犬と寝るのは大丈夫?一緒に寝ることのメリットやデメリットなど

【獣医師監修】犬と寝るのは大丈夫?一緒に寝ることのメリットやデメリットなど

犬との暮らしの醍醐味の1つでもある「愛犬と寝る」こと。飼い主さんであれば、犬と寝ることは良いことなのか悪いことなのか気になったことがあるのではないでしょうか?今回は、愛犬と寝る人に関するアンケート結果と一緒に、犬と寝る時に注意すべきことや、人にもたらす影響・効果についてもお話しします。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

犬と寝る人はどのくらいいる?

皆さんは愛犬と一緒に寝ていますか?それとも別々に寝ていますか?

寒い冬などは特に、犬と一緒に布団に入りたくなる方もいらっしゃると思います。可愛いからつい一緒に寝たくなってしまいますが、「犬にストレスを与えないか心配」「病気になったりしないかな?」など、不安や疑問を持つ飼い主さんも少なくないでしょう。

そんな不安や疑問を解消するお手伝いをするために、わんちゃんホンポのユーザー様を対象に「犬と一緒に寝る」ことをテーマにしたアンケートを実施いたしました。

ほぼ全員が「夜に一緒に寝ている」と回答

犬と一緒に寝ていますか?

出典:わんちゃんホンポアンケート「犬と一緒に寝ていますか?」

「犬と一緒に寝ていますか?」という質問に対して、回答者の大部分である98%の人が「夜に愛犬と一緒に寝ている」と回答していました。

残り2%の飼い主さんは「夜は別々に寝ている」という結果でしたが、「お昼寝を一緒にすることがある」という声がありました。

そのため、夜の睡眠以外のうたた寝も含めると、回答者のほとんどが愛犬と一緒に寝た経験があるようです。

こうして見てみると、犬という動物が「家族」として、飼い主さんに寄り添いながら暮らしを営んでいるということがよく分かりますね。

アンケートからは、愛犬と寝ることが犬との暮らしでは当たり前になっていることが判明しました。そこで、犬と一緒に寝ることが、果たして人にどんな影響を与えるのかということについても、掘り下げて考えてみましょう!

犬と一緒に寝ても大丈夫?

先ほどのアンケート結果からも分かるように、犬と一緒に寝ている飼い主さんは非常に多いです。しかし、だからと言って一緒に寝ることが必ずしも良いこととは限りません。一緒に寝ることでトラブルや困ったことなどは起きないのでしょうか?

実態を知るために、まずは実際に犬を飼っている飼い主さんが回答してくれた「犬と一緒に寝て困ったことはなんですか?」というアンケートの結果を見ていきましょう。

約8割が「犬と一緒に寝て困ったことがある」と回答

犬と一緒に寝て困ったことはなんですか?

実際に愛犬と寝ているという飼い主さんによると、犬と寝ることが良いことばかりというわけではないという声があります。

アンケートの結果を見ると、犬と寝ることに関して困ったことが「ない」という人は22%で、約8割の飼い主さんが犬と寝ることに関して困ったことが「ある」と答えています。

内訳を見ると、「寝返りやトイレにいくとき、踏みつけそうになった」というケガのリスクや、「ふとんにウンチを落とされる」といった衛生面の問題。「ベッドの真ん中を占領される時がある」などから発生するしつけの面での問題が垣間見えます。

また、アンケートの回答にはなかったものの、飼い主の健康面のデメリットなども存在します。特に注意が必要なデメリットについて、詳しく見ていきましょう。

デメリット

感染症のリスク

愛犬と一緒に寝る上で、動物と暮らす上で避けては通れない「ズーノーシス(人獣共通感染症)」への感染については特に注意が必要です。また、愛犬の便や尿が布団に付着することで、飼い主さんの健康に害を及ぼすリスクもあります。

愛犬の寄生虫予防ができていない時や、皮膚糸状菌症などを始めとする感染症の治療時には、愛犬から人に病気がうつってしまう可能性もゼロではありません。

出典:東京都動物愛護相談センター「人と動物との共通感染症一覧」

獣医師
木下 明紀子

専門家からのコメント

犬と一緒に寝ることは、ノミとダニの駆除を定期的にきちんと行っていることが大前提となるでしょう。ノミやダニの寄生そのものが犬と人の共通感染症であるだけではなく、ノミやダニが媒介する共通感染症もあるからです。

また、犬や猫の口の常在菌であるパスツレラ菌によるパスツレラ症も気を付けておきたい人獣共通感染症です。就寝中や起きぬけに犬に顔や口元をなめられて発症した例が報告されています。

