犬のドライアイが増えている?!

犬のドライアイが増えている?!【獣医師監修】

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「ドライアイなんて、まるで人間みたいですね」とおっしゃる飼い主さんも多いこの病気。人間と違い、犬のドライアイは遺伝的要素もあるためしっかり治療しないと視力が低下してしまいます。そんな犬のドライアイについて、なるべくわかりやすく点眼のコツなどについても書いてみました。早期発見のためにもご一読くださいね。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

犬のドライアイが増えている?!

気落ちしている犬


人間でも問題になっている、目の乾きが引き起こす「ドライアイ」。実は人間だけでは無く、わんちゃんにもこの症状が増えているんです。

人間の場合、「目のごろつき」や「違和感」が初期の症状で判断しますがですが、犬の場合、判断方法が違ってくるようです。

また、ワンちゃんの場合、目の異常を感じていても、それを訴えることが出来ないため、深刻な状態を招くことがとても多いんですよ。

まずは、「犬のドライアイ」の特徴を知り、すぐに病院に連れて行けるように、的確な対処法を知っておきましょう。

ドライアイの原因


人間でも犬でもドライアイの原因は、涙の分泌量の減少が原因です。

人間であれば、コンタクトレンズや目の酷使が原因だと考えられていますが、犬では遺伝的な要因や、犬種独特の目の形状などが原因ではないかと考えられています。特に、目が丸く大きい短頭種の場合、眼球がやや前に出た状態のため瞼が上手く閉じられず目全体に涙が行きわたらないことから、乾燥しやすくドライアイになりやすいと言われています。

犬のドライアイの症状


人間の場合は、目のごろつきや違和感で発見されるドライアイ。

犬の場合は、目のツヤと輝きが少なくなるのが初期症状です。目ヤニや充血など、角膜炎、結膜炎のような症状が現れ角膜が白濁している場合もあります。

涙の量が減ることで、目の表面を潤せなくなりツヤツヤとした輝きが少なくなったら要注意です。涙の量が減ることで瞼が開けづらくなり、しきりに目を擦ったり気にするそぶりが増えてきます。

さらに悪化すると、角膜(黒目の表面)をまぶたがこすることで傷ができ、傷みを感じて目が開かなくなったりします。酷くなると出血することもあります。

実際にはこの状態で通院して、ドライアイが判明することが多いですね。

さらに悪化すると、角膜表面の傷が増え瞳の表面に黒ずんだ着色が見えるようになります。

こうなってしまうと元の状態に戻すことが非常に難しく、視力の低下も起きてしまいます。

早期発見、早期治療で悪化を防ぐことが出来るドライアイ。

簡単な検査で発見できるので、気になったらかかりつけの獣医に相談しましょう。

ドライアイが増えてきた要因とかかりやすい犬種

エリザベスカラーをつけたチワワ


診療中に説明をしていると「ドライアイなんて、まるで人間みたいね」とおっしゃる飼い主さんもいらっしゃいます。

犬のドライアイは、人間とは違い遺伝的な要因が原因になっていることが多いようです。

ドライアイが増えてきた要因


涙の成分は、体液とほぼ同じ成分と少量の油分です。涙はもちろん涙腺から、油分はマイボーム腺という分泌腺から分泌されます。汚れを洗い流し、眼の表面を潤す役割が涙で、眼球の乾燥を防ぐ役割が油分です。

このどちらが欠けても、目の表面をきちんと潤すことができないようです。

犬のドライアイの原因は、短頭種など鼻ぺちゃに品種改良されたため涙腺が詰まりやすく、涙の量が少ないことが一因と考えられます。

さらに、遺伝的な要因や老化により、涙に油分が足りなくなることで潤いをたもつチカラが減ってしまいドライアイになる場合もあります。涙腺やマイボーム腺の滞った部分を解消するべく、温めたタオルを犬の目に当て軽くマッサージをしてあげることで循環を改善し、涙や油分が分泌されやすくなります。

