犬は多くの睡眠時間が必要
愛犬と暮らしていると、犬は寝ていることが多いことに気づくと思います。それもそのはず。成犬の1日の平均睡眠時間は、およそ12~15時間と言われています。子犬や老犬ならば、1日に平均18~19時間も寝ているといいます。犬は、1日の大半を寝て過ごしているのです。
とはいえ、犬の睡眠時間の8割は浅い眠りのレム睡眠で、深い眠りのノンレム睡眠はたったの2割です。睡眠時間のほとんどがレム睡眠であるため、多くの睡眠時間が必要になります。
犬も人と同じように、睡眠不足は心身に悪影響を与えます。睡眠不足によって免疫力が低下し、病気になりやすくなることも。ですから、愛犬が眠いときには、ゆっくり休ませたあげたいものです。そのためには、犬の『眠たいサイン』と知っておくことも大切ではないでしょうか。そこで今回は、犬が見せる『眠たいサイン』をご紹介していきたいと思います。
犬が見せる『眠たいサイン』①あくびをする
私たち人間は、眠いときに生理的な反応としてあくびが出ます。これは犬も同じです。散歩のあとや遊んだあとに、愛犬がボーッとしながらあくびをしたときは、眠たいサインでしょう。
愛犬を叱っているときにあくびをすることがありますが、これは眠いからではありません。犬のあくびはカーミング・シグナル(自分や相手の気持ちを落ち着かせるためのしぐさや行動)のひとつであり、不安や緊張を感じたときにあくびをします。叱られているときにあくびをするのは、飼い主さんを落ち着かせるためなのです。
生理的な反応のあくびなのか、カーミング・シグナルのあくびなのかは、愛犬の置かれた状況から判断しましょう。
犬が見せる『眠たいサイン』②前足をなめる
犬は、不安や緊張を感じたとき、寂しいときなどに自分の前足をなめて、気持ちを落ち着かせようとすることがあります。また、退屈しのぎや眠る前の習慣として前足をなめることもあります。眠たくなると、前足や肉球をペロペロなめる犬は少なくないようです。わが家の愛犬もよく、うっとりと気持ちよさそうに前足をなめてから眠ります。
もし、前足をずっとなめて続けている場合は、ストレスが原因の常同障害(必要以上に同じ行動をとり続ける心の病気)や皮膚の病気などが疑われます。早めに動物病院を受診しましょう。
犬が見せる『眠たいサイン』③ため息をつく
飼い主さんにかまってもらえないときなどに、犬は「ふーっ」とため息をついて不満を表すことがあります。反対に、満足しているときにもため息をつきます。例えば、散歩から帰り、ゴハンも食べてお腹いっぱいというときに寝そべってつくため息は、満足の表れです。「運動はしたし、お腹もいっぱいだし、あとは寝るだけ」と、寝る準備万端の状態なのでしょう。
犬が見せる『眠たいサイン』④鼻が乾く
犬の鼻をよく見てみると、小さな溝がたくさんあります。この溝は「鼻鏡」と呼ばれ、この鼻鏡を湿らすことによって、においの分子が吸着しやすくなります。鼻鏡を湿らせているのは、鼻とつながっている外側鼻腺や涙腺から出る分泌物です。
この分泌物は、活動しているときは分泌量が増え、眠っているときやリラックスしているときは分泌量が減ります。そのため、眠いときや睡眠中、寝起きは鼻が乾いていることが多いです。
犬が見せる『眠たいサイン』⑤穴を掘る動作をする
野生時代の犬は、地面を掘ってくぼみを作り、その上をくるくる回って踏み固めて、そこを寝床にしていました。その行動の名残として今も、寝る前や眠いときにベッドやマットなどをカリカリ掘る動作をします。
寝る前や眠いときの掘る動作は犬の習性なので、愛犬用のベッドやマットなどは好きなだけ掘らせてあげたいですが、カリカリやっているうちに擦り切れて、中から出た綿を食べないように注意しましょう。ベッドやマットがボロボロになってきたら、早めに新しいものに交換を。
まとめ
犬は浅い眠りのレム睡眠の割合が多く、人間よりも多くの睡眠時間を必要とします。そして、眠たいときはあくびをはじめ、その他にもさまざまなサインを見せます。愛犬の『眠たいサイン』に気づいたら、かまいたくてもグッとこらえて、そっとしておいてあげましょう。それが愛犬の安眠、そして心身の健康へとつながります。
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20代 男性 匿名