どんな人獣感染症についても、免疫力が弱い人では健康な人よりも危険性は高まりますので、幼児や体力の落ちているお年寄り、闘病中の方、病気から回復して間もない方などは、犬と一緒に寝ることは避けるのが無難だと思われます。

犬アレルギーが悪化・発現するリスク

また、起床時に愛犬から舐めて起こされたり、愛犬のフケが布団の中に落ちることで、アンケート結果にもあった「犬アレルギーが悪化」または「発現」する可能性も考えておかなければいけません。

獣医師
木下 明紀子

専門家からのコメント

犬アレルギーはあるけど一緒に寝ることができる程度の症状だ、一緒に寝たい、という場合には、犬に服を着せて寝具につく毛やフケを出来るだけ少なくすると良いかもしれません。寝具には洗える物を選び、こまめに洗濯をしましょう。

特に短毛種の毛は洗濯だけでは落ちづらいので、洗濯前に粘着テープや毛取りグッズを使った掃除をすることもおすすめです。また、空気清浄機を使用するのも良いと思います。

毛が抜け落ちにくい種類の犬では症状が出ない、という犬アレルギーの方もいるようですが、飼っている犬が原因で出るアレルギー症状をできるだけ抑えるためには、犬のシャンプーやブラッシングを定期的にして、家の中に落ちる毛やフケを出来るだけ減らしましょう。

また、犬の皮膚の健康を保つことでも落ちる毛やフケを減らすことができます。犬に皮膚病がある場合にはその治療ももちろんのこと、犬の皮膚の保湿にも気を使うと良いと思います。

しつけの面での悪影響

愛犬から「飼い主さんのことが好きだから信頼している!」「ついていこう!」と思われていない場合、飼い主さんと愛犬の立場が逆転して、愛犬のわがままが睡眠時に助長してしまうケースがあります。そうなれば、しつけの面では悪影響ですよね。

回答者
犬が好きな場所に移動するから、飼い主の寝る場所がないときがある。
毛布の上に寝られると、毛布が使えなくなるので寒い。

このように愛犬がベッドの上で好き勝手に行動することで、飼い主の睡眠が阻害されるケースもあります。ちゃんとしつけをしておらず、犬がベッドを自身のテリトリーだと思ってしまうと、「飼い主さんは自分の言うことを聞いてくれる人!」という間違った認識を持ちかねません。

犬と寝ることによるプラス効果

ここまでマイナスな面を中心に取り上げてきましたが、アンケート結果では、約2割の飼い主さんが犬と寝ることに関して「特に困ったことはない」と回答していました。つまり、愛犬と一緒に眠るデメリットを特に感じず、むしろ良い面しかないと思っている飼い主さんもたくさんいるということです。

では、具体的には、どのような良い効果があるのでしょうか?まず、「犬と一緒に寝て良かったと思うことはなんですか?」というアンケートの結果から見ていきましょう。

多くの飼い主が「自身の幸せや安らぎにつながる」と回答

犬と一緒に寝ていて良かったと思うことはなんですか?

愛犬と寝ることを選んだ飼い主さんの多くは、幸せや安らぎを得るために一緒に寝ているという事実がアンケートからは読み取れますね。

アンケート回答者の多くは、

  • 温もりが感じられる
  • 一緒に寝ると自分が安心出来る
  • 心が穏やかになり安心した気持ちになりよく眠れる

など、犬がそばにいるだけで精神的に落ち着くという理由から、一緒に寝ているようでした。

また、

回答者
一緒に寝るようになる前よりも、スキンシップが取れるようになった。

など、少数意見ではありましたが、スキンシップが増えて愛犬とのコミュニケーション時間が増えたことを喜んでいる回答もありました。

一緒に寝るとリラックスできる理由

麻布大学などの研究では、愛犬と飼い主が目を合わせて見つめ合うことで、オキシトシンと呼ばれる癒し・リラックスのホルモンが互いに分泌されるという結果も出ています。

また、あるアメリカの調査では、女性にとっては人のパートナーや猫と眠るよりも、犬と寝る方がよく眠れるというおもしろい結果も出ています。

愛犬と一緒の空間で寝ることで、お互いに見つめ合う時間が増えることになるため、人は意識せずとも愛犬の傍で過ごすという選択肢を持つのかもしれませんね。

出典:NHK「なぜ犬は人の心を癒やすのか?最新科学が解き明かす4つのキーワード」

出典:Newsweek日本版「女性のベッドのお供は......人間ではなく犬がベスト!?」

緊急時の対応がしやすい

そして、病気を持つ愛犬や、老犬になって健康状態を不安視する飼い主さんの中には、「愛犬に何かあればすぐに対応できる」といった理由から、一緒に寝ている人もいるようです。

