犬が痙攣する原因①てんかん・脳神経系疾患
犬の痙攣の原因で最も多いとされているのが、脳疾患や脳機能の異常によるものです。特にてんかん発作は小さな痙攣発作から全身を震わせる大きなけいれん発作まで様々な症状があり、それを繰り返し起こします。てんかんは脳構造そのものに異常はなく、機能に異常が現れる疾患でけいれん発作や意識障害が主な症状とされていますが、その発生頻度・間隔はまちまちです。
その他にも脳に炎症が起こる脳炎や脳腫瘍、脳脊髄液が溜まってしまう水頭症などの脳疾患でも、神経異常を起こして痙攣を引き起こすことが多く見られます。
犬が痙攣する原因②中毒・内臓疾患
犬が痙攣を起こす原因として脳神経系の疾患が多く見られますが、その他の内臓疾患が原因で痙攣を起こすことがあります。腎臓や肝臓の機能低下によって毒素が排出されず体内に溜まってしまう腎不全や肝不全では震えや痙攣など神経症状が現れることがあります。
その他にも血中の糖分が著しく減少してしまった場合に起こる低血糖の症状としても痙攣が見られます。低血糖は成犬の場合、副腎皮質や膵臓などの疾患が原因で引き起こされますが、3か月未満の子犬の場合は食事の間隔が開くことや気温低下、激しい嘔吐や下痢などで誘発されてしまいます。
また、若く持病などがない犬の場合でも起こりやすいのが中毒による痙攣です。食べ物や薬品、細菌などの毒素の影響で急性中毒を起こした場合などに、突然倒れて痙攣を起こすことがあります。
犬が痙攣する原因③筋肉疲労・筋力低下
痙攣の中でも後ろ足だけなど部分的に震えていたり、筋肉がピクピクと動いていたりするような場合は過度な運動による筋肉疲労や、加齢による筋力低下が原因と考えられます。これらの震え・痙攣については特に心配する必要はありませんが、運動量を見直したりマッサージなどでケアをしてあげたりするといいでしょう。
犬が痙攣したときの正しい対処法
犬が初めて痙攣を起こしたとき、飼い主さんはとても慌ててしまうと思います。しかし、痙攣を起こしているとき大切なのは、飼い主さんが落ち着いて様子を見ることだと言われています。痙攣を起こしている犬の様子を見守りながら、どこかにぶつかったり落ちてしまったりして怪我をしないかなど、周りの状況をしっかり把握することも大切です。
犬が痙攣を起こしているときには、大きな声で名前を呼んだり体を揺さぶったりすることはせず、痙攣がおさまるまで近くで見守ってください。痙攣中の犬は意識障害を起こし錯乱状態にあるので、顔や体に触れるとびっくりして咬みついてしまうことなどもあります。
痙攣は数分でおさまることがほとんどなので、時間を計ったり動画を撮ったりするなどしながら落ち着いて見守ります。痙攣がおさまったらすぐに動物病院に連絡をして状況を伝えて、医師の指示を仰ぐようにしましょう。
まとめ
犬が痙攣を起こすことはそれほど珍しいことではないとされていますが、実際にその様子を見ると驚いてしまう人が多いと思います。しかし、痙攣を起こしている最中にできることはあまりありません。
慌てず様子を見ながら犬が怪我をしないように周囲を片付けたり、犬が痙攣を起こしている様子を医師に正確に伝えるために動画を撮っておいたりするといいでしょう。痙攣が落ち着いてから獣医師の指示を受けて必要な対応をし、根本的な原因を解決するための治療を受けるようにしてください。