どんな犬でドライアイが起きやすいのか


犬のドライアイは、起きやすい犬種があります。

シーズーやパグ、チワワやフレンチブルドッグなど、目の大きくキョロッとした犬種で発生しやすいことがわかっています。

あとは、年齢と共に進む場合もあります。

これは犬種に関係なく、年をとるとドライアイになってしまうということですね。

眼球の形状からドライアイになりやすい犬種

  • パグ
  • シーズー
  • ブルドッグ
  • コッカースパニエル
  • ラサアプソ
  • フレンチブルドッグ
  • チワワ

遺伝的にドライアイになりやすいとされている犬種

  • パグ
  • ヨークシャーテリア

ドライアイの治療について

点眼薬


遺伝的要因や老化により発生するドライアイは、避けることのできない病気と言えます。

でも、早期発見して適切な治療をすることで視力を保つことができます。

ドライアイの治療


現在、ドライアイの特効薬として知られているのがシクロスポリンの点眼薬です。

シクロスポリンは、免疫抑制効果がありドライアイを改善する効果があります。

点眼タイプ・眼軟膏タイプがあり病院によってどちらかが処方されます。

それと合わせて、目の表面を潤す涙の補助として、ヒアルロン酸の点眼薬も処方されます。

シクロスポリンが原因を改善し、ヒアルロン酸で涙の量をアシストすると考えておくとわかりやすいですね。

値段にびっくりするシクロスポリン


シクロスポリンを処方するとき、ビックリする飼い主さんが多いです。

それはシクロスポリンのお値段です。

シクロスポリンは、とても高価なお薬なので眼軟膏1本5000円・・・なんてことも。

特に動物病院は人間の病院と違い保険がきかないため、お薬の原価がそのまま価格に反映されます。

現在の治療法では悪化を防ぐことしかできないドライアイ、長く治療することを考えてペット保険などの加入もおススメです。

上手な薬の使い方


シクロスポリンの目薬は、1日1~2回使います。

それに対して、ヒアルロン酸の目薬は、涙の代わりなので回数が多いほうが効果が高いです。

両方を使うことで高い効果が得られますが、留守がちで小まめに点眼できない方も多いですよね。

でもあきらめないでください。

お家にいるときだけでもなるべく点眼の回数を増やすことで、角膜の傷を減らし視力の低下を防ぐことは出来ます。

目薬を愛犬にさすのは大変・・・


動物病院でドライアイと診断された愛犬、目薬を持って帰ってきたのはいいけれど「点眼が苦手」という飼い主さんも多いようですね。

犬には、なぜ点眼が必要なのか理解することができません。

とつぜん目に向けてぴゅっと液体をかけられてはビックリしますし、怖がるのも当然ですよね。

どうやったら獣医さんのように簡単に点眼できるの?というご質問にもお答えしましょう。

点眼のコツ

毛布にくるまった犬


シクロスポリンは刺激性のない目薬なので、しみることはありません。

ですが、ヒアルロン酸の点眼薬は商品の種類によってはチクッとしみるものもあります。

ヒアルロン酸の点眼薬だけを嫌がる場合は、獣医さんに他の種類の点眼薬を処方してもらいましょう。

動物病院で、獣医や動物看護士が簡単そうに点眼するのには訳があります。

まず一つに、犬が緊張していること。

病院の雰囲気や音に緊張しているため、点眼しても気づかないワンちゃんもいるくらいです。

ですから、お家でもそんな状況を作ると簡単に点眼できることがあります。

動いている洗濯機の上で点眼

ゴーッゴーッと作動している洗濯機は、点眼にうってつけのポイント。

音と振動に気を取られてくれるので簡単に点眼できることがあります。

お散歩中に点眼

外は、いろんな音や匂いがあるので意外と簡単に点眼できることも。

点眼方法のコツ

ついつい、犬の顔の前方から点眼薬を近づけていませんか?

