犬のしつけに関する昔と今の違い3つ

犬のしつけに関する昔と今の違い3つ

日本ではこの20年程で犬との関わり方が大きく変わってきています。その存在が“番犬”から“家族”へと変化する中で、犬のしつけについても今と昔では大きな違いがあるのです。

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①叱るしつけと褒めるしつけ

トレーニング中のシェパード

犬のしつけをする中で大きなポイントとなるのが、犬に何かを教えるときに叱るか褒めるかということ。“叱るしつけ”や“褒めるしつけ”などと呼ばれ、愛犬家向けの本や雑誌などでもよく扱われる問題ですが、昔は基本的に叱るしつけが主流となっていました。叱るしつけは犬が正しくないまたは望ましくない行動をしたときに叱ることで「その行動をやめなさい」と伝える方法です。褒めるしつけは正しい行動または望ましい行動をしたときに褒めることで「その行動は正しい」と伝える方法となります。

昔はしつけの中で犬を褒めることがあまりありませんでした。叱られないことが褒められているのと同じ意味を持ち、叱られないために正しい行動をするようになっていくのです。確かに犬のしつけの中で叱ることが必要な場面はあり、それは今でも変わりありません。今は叱るしつけが悪で褒めるしつけが善と考えられることもありますが、実は今も昔もどちらの方法も必要なのです。ただし、昔は叱り方が犬に対して苦痛を与える体罰であったことが問題だったので、今は犬に身体的苦痛を与えずに正しく伝わる叱り方をすることが大切だと考えられています

②強制訓練と考えさせるしつけ

クリッカートレーニング中の犬

上述したように昔は犬の正しくない行動を叱ることで矯正を行ってきました。また、そのしつけは人間の都合を一方的に押し付ける強制的な訓練でもありました。犬の気持ちやタイミングを考えず、人間側が指示したタイミングで指示した通りのことが的確にできなければ罰を与える強制訓練は確かに素晴らしい効果を見せることがあります。強制訓練でしつけられた犬は訓練を行った相手(主に訓練士)の前ではキビキビとした動きを見せ、完璧な振る舞いをします。

しかし、犬は家族と言われる今の日本ではそのような強制訓練はあまり受け入れられなくなってきました。今では問題行動を起こす犬に対しても「なぜそのようなことをするのか」という理由や気持ちを考え、目先の行動だけでなく根本的な行動改善を目指すことが一般的になってきました。そしてそのしつけの中では体を抑えつけたり痛みを与えて動きを強制するのではなく、「何をすれば褒められるのか」「何をすればいいことが起こるのか」ということを犬に考えさせるような手法も取り入れられています。強制訓練に比べ、犬自身が考えることで行動が定着しやすいとも言われています。

③主従関係から共生関係へ

アジリティをしている犬と女性

叱るしつけや強制訓練の根底には、犬と人間の主従関係が強く関係しています。昔は犬のしつけを行うためには、犬と人間が強い主従関係を築くことが大切だとされるリーダーシップ論が広く説かれていました。それは犬の祖先と深く関わりのあるオオカミの群れには圧倒的なリーダーがおりそのリーダーの存在によって群れがまとまっているため、それに倣って人間(飼い主や訓練士)がリーダーになって犬を従わせることが有効だと考えられたのです。

しかし今では犬は家族であってただ従わせるものではないとの考えが広まってきています。そもそも種族の違う人間が犬に似た行動をしてまでリーダーとして君臨することに無理があるのではないかと疑問視されています。もちろん犬にとって飼い主が頼れる存在であることは大切ですが、どちらかといえば信頼関係で結ばれる家族やパートナー、友人のような存在であるべきだと考えられています。

まとめ

見上げているJRTのパピー

犬を取り巻く環境は時代と共に変わってきており、しつけの方法や考え方もそれに合わせて変化してきています。今では否定されることもある叱るしつけや強制訓練ですが、それは必ずしも悪いことばかりではなく、即効性があったり効果が見えやすいなどというメリットもあるのです。そのため、犬のしつけについてはどれかひとつの方法だけにこだわる必要はなく、その犬の気質や環境・状況などに合わせて「何が最も効果的か」「どうすれば犬に伝わるか」ということを考えて最善の選択をすることが大切なのだと思います。ちなみに「その方法がわからないんだー!!」と悩んでいる飼い主さんは、ドッグトレーナーなどの専門家に相談するといいアドバイスがもらえると思うのでおすすめです。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    20代 男性 匿名

    今と昔ではだいぶ躾方が違ってきています。体罰は犬に恐怖を与えるので絶対にダメです、過去に自分もやってしまいました。躾方はひとつではありません。たくさんの躾法を試して一番効果的で尚且つ恐怖やストレスのない躾法を行ってきいましょう
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