犬にとって蚊取り線香は無害?効果と安全性について

犬にとって蚊取り線香は無害?効果と安全性について

暑くなるこれからの季節、日本人に欠かせないものの一つとして蚊取り線香を上げる方が多いのではないでしょうか。エコかつ継続的に蚊を寄せ付けないバリアの代わりをしてくれる蚊取り線香は人間にとって強い味方です。しかし、犬にとってはどうなのでしょうか。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

犬に蚊取り線香を使っても良いのか

疑問な犬

結果から言ってしまえば、使い方次第では犬に影響を与えることなく快適に使うことができます。使う際の注意点ですが、犬の近くで蚊取り線香を焚かないということです。広い部屋であるならば、少々蚊取り線香を焚いたところで愛犬が直接的に煙や有害物質を吸い込むリスクはほとんどありません。

蚊取り線香の成分

使用中の蚊取り線香

蚊取り線香の原材料はご存知でしょうか。蚊取り線香は除虫菊と呼ばれる植物から分泌される成分をタブ粉、ピレトロイド、でんぷん、そして色とりどりの染料などを混ぜ合わせることによって作られています。それを粉末状や棒状、そしてメジャーな物としては渦巻き状にして成形されています。

一般的に蚊取り線香の燃焼時間は5~7時間、短いもので2~3時間で燃焼し、効果を発揮し続けます。ここで問題になってくる殺虫成分はピレスロイドというものです。はたして、このピレストロイドという成分は犬にとってどのように働くのでしょうか。

殺虫成分ピレスロイド

実は、このピレスロイド、人間にとって有害なんです。これを聞いて驚く人もいるかもしれません。しかし、実際にこの煙を吸い込むことによってアレルギーを発生する人がいるようです。このように、人間にとって有害となりえる蚊取り線香が愛犬にとって安全とは言えないですよね。

それならば、まったく使ってはいけないかというとそうでもないです。もともと、ピレスロイドは爬虫類や昆虫類に対しての毒性は高いですが、哺乳類や鳥類に対する害は少ないのです。

犬が蚊取り線香を誤飲してしまったときの対処法

イタズラをした犬

犬は好奇心旺盛な動物なので、比較的なんでも口にしてしまいます。もし、愛犬が蚊取り線香を誤飲してしまった場合は、どうなってしまうのでしょうか。

中毒症状

愛犬が大量に食べてしまった場合、たまねぎやチョコレートを食べてしまったときのような中毒症状を起こしてしまいます。除虫効果や殺虫効果のある物質が生物にとって毒であることは間違いありません。

少量であるならば大丈夫

しかし、食べた量が少量であった場合、便と一緒に出てしまうことも考えられるため、心配には及びません。しかし、食べてしまうリスクをなるべく減らすように、犬にイタズラされないような届かないところに蚊取り線香は保管しておきましょう。

犬用の蚊取り線香もある

蚊取り線香

最近では犬用の蚊取り線香も多く発売されています。その安全性にはしっかりと気を使っていて、天然由来のハーブなどを使用し、犬や人間にとって無害な成分を発生しつつ、虫を寄せ付けない親切なつくりです。お値段は50巻くらいで1,000円以下となかなか良心的なお値段。一日一巻き使っても一ヶ月はもちますね。

また、最近では火を使用しないものもあり、これで火事のリスクや愛犬が焼けどをするリスクを減らすことも可能です。夏場、蚊取り線香を使用したい場合はご一考してみてはいかがでしょうか。

犬と蚊取り線香に関するまとめ

眠そうにしている犬

最終的に蚊取り線香は使っていいのかどうか、私なりの意見をまとめると、私は使っていいと考えます。最近発売されているスプレーなどの除虫薬品よりは愛犬にとって圧倒的に安全だからです。

蚊取り線香は広範囲に継続的な効果を発揮してくれるのに対して、スプレーなどは局所に絶大な効果を発揮します。そこにスプレーに含まれる有害物質が残ってしまい、犬がそれをなめてしまう恐れも捨てきれません。

結局、虫を除去する方法として、安全なのは蚊取り線香を使うことなのです。使い方をしっかりと考えて使うようにしてくださいね。これからは夏まっさかりになってきます。
不愉快な虫を少しでも寄せ付けないようにするために蚊取り線香は役に立ちますが、蚊に刺されることで感染するフィラリアの予防はできません。必ずフィラリアの予防薬を投与しましょう。

クーラーのつけすぎや夏場の散歩不足は愛犬にとっても不健康です。蚊取り線香だけではなく、このような基本的な健康管理にもしっかりと気をつけていきたいですね。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    30代 女性 TIKI

