ペットの迷子対策にはGPSが便利!
「GPS」とは、「Global Positioning System」の略で、宇宙の人工衛星を駆使して位置情報を発信するシステムです。
現在地をリアルタイムで確認できるので、GPSを日常に取り入れることで、子どもに持たせて居場所を把握したり、カーナビで知らない場所にも行けるようになったり、生活が非常に便利になっています。
そして、GPSの機能の付いた首輪をペットに取り付けておけば、迷子になったとしても、どこにいるかすぐに確認して追跡することが可能なのです。
小型犬から大型犬用まで、サイズも豊富なのでペットに最適なものを選ぶことができます。
GPSには大きく分けると、「GPSロガー」と「GPSトラッカー(発信機)」の2種類があります。「GPSロガー」は通信するものではなく、位置情報の記録を残すものなので、リアルタイムで居場所を確認することはできません。
一方、「GPSトラッカー」はGPSによって得た位置情報を携帯電話回線などで送信し、パソコンやスマホで位置情報をリアルタイムに近い形で表示することができます。
ペットの迷子対策に使えるGPSとマイクロチップの違い
ペットの迷子対策として、GPS首輪を身に着ける方法の他に、マイクロチップをペットの体に埋め込む方法もあります。
マイクロチップは、改正動物愛護法の施行によって、令和4年6月から犬猫にマイクロチップを装着することが義務付けられますが、GPSとマイクロチップは何が違うのでしょうか。
GPSは位置情報でペット追跡ができる
GPSは位置情報を追跡して把握するものです。ペットの首輪にGPS送信機を装着することで、ペットの居場所を定期的に発信し、パソコンやスマホで受信して地図上に現在位置を表示することができます。
GPSは体内に埋め込みができない
ペットがGPSを身に着けていれば、正しい位置を追跡することができますが、何かの拍子で外れてしまったら意味がありません。また、ペットが迷子になって連れ去られた場合、GPS首輪が取り外されてしまう恐れもあります。
マイクロチップは体に埋め込むものなので、外れたりなくなったりする心配はありません。しかし、GPSは電池交換が必要になるので、体内に埋め込むことができないのです。
犬と猫のマイクロチップの装着は、令和4年6月1日から義務化されます。ペットを販売する業者と飼い主で、義務の内容が異なるのでそれぞれ見ていきましょう。
販売業者に対する義務
ペットショップやブリーダーなどペットの販売業者は、販売する犬猫にマイクロチップを装着して、飼い主の情報を登録することを義務付けられます。
また、ブリーダーから犬猫を受け入れて販売するペットショップの場合は、所有者の変更を登録する義務があります。
飼い主に対する義務
個人の飼い主の義務としては、法改正後に犬や猫を購入した場合は、マイクロチップに飼い主の情報を登録します。
基本的に、義務化以降にペットショップやブリーダーから購入した場合、すでにマイクロチップを装着しています。販売業者が代行して、新しい飼い主の情報をマイクロチップに登録する手続きを行ってくれるようです。
知人や動物保護団体などから譲渡された犬や猫の場合、マイクロチップがすでに装着されていれば、飼い主の情報を変更し登録する必要があります。
ただし、マイクロチップ装着の義務は販売業者以外にはないので、譲渡される犬猫がマイクロチップを装着していないことも。その場合、飼い主は情報を登録する義務はありません。
また、義務化される前から飼っている犬や猫は、迷子や災害に備えてマイクロチップの装着を推奨されていますが、努力義務となっています。
マイクロチップの特徴とメリット
犬や猫に装着するマイクロチップは、直径約1.2~2mm、長さ約8~12mmの円筒形で、獣医師が注射で体内に埋め込みます。
マイクロチップには15桁の番号が記録されており、専用のリーダーで読み取ることでデータベースに登録された情報を確認できる仕組みです。
マイクロチップを装着することで、万が一、犬や猫が迷子になっても身元の確認ができるようになります。
地震や洪水などの自然災害に遭い飼い主と離ればなれになっても、保護された時に記録された情報を確認できるので、飼い主に連絡をして再会できる可能性が高くなります。
実際、大きな地震が発生した際に、マイクロチップを装着していた多くのペットが飼い主の元へ戻ることができたという記録も。
GPSとマイクロチップの値段について
ペットにGPSやマイクロチップを装着する場合、費用はいくらかかるのでしょうか。それぞれの値段について解説します。
GPS首輪は、電池の持続時間や機能性などによって2,000円前後から1万円以上するものまでと値段に幅があります。
また、GPS首輪と言っても、首輪にぶら下げるタイプや首輪に固定するタイプ、首輪と一体型になっているタイプなど種類もさまざま。
さらに、ペットの行動範囲を特定するタイプ、ペットをリアルタイムで追跡するタイプなど、目的に合わせて機能を選ぶことができます。
マイクロチップを装着するには、注射で体内に埋め込む費用とデータを登録する費用が必要になります。
マイクロチップ自体は無料ですが、埋め込み費用として3,000~6,000円くらいかかります。自由診療なので動物病院によって費用に幅がことも。事前に確認しておくと良いでしょう。
データの登録に必要な費用については、「動物ID普及推進会議(AIPO)」への登録手続きに1,000円かかります。登録は居住地域によって、動物病院で行うか、飼い主本人が行うことになります。
ペット用GPS首輪のおすすめ5選
ペット用のGPS首輪はネットショップで販売しており気軽に購入できます。その中からおすすめ商品を紹介します。
それぞれ特徴や使い方が違うので、目的や使いやすさを考慮して選びましょう。また、ペットに負担をかけないものを選ぶことも大切です。
超小型GPSデータロガー「お散歩ロガー」