自分自身が眠っている場合でも、愛犬の異常・変化に素早く気づくには、同じ室内で、なおかつ近くで眠っている方が気づきやすいというメリットはあります。

犬と寝るときに気をつけること

愛犬と一緒に寝ている飼い主さん、もしくはこれから一緒に寝ようと思っている飼い主さんは、以下のことに気をつけてみましょう。

しつけ

注意を受けているダックスフンド

まずは普段の絆づくりがおろそかになっていないかを確認してみましょう。

愛犬がボスだと感じ、自分でルールを決めて行動しているようであれば、時には威嚇や噛むといったいわゆる問題行動に繋がる可能性があります。

飼い主さんとベッドや布団を共有した時に、「ここは僕の場所だぞ!」と飼い主さんの寝る場所に不満を表したり、自分がその場所の中心的存在にならないよう、いつもの暮らしからルール作りを行ってください。

信頼関係が築けていれば、愛犬と一緒に寝ることになったとしても、立場が逆転したり、愛犬から攻撃を受けるといったマイナスな面はほとんど現れません。

愛犬とトラブルになる場合は?

もしも寝る場所について愛犬とトラブルになっている家族がいる場合、その人と犬は寝る時間だけではなく、いつもの暮らしの中できちんとした信頼関係が築けていない可能性が高いです。

その場合には、愛犬と寝ることは一旦置いておき、愛犬から信頼される飼い主さん家族になることを優先してください。「この人に言われたことは守らなければいけない」という基本ルールを愛犬が理解し、実行できるようになることが先決です。

布団

お昼ねしているプードル

愛犬と布団を共にする時には、愛犬にも飼い主さんにも健康上のトラブルが起きないように注意が必要です。

布団を綺麗に保ち、ダニの繁殖を防ぐ工夫をしておきましょう。アレルギーなど免疫系の病気・体質を持っている人にとっては、本来は愛犬と布団を別にしておく方が理想的です。

同時に、愛犬にアトピーがある場合には、環境中のアレルゲンに反応して痒みが増してしまうこともあるため、布団を清潔に保っておくことはとても重要です。

そして、寝る場所に十分なスペースがない時には、飼い主さん・愛犬どちらにとっても、お互いの動きや寝方によって睡眠を妨害してしまう可能性があります。そのため、飼い主さんと愛犬の体格に合わせて、布団のスペースは余裕がある広さを準備しておきましょう。

他にも、飼い主さんの匂いがついたものをかじってしまう癖がある子は、毛布やブランケットの一部を誤食してしまうことによって、消化管閉塞などを起こすリスクを考えておかなければいけません。

柔らかい素材とは言え、愛犬の体格によっては少量でも問題になることもあるため、そういったいたずら癖がある子は布団を分けて眠りましょう。

  • 毛が取りやすく洗濯しやすい素材を選ぶ
  • こまめにシーツを洗う、布団専用掃除機をかける習慣を作る
  • 犬と飼い主さんどちらにとっても十分なスペースを作る

衛生面

シンクで洗われている柴犬

布団以外でも、感染症対策の視点から、衛生面に関して守っておきたい約束があります。

飼い主さんがお風呂に入って体を清潔に保つのと同じように、愛犬自身の体から汚れを落とすこともとても大切です。

お散歩後など、愛犬の足裏を含めた体の一部に汚れがついた時には洗う習慣を持ち、少なくとも月1回は全身のトリミング・グルーミングを行いましょう。

愛犬の体を清潔に保つことは、布団を衛生的に保つだけでなく、愛犬の皮膚の状態を健康に保つことにつながります。

また、寄生虫予防は獣医師から処方された駆虫薬を使い、愛犬を介してノミが室内に繁殖したり、お腹の中に住みつく消化管寄生虫を予防しておいてください。

特にノミは吸血後の産卵・繁殖も素早く、布製品の中でどんどん増え続けてしまいます。そして、犬だけでなく人の体にも強烈な痒みをもたらし、寄生虫の原因にもなります。

最近では空調設備の充実から、冬の寒い時期でも室内では繁殖行動を続けるノミもたくさんいるため、年中注意が必要だと言えるでしょう。

  • 愛犬のシャンプーを定期的に行う
  • 愛犬の予防をきちんと行う
  • 愛犬がズーノーシス(人獣共通感染症)にかかった時にはベッドを別にする
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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    50代以上 女性 匿名

    私も愛犬と毎日寝てます。
    初めは衛生面が心配だったのですがシーツと布団カバーを毎日洗う事にしてます。
    ちょっと面倒だと思う事もありますが一緒に寝れるならそれくらい我慢です。
    寝る派、寝ない派、人それぞれだと思います。
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