    我が家でも、愛犬が外にいる時は犬用蚊取り線香を使用しています。
    現在13歳のシニア犬ですが、もう10年以上夏場は使用しています。犬用なので、多分ワンコに無害な成分なのだと思います。フィラリアなどの恐ろしさを考えると、やはり蚊の対策はきちんとした方がいいと思います。
  • 投稿者

    50代以上 女性 ろちゃん

    これは、日ごろから知りたいなと思っていたことでした。
    昔ながらの製法で除虫菊のみで作ったもの以外は、人間にも害があると聞いたことがあったので。
    使用法を間違わなければ安全であることを聞いて安心しました。
    フィリピン在住ですので365日蚊取り線香を焚いています。
    今は現地の「デングの蚊にも効く」とうたっているものを使っています。なるべくじかに煙があたらないようにはしています。
    ほかに興味をひかれるものがたくさんあるので、誤食の心配はまずなさそうですが、その点も気をつけたいですね。
  • 投稿者

    30代 女性 もこじ

    蚊取り線香、昔はよく使っていました。田舎だったので夜蚊が多くて、玄関で寝てる犬が可哀想で玄関に続く廊下に置いてました。
    でも人間の私達にも臭いが届くので、犬はもっと臭いがキツイんだろうなぁと思って、蚊取り線香ではなく、ぶら下げるタイプの虫除けを置くようにしました。今の愛犬とは散歩では人間と犬兼用の虫除けスプレーをして、夜は犬用の蚊取り線香を使っています。犬用の方が私個人的にも匂いが良いので一石二鳥でとても助かってます。
  • 投稿者

    40代 女性 momo

    蚊の季節は愛犬が刺されないか、室内でも室外でも気を使います。記事にあるように、今はペット用の蚊取り線香もあり、我が家でもかなり長い間、写真に添付しました「ペット用アース渦巻」を愛用しています。これは巻が長いので13時間取り換えずに使えて便利です。成分もペットに配慮されていますので、広い場所での使用はオススメします。ただ、我が家も14歳のシニア犬で家での寝ている時間が増えて、あまり長時間蚊取り線香の煙をあびるのは良くないと思い、愛犬の近くには電池式の蚊取り器具を置くようにして、離れた場所ではこちらの蚊取り線香で蚊の侵入をストップしたりして工夫しています。やはり犬の年齢なども考慮しながら蚊の対策もしていかなければいけないと思いました。
    momoの投稿画像
  • 投稿者

    女性 ゴン吉

    人間用とペット用の蚊取り線香がありますが、何が違うんだろうと思ったら特に成分に変わりはなく、巻いてある長さが違うくらいの差でした。
    夏の蚊に毎年悩まされているので、部屋では常にリキッドを置き、窓付近にはヒバ油スプレーをして万全の対策をしてきたつもりですが、どこからか入ってきてしまうんですよね。
    最終手段として蚊取り線香を使用しますが、蚊よりも先に人間が燻されてしまいます。それでもフィラリア予防になるならと我慢してしまっています。

    一度あったのですが、蓋を付けないで蚊取り線香を焚くと、犬はその少しの明かりが気になって舐めてしまいます。舌に火傷を負ってしまいますし、その時に線香も消えてしまうので効果を得られなくなってしまいます。焚く際は蓋もしっかり付けておくことをおすすめします。

    短頭種は煙が強すぎると呼吸器官に影響が出てしまうこともあるので注意が必要です。蚊が心配だからとあまり近くに置きすぎないようにしましょう。
  • 投稿者

    女性 ぽんぽん

    蚊取り線香、便利なのですが結構においがきついのでうちでは倦厭していました。人間ににおいがきついのであれば嗅覚が優れている犬にはもっときついかと思ったのですが、犬用の蚊取り線香はどんな感じでしょうか。どなたかよかったら教えてください。
    とはいっても蚊から愛犬を守りたい気持ちは同じです。うちはゲージには無香料の置き方(効果はいまいちわかりません。)を犬の手の届かないところに、外出時にはハーブの天然の虫除けスプレーを使っています。こちらはネットのアロマ専門店で購入したのですが、人間の私にも赤ちゃんにもペットにも安全に使えるとのことです。私がこれで蚊に刺されていないので、愛犬も大丈夫だろうと信じたい思いです。うちのわんこはこのスプレーを舐めることもありませんし、においを嫌がっている感じもないので合っているのかもしれません。
  • 投稿者

    女性 もふころ

    自分自身、蚊取り線香の煙で粘膜をやられてしまうので、成分は強いと思うんです。愛犬も気管が弱いです。煙は刺激になるらしく、咳が出てしまうので、自然派のスプレーしか使えません。
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