幅40mm×高さ22mm×奥行14mm、重量14gと超小型・超軽量のGPSロガーです。シリコンカバーが付いているので、猫や犬の首輪に取り付けることができます。
特に、普段から外へお散歩に出かける猫に装着することで、いつも遊びに行っている場所やルートを知ることができます。
また、防水性能に優れているので、雨や水が多少かかっても問題ありません。約10時間連続で稼働させることができるので、猫のお散歩ルートをしっかりと記録することができます。
シリコンカバーをつけると少しだけサイズが大きくなるため、猫によっては邪魔そうにする場合もあるようです。
また、GPS本体がカバーから落ちそうで心配という口コミも。機能性が良いのでテープなどで固定して使っている方も多いようです。
Airtag gpsペット 追跡装置 エアタグ
AppleのAirTag(エアータグ)の機能を使用したGPSペットトラッカーで人気商品。
iPhoneなどApple製品からペットの位置と方角を知ることができます。エアータグから約6秒間の警告音を鳴らすこともでき、離れてから一定の時間が経過すると自動的にピープ音を再生することも可能です。
また、充電不要なので常時使用することもできます。カラーは7色用意されているので、ペットのイメージに合ったカラーを選ぶこともできます。
「うちの猫には少し大きかった」という口コミも。直径8~16cmに調整可能ですが、飼っている猫のサイズを確認してから購入するのがおすすめ。
紛失防止タグ「MAMORIO(マモリオ)」
MAMORIOは、財布や鍵などに付けておくことで、落としたりした時に専用のアプリで紛失場所を知らせてくれるものです。
この「紛失したものを見つけ出す」という機能は、外でお散歩する猫の居場所を確認する際にも利用できます。
「世界最薄・最小クラスの紛失防止タグ」ということで、猫の首輪に付けても首に負担をかける心配もありません。また、日本製なのも安心感があります。
電池の寿命は約1年ですが、電池交換できないのがデメリット。電池寿命がくるまでは、継続して使い続けることができます。
Tractive GPS DOG 4. 犬用トラッカー
リアルタイムでペットの位置情報を範囲無制限で追跡して、スマートフォンからTractive GPSアプリで確認することができるGPSトラッカーです。フル充電までにたったの2時間で最大7日間持続します。
自宅の庭などを“安全圏”と指定しておくことで、ペットが安全圏から出た時や戻った時に通知される「バーチャルフェンス機能」付き。
また、ペットが活動している時間や睡眠時間、カロリーの消費量などを記録できる「身体活動モニター機能」によって、ペットの健康管理もできます。
犬用トラッカーですが、外に出かけることの多い猫に装着している飼い主さんも多いようですが、猫には少しサイズが大きく、重量は34.87gと少し重さもあるので、常に装着しておくのは猫に負担がかかってしまうかもしれません。
スマートアクセサリー Chipolo ONE(チポロワン)
Chipoloは、アプリと連動させて落とし物の場所を地図で見つけることができます。落とした場所で見つからない場合は、音を鳴らして探すことも可能です。
この機能を活用して、ペットの首輪にChipoloを取り付けて連動させておけば、ペットがいなくなってしまった時も見つけ出すことができます。
防水仕様なので、多少、雨に濡れたり水がかかったりしても安心です。また、電池の寿命は2年と長く使えますし、バッテリーが切れても電池交換できます。
GPSの位置情報が少しズレるという口コミもありますが、大きな音で知らせてくれるので、なくした物も見つかりやすいです。
犬用GPS首輪を使う時の注意点
犬にGPS首輪はまだ一般的ではありませんが、犬に装着しておくことで万が一逃げ出したり迷子になったりした時にすぐに見つけ出せる確率が上がります。
ただ、GPS首輪を使用する際に注意してほしいこともあるので、購入を検討している方は、事前に確認しましょう。
通信費が発生する
携帯電話の電波を使うGPS首輪は、スマートフォンのアプリなどで手軽に位置情報を確認することができます。
携帯電話の電波が届く地域であれば、どんなに離れていても居場所を特定できますが、携帯電話網を利用するため、月額通信費が必要になります。
小型犬には重い可能性がある
GPS首輪には、犬も猫も使えるものや、犬用と猫用に分けて販売しているものがあります。ただし、犬用はサイズが大きいものが多く、小型犬には重くて小さな体に負担がかかってしまう可能性があります。
犬用でもいくつかサイズが用意されているものや、「小型犬用」として紹介されている商品を選ぶと良いでしょう。
雨に濡れて壊れてしまう可能性がある
野外で雨や水に濡れると壊れて使えなくなってしまう可能性があります。特に、首輪に取り付けるチャーム型のGPSはぶら下げた状態になるので、ペットが水を飲む時に水の中に浸かってしまう場合も。
GPS首輪を選ぶ際は、必ず防水機能が備わっているか確認しましょう。
こまめなメンテナンスが必要
GPS機能は定期的に充電をしないと使用中にバッテリーが切れてしまうことがあります。また、こまめにメンテナンスを行っていないと、使おうと思った時に壊れていることも。日頃から充電やメンテナンスはこまめに行うことをおすすめします。
まとめ
外飼いの犬が脱走してしまったり、室内飼いの猫が窓の隙間から外へ出てしまったりしたらどうしよう…と心配になることもあるでしょう。
これまで外に出たことのない猫の場合は、初めて出た外の世界で思わぬ危険が潜んでいる可能性もあるので、できるだけ早く探し出さないといけません。
そんな時に非常に役に立つのがGPSです。犬や猫にGPS機能を備えた首輪を装着しておけば、迷子になったとしても見つけ出すことができます。
ペット用のGPSはまだ発展途上の段階ですが、大切なペットを守るために求めている飼い主さんも多いです。これからより高性能でペットにとって使い心地の良い商品がでてくることを期待したいですね。