犬の視力は前方中央が、一番よく見えるようにできていて、逆に、視界の上と下はぼんやりぼやけていてはっきり見ることができない仕組みになっています。

ですから、頭をよしよしと撫でながら、おでこのほうから目薬をさすと怖がりにくいんですよ。

眼軟膏は、顔の下の頬のあたりから近づけるのがポイントです。

一番大事なのは普段からの備え


普段から顔や瞼に触れる練習をしておきましょう。

ぎゅーっと顔をつかまれたり、瞼に触れるというのは犬にとっては苦手なこと。

でも、飼い主さんに褒めてもらえるなら我慢できる程度のことです。

普段からそういった動作に慣らしておくことで、イザというときに楽々点眼や投薬が可能になるんですね。

犬のドライアイについてのまとめ

目薬をさすゴールデンレトリバー


犬のドライアイについて色々書いてきましたが、いかがでしたでしょうか。

現在の治療技術では、完治することは難しいとされているドライアイ。

でもしっかり目薬を使っていくことで、悪化をふせぎ視力を保つことが可能です。

治療の費用が高いことがネックになりがちですが、クリアにみえるということが犬にとってとても大事であることを忘れないでください。

獣医は、専門医制がまだまだ浸透していません。

かかりつけの獣医さんが眼科診療が苦手な場合もあります。

数は少ないですが、眼科を得意としている動物病院もあるので気になる場合は下調べしてから受診しましょう。

「いつまでもウルウルでキラキラの目で居てもらいたい」
それは、全ての飼い主さんの願いだと思います。

獣医と飼い主さんの二人三脚でドライアイを克服していきましょう。

ユーザーのコメント

  • 投稿者

    30代 女性 pkan

    この記事をを読んでわんこさん達にもドライアイがある事を初めて知りました。私もドライアイで今では、目薬が欠かせない状態ですが、人間でも症状に気付きにくいドライアイ。わんこさんのドライアイに気付くのは、もっと大変そうですね。
  • 投稿者

    30代 女性 ひろ

    人間は、コンタクトレンズなどの影響でドライアイになりますが、犬もドライアイになると初めて知りました。しかも、完治が難しいなんてショックです。つくづく健康が一番だと思います。健康に感謝です。
  • 投稿者

    30代 女性 ちゃー

    人間と同じで、犬にもドライアイが増えてきているんですね!涙が多くて涙やけが多いと思っていたのに、最近はその逆で涙が少なくなってきてるワンちゃんが多いんですね!少し驚きました。あと、犬に目薬を点眼する方法で、動いている洗濯機の上で点眼すると気が紛れるいう方法にはクスッと笑ってしまいました。でもみんながすぐにできるいい方法ですね!
  • 投稿者

    50代以上 女性 ろちゃん

    犬にドライアイがあることを知りませんでした。確かに自分から目の違和感を訴えることができないので悪化してしまいそうですね。家の子達は今のところ症状はないようですが、風の強い土地なので目の潤いにはあまり良くなさそうです。専門的な視点からの様々なアドバイスがとても参考になりました。
  • 投稿者

    40代 女性 ちえ

    人間のドライアイは近年スマホ普及で増えていると聞きましたが、犬にもドライアイがあるのですね。我が家も13歳のシニア犬がいますが、最近目ヤニが多くなり点眼薬を処方してもらいました。その時はドライアイではなく、老化にともなう症状のようでした。かかりつけの獣医さんで気になる症状がある時はしっかりと診てもらうのが、悪化させない最善の道だと思いました。
  • 投稿者

    40代 女性 ぱん

    犬もドライアイになることは知りませんでした。
    シニア犬になると可能性は出てくるということですから、すべての飼い主さんが知っておいて損はない知識ですね。
    今は動物病院でなくても、楽天などで色々な種類の目薬が販売されています。
    動物病院で処方されるものより、安価になるため効果があるのかは分かりませんが、ドライアイ用、涙やけの防止用、目にゴミが入った時などにも使用できるそうです。

    また通常ドライアイは見ても分かりづらいようですが、愛犬の眼に潤いがなくカサカサに乾いている、目やにが拭いても拭いても出るなどの目で見て分かる症状のときもあるとのことです。

    そして試す価値のあるのがホットアイマスクだそうです。
    眼の表面を乾燥した状態にしておくと痛み、違和感や角膜潰瘍などが起こりやすくなります。
    40度くらいの温度に温めたタオルを目に当てて軽くマッサージすることで血液循環が良くなり、涙腺やマイボーム腺の働きが良くなります。この方法は人間と同じなので私も全く同じことをしていますが、個人的には効果大です。
    日頃からのケアと確認により、少しでも早く愛犬の異変に気づいてあげたいものですね。
  • 投稿者

    20代 女性 シュークリーム

    元動物看護師です。
    ドライアイになると特徴的な目ヤニが出ます。
    通常の目ヤニは目頭に少量付きますが、ドライアイになった場合、目全体にドロっとした目ヤニが付きます。酷い場合は瞼に目ヤニがくっついたまま乾いてしまい目が開けづらくなることもあります。
    また目の乾燥から白目が真っ赤に充血します。
    目ヤニが多く見られたり白目が充血している場合はドライアイになっている可能性が高いですので動物病院で診てもらいましょう。

