやつを与えるのは出かける前ではなく「帰宅した時」の方が良いようです。
③コミュニケーションをとる
①でも少し触れましたが、ご飯をあげたり遊んであげたり…というお世話の中で愛犬を褒めたり、とにかくたくさん話しかけましょう。
家族の中でも愛犬との関係があまり良くない人なのですから、「どうせ犬なんだから、話しても解らない」と思うかもしれません。でも犬は笑顔で穏やかに話しかけられると安心し、嬉しくなる生き物です。
しつけするときは毅然と、それ以外のときは穏やかに優しくたくさん話しかけてコミュニケーションをとるように働きかけましょう。
愛犬との関係改善で注意すること
「おやつ」や「ごはん」は与え方に注意して!
「待て」をしているのに脅すように吠えられたため怖気づいて「ヨシ」と許可してしまったり、甘え声に負けておやつをたくさん与えたりすると、今度は愛犬に「この人は脅かしたり甘えたりしたら、自分の言いなりになる」と思われてしまうので注意しましょう。
ご飯を与える時は毅然と「待て」と犬を制止させます。犬主体ではなく、絶対に人間主体で「もう与えても良い」と思ったタイミングで犬に「ヨシ」と許可を与えて下さい。
おやつやごはんを与えるときはしつけとワンセットと考えるのが良いでしょう。
また、②の方法は一日に何度もおやつをあげることになるので、一度に与えるおやつの量は少なめにしましょう。量を考えずに与えていると肥満になります。
そしておやつを与える分、ごはんの量は減らしてくださいね。
犬は低い声が苦手なので、男性の場合は声を意識すること
犬は男性の低い声が苦手です。少し高めの声で小さな子に話しかけるように愛犬に話しかけましょう。
任せるお世話は難易度の低いものから
散歩や体のお手入れは難易度が高く、簡単にできることではありません。
犬に信頼されていない人が散歩すると犬の行動を制御できず、他の犬とトラブルを起こしたり愛犬に引きずりまわされたり、思わぬトラブルの元になります。
愛犬に警戒されている人に散歩にも慣れてほしい場合、最初からその人と愛犬だけで行かせていけません。
例えば、リードはいつも散歩に行っている人が持つようにして、エチケットバックなどを持って一緒に出かけるスタイルをとりましょう。安全な場所で少しだけリードを交換し、少しずつその人が散歩することに慣れさせていきます。愛犬もその人もゆっくり慣らしていきましょう。
また愛犬のお手入れを任せるのであれば、犬がのんびりとくつろいでいる時にまずは手のひらでゆっくりと撫でることから始めます。いきなりブラシをかけたらますます愛犬から嫌われかねないので、決して焦らないように進めていきます。
月齢6カ月以前からの家族関係が重要!
成犬が一度覚え込んだことを上書きしていくのはなかなか根気のいることです。
犬にとっても人間にとっても時間のかかることなので、新しく家族を迎える前にそれぞれの役割をきちんと決めておいて、実際に子犬が家族になったら関係を構築していきましょう!
犬は6か月齢頃から自我が芽生え始めると言われているので、その月齢前の愛犬との関わり方がとても大切になってくると言えるでしょう。
まとめ
犬から信頼を得ることはそんなに難しいことではないと私は思っています。
誠実に世話をし、愛犬に嘘をつかず、寂しい思いをさせない。危険な目に遭わせないように気を配る。常に自分の用事よりも、愛犬が心地良く楽しく暮らせるようにすることを優先させている。愛犬が嫌がることはしない。
どんなお世話をするにしても、気持ちがこもっていれば必ず愛犬には伝わります。
言葉で理解できなくても、犬は人の行動とその行動の元になっている気持ちを必ず察してくれますから、一緒に暮らせる毎日に家族みんなで感謝して、愛犬と家族との間に良い関係を築いていきましょう!
ユーザーのコメント
40代 男性 ひろ01
何かをする前のおやつとかご褒美のおやつとかはそれ欲しさにしているように思えます。
だから何かができた!の時はオーバーアクションとまんべんの笑みこれがうちのおやつです。
30代 女性 匿名
女性 匿名
威嚇するたびにダメよと叱っており、一瞬私の方を見てやめるのですが、またすぐ警戒モードに入ります。ウー、ガルガルも止まりません。
どうしたらいいのか…おやつも率先して子供に与えさせたりしてますが効果はないようです。
女性 ゴン吉
懐かない時はおやつが一番最強ですが、食べさせ過ぎると後が大変です。