グルグル回る原因①ストレス・常同行動
犬が自分の尻尾を追いかけるようにして、同じ場所をグルグルと回っている原因として最も多いのが「ストレス」です。様々な原因でストレスを感じたときに、グルグルと回ってストレスを発散するのです。退屈しのぎに自分の尻尾を追いかけたり、お尻が気になったときなどにグルグル回ったりする行動を覚えて、ストレスが溜まるとそれを行うようになります
ただ、ストレス発散や不安解消のためにグルグル回る程度であれば、それほど問題はありません。私たち人間もストレスが溜まるとあらゆる方法で発散すると思いますが、犬がグルグル回るのもそれと同じ。回ることでストレスが発散されて日常生活に支障を来さないのであれば、見守ってあげて問題ないでしょう。
しかし、この行動が常態化してしまい「常同行動」としてやめられなくなってしまったり、尻尾を傷つけるようになったりする場合は、気をそらして他の行動に導くなど、適切な対応が必要になります。
グルグル回る原因②脳疾患
犬がグルグル回る原因として、脳疾患が疑われる場合もあります。主に「てんかん」や「前庭障害」と呼ばれる疾患の症状として、同じ場所をグルグル回る行動が見られるのです。
てんかんというとけいれん発作や意識障害で倒れるなどのイメージがありますが、てんかんの症状というのは非常に多岐にわたり、幻覚を見たり自分自身の意識とは関係なく体の一部が動いてしまったりすることなどもあるのです。
自分の尻尾に対して、まるで敵を攻撃するかのような様子で追い回していたり、うとうとしていたかと思ったら突然興奮状態になって回り始めたりする場合などは、脳疾患の可能性があるため獣医師に相談し必要な検査を受けるようにしましょう。
グルグル回る原因③皮膚疾患やお尻などの不快感
重篤な脳疾患やストレスだけでなく、単純に「お尻がかゆい」「お尻や尻尾の皮膚にトラブルが起きている」などということも考えられます。やけにお尻を気にしてグルグル回っていると思ったら、一度全身のチェックしてゴミがついていたり傷や湿疹などができたりしていないか確認するようにしましょう。
また、そうした行動がきっかけでぐるぐる回る楽しさを覚えてしまい癖になったり、回っていると飼い主さんが笑ってくれたり、声をかけてくれたりすることで、繰り返しその行動をするようになることもあります。必要以上にグルグル回ることを防ぐためには、回っている行動に対して過剰に反応しないことが大切です。やめさせたいときは静かに名前を呼ぶなどして他の行動に移すようにしましょう。
まとめ
犬が尻尾を追いかけるようにグルグル回る行動自体は珍しいことではありませんし、基本的には問題になるような行動でもありません。そのため、時々遊ぶように回っている程度であれば特に対応する必要はなく、見守ってあげていいと思います。
しかし、場合によってはてんかんなどの重篤な脳疾患が隠れていることもありますし、気が付かないうちに過度なストレスを溜めてしまっていることもあります。頻度があまりにも多い場合や尻尾に傷がつくほど激しい行動になってしまっている場合などは注意が必要です。
また、回っているときにきちんとこちらの呼びかけに反応するか、意識がしっかりとしているかなども注意して見ておくようにしてください。