結局どのくらいがいいの?愛犬に必要な散歩の長さを判定する方法

結局どのくらいがいいの?愛犬に必要な散歩の長さを判定する方法

犬にとって食事と同じくらい大切なのがお散歩。いつものお散歩が短すぎていないか、長すぎていか、気になったことはありませんか?この記事では愛犬に必要な散歩の長さを判定する方法をご紹介いたします。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

犬にとってのお散歩とは

お散歩中のテリア

お散歩は運動のためだけではありません

犬はお散歩が大好きな子がとても多いですよね。愛犬に「お散歩行く?」と声をかけると、目をキラキラさせて喜びを表現する子もいるのではないでしょうか?犬にとってのお散歩は運動するためだけのものではありません。

お散歩は運動による健康維持の他にも、体を動かすことでストレス発散にもつながりますし、飼い主さんとの絆を深めるため、社会性を身につけるため、犬の脳を活性化させるためにもとても大切なことなのです。外の空気に触れ、多くの景色や物を目にして、様々なニオイを嗅ぐことで多くの情報に触れ、好奇心を満たすこともできます。

「小型犬は運動量が少ないから散歩をしない」「広い庭を自由に走り回らせているから散歩はしない」。これらはどちらも間違いです。決まりきった場所にしか居ることができないと、犬もストレスを感じてしまいます。外からの刺激を受けることで精神面の健康を保つことができるのも、お散歩をしているからこそ。愛犬をから連れ出してあげましょう。

犬に適切なお散歩の長さは?

愛犬にとって適切なお散歩の距離や長さはどれくらいか、気になりますよね。一般的に身体が小さな小型犬は運動量が少なく短めのお散歩、逆に大型犬は必要な運度量が多いので、お散歩も長く必要といわれることが多いですが、果たして本当にそうなのでしょうか。

必要な運動量は体格だけで一概に決められるわけではなく、個体差、犬種によるルーツの違い、年齢などによっても必要なお散歩の長さ、運動の強さは変わってきます。

例えば、猟犬として活躍していたビーグルや牧洋犬として活躍していたコーギーは、中型犬ですが非常に体力があり運動量が多い犬種。そして、全速力で走ることよりも長い距離を程よい速さで歩いたり走ったりする運動を好むでしょう。いっぽう同じ中型犬でも鼻ペチャのフレンチブルドッグは、歩いたり走ったりする運動はビーグルやコーギーより少なくて良いでしょう。

その分、おもちゃを投げてもらってとってきたり、ひっぱりっこをしたり、ぬいぐるみを振り回して遊ぶのを好む子もいます。ボルゾイやウィペットなどのサイトハウンドは、全速力で獲物を追いかけてきた歴史がある犬種なので、普段のお散歩だけでは「何かを追いかけて走りたい」という欲求を満たしてあげることはなかなか難しいでしょう。普段の歩く、小走りするお散歩の他に、ドッグランや専用のコースで思いっきり走らせてあげる運動を取り入れられると良いでしょう。イタリアングレイハウンドはとても小さい犬ですが、サイトハウンドとしての特性はボルゾイなどの大型犬と同じものを持っています。

このように、愛犬にとって適切なお散歩の長さは、犬種ごとにもともと持っている性質によっても違うので、犬種の特性を確認したうえで、愛犬自身の体力面、健康面、年齢、好みをしっかり考慮して判定するのが1番だと思います。

犬の散歩の長さを判定する方法

カメラに目線を向ける犬

お散歩に行ったとき、また帰宅したときの愛犬の様子を確認して、愛犬にピッタリな散歩の長さを判定しましょう。

呼吸で判定する

ひとつめは呼吸で判定する方法です。散歩から帰宅した時の愛犬の呼吸がどんな状態かで散歩の長さが適切か判断します。例えば、小型犬の散歩の時間の目安は1日1~2回、30分前後と言われていますが、30分しっかりとお散歩した後、ほどよく息が上がる程度に短い呼吸をしているとちょうど良い運動が出来たサインです。口を開けることなく、口を閉じたまま呼吸をしている場合には運動量が足りていないと考えらえます。

逆に呼吸が荒く、間隔が非常に短い場合は、運動量が多かったサインです。短距離を全速力で走った後はもちろんこのようになりますが、思いっきり走ってはいないのに疲れてしまい、過度に呼吸が乱れている場合には、運動の強さ(歩く速さ)が強すぎたのかもしれません。散歩の時間を徐々に短くしたり歩く速度をゆっくりにしたりして、適度な呼吸(軽く息が上がる程度)を保てる距離と速度を探ってあげましょう。

疲労具合で判定する

運動量が多すぎた場合、人間同様に犬も疲労を感じてしまいます。犬が疲れているときにする行動から愛犬の疲労度を確認してみましょう。

  • お散歩中に突然フセをして動かなくなる
  • お散歩中でも家に帰りたがる
  • ハアハアと呼吸が荒くなり過ぎる
  • 足がもつれる

お散歩の途中で息が荒くなるのも疲れてきているサイン。また疲労から動きたくない、お家に帰りたいなどの気持ちになることもあるようです。また、とても疲れると足がもつれることもあるかもしれません。お散歩中に上記のような行動が見られたときは、お散歩が長すぎる可能性があります。
また、お散歩が長すぎるということではないのですが、お散歩が「つまらない」「やめたい」ものであると、あくびをしたり鼻をよく舐めたり、といったことが見られるかもしれません。

満足感で判定する

犬は適切な長さの十分なお散歩を楽しめたときは、満足感から態度が落ち着き、満足げに休息します。逆に散歩が短すぎて不満がある場合は、態度にしっかり出ることもあるようです。

帰宅するため自宅の方向に向かって歩くと止まってしまう、また家の前についても自宅に入りたがらないなどは、まだまだお散歩を楽しみたいと感じているでしょう。

帰宅してからは落ち着きがなく、ウロウロとしていたり、吠えて散歩をもっと要求してくるケースもあるようです。お散歩の内容に満足していない可能性もありますが、距離や時間が足りない可能性も考えられます。散歩から帰ってきて、すぐに遊び始める、外の様子にすごく興味を持ち通行人に吠えたりあっちこっちの窓から外を観察しているような場合にも、お散歩での疲れ方が足りないと考えられます。1度お散歩を少し長くしたり、歩く速度を上げてみたり、コースを変えてみたりして様子を見てみましょう。

まとめ

赤いリードを咥えるブルドッグ

犬にとってお散歩は心身の健康にとても重要なので、適切な長さを飼い主さんが認識しておくのは、良いことだと思います。実はお散歩のさせすぎも、ストレスになってしまうので、お散歩中や帰宅した時の様子をしっかりと確認してあげましょう。お散歩は長ければ良いというものでもないので、適切な運動の量、適切な運動の強さ、適切なお散歩コースを判断して、愛犬が楽しめるお散歩を工夫してあげたいですね。

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