仔犬を迎えたら「ニューオーナーシンドローム」にご注意を!

仔犬を迎えたら「ニューオーナーシンドローム」にご注意を!

待ちに待ったかわいい仔犬がやってくる...!可愛い仔犬とたくさん遊んで、早く仲良くなりたいですよね。でもちょっと待って!そんな飼い主さんの優しい気持ちが、新しいお家にやってきたばかりの仔犬には大きな負担になってしまうことがあるんです。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

『ニューオーナーシンドローム』って何?

新しいおうちに迎えられたワンちゃんが、新しい環境で暮らすストレスにより体調を崩すことを指します。
具体的な症状としては嘔吐、下痢、食欲不振などですが、最悪の場合死に至ることもあります。

眠る仔犬

はじめてのおうち...あなたならどうする?

昨日まで一緒だったお父さんやお母さん、さっきまで一緒だった兄弟姉妹、お友達...生まれてからずっと一緒だった仲間たちや、過ごし慣れた環境から引き離されて、まったく知らない場所に連れてこられたら?
きっと人間でも緊張しますよね。
まだまだ幼い仔犬たちは、実はこんな状態であなたのおうちにやってくるのです。

しょんぼり

最初の1週間の重要性

たくさん遊んで、いっぱい食べさせて、きちんと躾して...その心掛けは大切です。
ですが仔犬にとって、いきなり見ず知らずの家族にかわるがわる抱っこされ、間断なく構われるのは大きなストレスになってしまいます。
まずは最初の一週間、まずは「お互いの生活の中にお互いが存在する環境」に訓練をしましょう。
訓練といっても決して難しいことではありません、最初に下記の4つに気をつけてみてくださいね。

構いすぎない

初めての環境は、多かれ少なかれ仔犬にとってストレスになります。
また人間の赤ちゃん同様、仔犬も1日のうち大半を寝て過ごします。
少しでも仔犬のストレスを減らすために、遊びたい!構いたい!は少しだけ我慢して、構いすぎないように注意しましょう。

  • 適度に遊びつつ、静かに見守ってあげましょう

焦らない

躾はもちろん大事です。ですが、飼い主の緊張や感情は仔犬にも伝わるもの。
初めから厳しく躾しようと意気込むのではなく、まずはゆっくりと、仔犬の心と体の成長を見守ってあげてください。
躾はそれからでも決して遅くはありません。

  • 犬の心と体の成長度合いにより、躾られる内容も変わってきます

ダメなことはダメ!が大事

今日はダメ、明日はOK。パパはダメでもママはOK。
これでは人間でも混乱してしまいますし、それはワンちゃんも同じこと。
誰とでも仲良くできるワンちゃんに育てるためにも、一緒に暮らす家族で一環したルールを作り、新しい家族=仔犬にキチンと示してあげましょう。

  • 家族みんなで協力して、一環したルールの中での躾を!

環境に慣れてきた頃

しばらくすると仔犬も環境に慣れてきて、飼い主さんとたくさん遊びたがる時期に入ります。
目の前の様々なものにも興味を示すでしょう。
さぁこれでやっと一緒に遊べるぞ!...でもここでもう少しだけ、その気持ちにストップです!

遊びすぎに注意!

仔犬はまだ自分の体力の限界がわかりません。
飼い主さんが遊んでくれるのが楽しくて嬉しくて、ついつい全力ではしゃいでしまいます。
気付いた頃にはグッタリ、そのままウトウト...なんてこともあるでしょう。そんな時には、無理やりに構わずそのまま寝かせてあげてください。
また、飼い主さんのほうで「長時間遊びすぎたな...」と感じた時には、少しヒートダウンして仔犬を休ませてあげてください。
飼い主さんがヒートダウンすれば、きっと仔犬も疲れに気づいて休んでくれます。

  • 仔犬に少しでも疲れた様子が見られたら、無理せず休憩しましょう
  • 飼い主さん自身が、仔犬の様子と時間に配慮しながら遊んであげましょう

筆者の経験から

走る仔犬

余談ですが筆者の飼っている犬(ミニチュアダックス♀:うずら)がまだ1歳になったばかり頃、親戚の集まりに連れて行ったことがあります。
幸い親戚のほとんどが動物好き、こと叔父と祖父は犬が大好きでしたので、みんながあつまる場所でたくさんかまって遊んでくれました。
もちろん、我が家の犬もとても嬉しそうな様子ではしゃいでいました。
そんな中、みんなに遊んでもらう姿を黙って見守っていた私でしたが...

ふと、うずらがこちらに向かって歩いてきます。よく見るとその足元はフラつき、顔もかなり疲れた様子。
あれ?と思いましたが、それでも家族に「うずらちゃーん!」と名前を呼ばれると、その表情を一転させて嬉しそうに駆け寄って行くのです。
それに気付いた私は「これはヤバい」と思い、急いでうずらを抱き上げて退散しました。
そうです、確実に体力の限界を超えていたのです。
自宅に退散後、疲れてグッタリと眠るうずらを眺めつつ、激しく反省した筆者でした。。。

ワンちゃんそれぞれの性格もあるとは思いますが、中にはそこまでして遊ぼうとする子もいるので要注意です。

まとめ

仔犬はとても可愛く愛らしいものです。
少しでも触れ合いたいものですが、その気持ちを最初の一週間に少し我慢することで、仔犬にとって「安心できる環境」を提供してくれる飼い主として、一番最初の信頼を生むことに繋がります。
同時にほんの少しのことで大きく体調を崩してしまうことがありますので、小さく可愛らしい仔犬時代を楽しく一緒に過ごすためにも、ご家族みんなで小さなワンちゃんを見守ってあげてくださいね。

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