犬が水をたくさん飲むときに考えられる病気とは
なぜだかいつもより、愛犬がたくさん水を飲んでいる気がする…そう感じることはありませんか?夏場や冬場は暑さや乾燥でいつも以上に水分を欲する傾向にありますが、それでも違和感を抱いた場合は、愛犬が病気に冒されている可能性が考えられます。
1.子宮蓄膿症
避妊手術をしていない女の子の場合は、子宮蓄膿症が考えられます。子宮に細菌が入り込むことで炎症を引き起こし、症状が進行すると全身に影響を及ぼします。子宮蓄膿症を疑う症状の一つに水をたくさん飲み、その結果尿をたくさんするという症状が起こります。
実はこの病気は非常に怖い病気で、そのまま治療をしないままにしてしまうと、犬によっては敗血症や子宮破裂が起こり、死に至るケースもあります。この病気は生理後1~2か月の時期に現れることが多いので、この時期に「いつもより多めに水を飲んでいる」と感じたら、早急に病院へ連れて行きましょう。
2.慢性腎臓病
腎臓の組織が年齢とともに少しづつ壊れてしまうと、腎臓の大切な機能の一つである水分の再吸収がうまくいかなくなり、いつも以上におしっこをするようになってしまいます。水分を体外に排出してしまうため、体が水分を欲しがり、いつもより多めに水を飲むようになるのです。
腎臓病を患った場合、水を多く飲むようになるだけでなく、おしっこの回数や量が多くなったり、おしっこの色が薄くなったりといった症状が同時に起こります。慢性腎臓病を患ってしまった場合は、今の病状をより悪化させないための治療を行うことになります。放置してしまうと死に至る危険性が高まりますので、早期発見し、病気の進行を防ぎましょう。
3.糖尿病
糖尿病は人間だけでなく、犬も起こりやすい病気です。特によく食べる肥満の犬が患うことが多いので、目安の体重を超えている犬は注意が必要です。
糖尿病は血液中の糖が利用できず、血糖値が異常に増えてしまう病気です。おしっこに糖が混じることもあります。糖尿病になると糖を体外に排出する働きによって、おしっこの量も増え、そのためにいつもより水分を欲するようになるのです。
糖尿病は合併症を引き起こしやすい病気です。合併症を引き起こしてしまうと死に至るケースも少なくありません。早めに発見し、治療と合併症の予防を行う必要があります。
4.クッシング症候群
クッシング症候群は「副腎皮質の腫瘍化」または、脳下垂体の腫瘍が原因でおこる病気です。腫瘍化することで、副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されてしまいます。
ホルモンが過剰に分泌されてしまうと、おしっこの量が多くなり、その結果水をたくさん飲むようになります。その他にも息が荒くなったり、両側対象に毛が抜けるようになったり、おなかが樽のように張ったりと様々な症状を発症することが多いです。進行してしまうと、白内障などの合併症を引き起こす危険性が高まるため、早期発見、早期治療が求められます。
飲みすぎかも…受診する目安は?
「いつもより多めに水を飲んでいる」と感じても、それが本当に飲みすぎに当たるかどうかは判断しにくいですよね。
犬の体重1kgあたり、1日の摂取量が100mlを超えると異常が疑われるため、これを1つの目安としてください。例えば、5kgの犬であれば、1日500ml以上飲んでいる場合は受診しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。皆さんの愛犬は、水を飲み過ぎていませんか?もしも今回ご紹介した目安量を超えている場合は、早急に受診してください。早期発見・早期治療を行うことで、愛犬の命を助けることに繋がります。