    シクロスポリンの眼軟膏は、涙を出すように細胞に働きかける薬です。体温で少しずつ溶け、長く目に薬を留まらせるために軟膏状になっています。米粒サイズの眼軟膏を下まぶたの中に入れる必要がありますが、大変苦労されている飼い主さんが多くいらっしゃいました。
    また患者さんの中には、どうしても自宅で点眼をすると噛み付いてきて薬を付けることが難しいため、毎日点眼のために動物病院に来院される方もいらっしゃいました。
    いざという時の為に日頃からスキンシップをよく行い、どこを触られても平気なわんちゃんに育てておきましょう。
  • 投稿者

    女性 ゴン吉

    犬にもドライアイがあるんですね。驚きました。てっきりエアコンの普及による年中乾燥している環境が原因かと思っていたら、遺伝や老化などが理由と知り昔からあった病気なんですね。

    目が大きいと涙の量も必要になってしまいます。乾燥するのも早いのでやはりシーズーやパグ、チワワは目の病気にかかりやすいですね。
    予防することはできるのか調べてみましたが、今のところ完全に予防することは難しいようです。目の大きい犬種の場合は、異常がないかマメに見ておくことしかできませんが、いつもと違うところが見つかれば早期治療により改善することは可能です。大体は目をシパシパさせたり、目ヤニが増えたり、充血していたりと見てわかる症状が表れます。

    散歩後に目に異物が入っていないか、シャンプ―中に汚れた泡などが入っていないかどうか、目を傷つけないように気を付けておくことも大事です。
    目が大きい犬種は目ヤニも多いので、衛生面には注意して常日頃から綺麗にしておいてあげるといいですね。

    点眼薬が主な治療方法ですが、これは慣れてしまえば片方3秒で終わります。目薬を点す真似だけでもして慣らしておくと、いざという時苦労しないで済みます。
  • 投稿者

    女性 eyeeye

    ドライアイなんて、人間だけに起こることかと思っていたのでビックリしました。実は私自身がドライアイで困っています・・・。毎回目薬をさしていますが、ゴロゴロしたりコンタクトレンズが不快になる時もあります。こんな症状が犬にも起こったら、かわいそうです。犬は言葉が話せないので、不快感を表に出すことは難しいでしょう。今、愛犬の目のうるおいをチェックしてみましたが、一応大丈夫そうです。しかし、今度かかりつけの獣医さんにもドライアイについて聞いてみたいと思います。これが原因で視力が下がってしまったり、何か違う病気につながってしまったら大変ですよね!どんな病気でも同じことが言えますが、早期発見、早期治療が一番大切なことになると思います。
  • 投稿者

    女性 コロ

    うちのシーズーも目が大きめな方なので、冬の乾燥する季節は乾きやすいのか目を気にしている素振りが増えます。今は白内障用の目薬を定期的に点しているので目のうるおいはあるのですが、乾燥が酷い日は瞼にくっ付いたりするので良くないなぁと思っています。
  • 投稿者

    女性 あんず

    秋から春にかけての乾燥した寒い季節は、朝起きた時に愛犬の目が乾いている感じがあります。
    うちの愛犬は目が丸くて大きいので涙も多く必要になるけれど、高齢だから出にくいのかなと獣医さんに聞きました。
    今は抗菌目薬を入れているので幸いにして乾燥も少しだけ防げていると思います。これ以上乾燥するようなら専用の目薬を相談したいと思います。
  • 投稿者

    女性 MAHE

    私がドライアイで治療をしている最中なのですが、犬もドライアイになるなんて驚
    きました。愛犬は大きな目を持つパグなので、記事を読んでからちょっと心配にな
    りましたね。今度獣医さんにも聞いてみたいと思います。
  • 投稿者

    女性 匿名

    私の老犬チワワは突然目が開かなくなりました
    病院で診察してもらったところ、ドライアイとそれにより目が傷つき開かなくなったのでしょう。とのこと…
    獣医からは「ドライアイは免疫疾患なのでこの子は元から涙の量が少なかったのでしょう、年齢的なことも相俟って悪化したのでしょうね」と言われました
    それはそれで致し方なく向き合うしかないのですが、本当にこれは完治が難しいのですか?
    記事にもある眼軟膏が私が獣医から聞いたものと同じのものか分かりませんが、眼軟膏は効果の出ない子もいるんですよね
    目薬さすことすら嫌がって毎度毎度大変なのに、今現在処方されてる目薬をさしてても効いてる気配すら全くないため救いがありません
    もう本当にどうしたらいいのか…
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