パピートレーニングの重要さ
「パピートレーニング」とは文字通り「子犬期の訓練(しつけ)」の事で、愛犬が人と共生出来る様に導く事です。人間も、幼少期の育てられ方によって価値観や性格が違ってくると言われていますね。高い知能を持つ犬にも同じ事が言えます。
例えば、体重が20キロ以上ある大型犬が散歩をしている最中、何かに驚いて急に走り出したらどうなるでしょう?
もししっかりと躾された犬なら、「待て!」とあなたが制止すれば走るのを止めます。けれど躾されない犬なら、あなたのリードを振り払って暴走し、車道に飛び出すかもしれません。
飼い主の指示を無視して暴走する事が、どんな悲惨な事故を招くかを考えてみましょう。あなたと愛犬だけの事故ではなく、関係のない人まで巻き込む事もあるかもしれません。
そうならないように、愛犬には「どんな事があっても、飼い主の指示に従う」としっかり訓練しておかなければなりません。
犬は、人の生活に溶け込んでいます。いろいろな人、電車や飛行機の音などにも触れて、様々な出来事に上手に対応出来る犬になるための必要不可欠な訓練が「パピートレーニング」なのです。
犬の「待て」のトレーニングのやり方!時期や教え方、上手くいかない原因と解決方法まで
しつけておきたい8つのトレーニング
「8個もあるの!?」と、驚かれたかもしれません。ですが、この8つのトレーニングを全て身につければ、あなたとあなたの愛犬は社会の中で誰にも迷惑をかけずに楽しく暮らしていく事が出来ます!頑張りましょう!
①トイレトレーニング
室内で飼われている犬のほとんどが、家の中の所定の位置に設置したトイレでオシッコやウンチをします。それが出来なければ家中のあちこちを汚され、悪臭漂う中で生活しなければならなくなります。
また、愛犬を連れて旅行に行きたい、ペットホテルには預けたくない、片時も離れたくない…と思っても、トイレのしつけが出来ていなければいくらペット可の宿でも受け入れてはくれません。
いろいろと工夫や苦労をしなくてはなりませんが、小さな子犬が指定したトイレで一生懸命「あなたの喜んだ顔が見たい」「褒めてほしい」、その一心で上手におしっこ出来た時…その喜びは一生の思い出になります。
②ハウストレーニング
「ハウス」とあなたが愛犬に指示を出してケージやクレートに入る様にトレーニングする事を「ハウストレーニング」と言います。
病院に行く時、クレートごと車に乗せる時、クレートに入れて電車に乗る時などに指示一つでクレートに入っていてくれたら、一緒に行ける場所が広がります。
また、災害時に避難する際にもクレートに入り、飼い主が出してくれるまでじっと待てる子であれば、避難所でも一緒に過ごすことができます。
③食事のルール
犬と人間が共生するなら、食事のルールは飼い主さんが決めましょう。「自分の食事は人間とは違う」事を理解させます。
④散歩のマナー
散歩のマナーを身につけるのは、愛犬だけではありません。散歩は愛犬の運動のためだけでなく、ストレス解消にもなり、飼い主さんや家族との絆を深める大事な習慣です。
だからこそ、どんなに愛犬のテンションが高くても、しっかりと愛犬を制御出来なくてはいけません。すれ違う人や犬、自転車やバイクなどに、吠えたり飛びかかったりしないように愛犬を制御出来る人が散歩をさせる。それが飼い主側のマナーです。愛犬が行きたい場所に飼い主さんを引っ張って行くのではなく、散歩のコースも飼い主さんが決めて主導権を握ります。
「言う事を聞けば褒められる」事をたくさん経験させて、成犬になっても楽しく散歩出来る様に育ててあげましょう。
⑤人への挨拶
愛犬が飼い主さんの言う事に従ってお利口にしていたら、犬好きな人が「触っていいですか?」と声をかけて来る事があるでしょう。その時に飛びかかったり、吠えたりせず、知らない人でも撫でさせてあげられる様に訓練しておきましょう。
もともと人が好きな犬なら問題ありませんが、飼い主さん一筋で人見知りの犬なら少しずついろいろな人に触ってもらい、「飼い主さんが側にいたらなにも怖くない」と思ってもらえる様に訓練を進めて行きましょう。
⑥遊びに使って良いもの、悪いものの区別
子犬は好奇心旺盛ですし、乳歯から永久歯に生え変わる時に歯茎がむず痒くて、椅子の脚やカバンの角などをかじってしまいます。破片を飲み込んでしまったら内臓を傷つける事もありますし、電化製品のコードを噛みちぎったら感電する恐れもあります。
「遊びに使うものは飼い主さんが与えてくれるもので。それ以外では遊ばない」と理解させましょう。
⑦吠え癖を防ぐ
言葉を持たない犬にとっては、吠える事が「近づくな!」「こっち向いて!」などの感情を人間や他の動物に伝える手段です。「一切吠えるな」と言うのは「何を見ても何も感じるな」と言っているのと同じ事です。
子犬は好奇心旺盛で感情の起伏も激しいので、自分の家に来たお客さんや郵便配達、宅配便の人にいつまでも吠えるのを許してはいけません。
飼い主さんの「いけない!」の声で吠え止む様に子犬のうちからトレーニングすれば、成犬になった時に飼い主さんに指示されたら「吠える必要はない」と判断していつまで吠え続ける事をしない犬に成長してくれるでしょう。
⑧生活音に慣れさせる
電車の音、踏切の音、携帯の呼び出し音など、子犬にとって人間の世界は聞き慣れない音ばかりです。
聞き慣れない音に怯え、ストレスを感じて極端に臆病な犬にならない様に、小さいうちからいろいろな音に慣らしましょう。
しつける時の注意点
甘やかしすぎない
とにかく子犬は何をしても可愛いです。「この子のため」としつけた時にあなたに叱られて、戸惑い、哀しげにクーンクーンと鼻を鳴らす子犬の愛らしさに、ついついトレーニングを続ける気持ちがくじけて甘やかしてしまう事がないように注意しましょう。
トレーニングに体罰を使わない
犬は人間の言葉を理解できません。トイレを失敗したり、何度も同じイタズラをするからといって、くどくどと言葉で怒り続けても無駄です。
「ノー」「いけない」「ダメ」など短い同じ言葉を使って、明確にしてはいけない事をわからせます。
また、何度も同じ失敗をしたり、人の意志を理解しないからといって、叩いたり力任せも良くありません。
子犬の時は飼い主さんの力に敵わないので押さえつける事が出来ますが、身体が成長して力が強くなると反発して、最悪の場合、牙を剥いてくる事になります。
トレーニングされている時間も子犬が楽しく感じる様にすれば、成長しても飼い主さんと一緒にいる事を何よりも楽しみ、幸せを感じてくれる従順な犬になります。
個体によってトレーニングに必要な期間はまちまちですが、根気よく継続しましょう。
まとめ
このトレーニングは誰のためのものでしょう?
あなたの大事な愛犬のためです!あなたの愛犬をあなたが素晴らしい家庭犬に育てるためです!
いろんなところへ出掛け、たくさんの人に出会い、たくさんの思い出を作るために、「パピートレーニング」に挑戦してみませんか?
ユーザーのコメント
女性 ルナのママ
とてもためになる記事でした。
ワンちゃんの幸せの為にも、トレーニング頑張ります♡