ティーカッププードルの特徴
日本ではティーカッププードルというのは正確な犬種ではありません。
ジャパン・ケネルクラブではティーカッププードル、タイニープードル、トイプードルを合わせてトイプードルに分類しています。
以下が一般的に呼称されている「サイズ」として分類です。
- スタンダードプードル
- ミディアムプードル
- ミニチュアプードル
- トイプードル
- タイニープードル
- ティーカッププードル
もともとプードルはフランス生まれの犬種で、大型のスタンダードプードルだけでした。そのプードルがアメリカに渡り、小型遺伝子を持つプードルが交配をして長い年数をかけて小型のトイプードルが生まれました。さらに極小のトイプードル同士を交配させていき、 ティーカップにも入れそうな小さい「ティーカッププードル」 が生まれました。
ティーカッププードルは極小の血統を受け継いでいて、小さいからと言っても短命であるということはありません。 寿命は14~15年くらい で、普通の超小型犬とほとんど同じです。ところが、ティーカッププードルは短命であるとか体が弱いという風に言われることが多いのは、身体的に欠陥があって体が小さくなってしまったトイプードルをティーカッププードルとして流通することがあるからです。
ティーカッププードルの価格を調べてみると、その高さに驚くことがありますが、それには理由があります。ティーカッププードルは出産自体が難しく、数が非常に少なくなります。出産をしても、1~3匹しか生むことができません。 また無事に出産を終えても、母犬の母乳の量が少ないことが多く、育児の手間がかかります。
絶対数が少なく、飼い主のもとに渡るまでの手間がかかりすぎるということで、どうしても高価になってしまう傾向があるのです。
ティーカッププードルの性格
プードルはもともと狩猟の場で活躍していた犬ですので、学習能力が高く聡明であるという特徴があります。また飼い主にとても従順で、飼い主の人間に対して嫌なことをするということは、ほとんどありません。その性格は小さなティーカッププードルも同じで、賢く飼い主に従順であるという特徴はしっかりと受け継いでいます。
他のプードルに比べると飼い主に対する依存心が強くなり、神経質になる傾向がありますが、甘え上手で人間の子どもと遊ぶことも大好きなので、とても飼いやすい犬です。プードルはメスのほうがおとなしくて飼いやすいと言われることもありますが、これも個体によって差があります。一概にオスとメスのどちらが飼いやすいかということは言えないことが多いです。
ティーカッププードルの選び方
ティーカッププードルは、成長しても小さいままであるという特徴があるのですが、子犬の時にたまたま他のトイプードルより小さいからということで、ティーカッププードルとして販売されることも少なくありません。ペットショップやブリーダーで選ぶときには細心の注意が必要になります。
非常に数が少ないティーカッププードルですが、なるべくたくさんの犬たちを見て、選ぶことが大切です。ティーカッププードルとして販売されている子犬たちの中には、健康状態が良くなくて小さくなってしまっている場合があります。また、たまたま子犬の時だけサイズが小さいために、ティーカッププードルとして販売されていることもないとは言えません。
そういう場合は、成長したら普通のトイプードルの大きさになってしまい、こんなはずではなかったということになってしまいます。そういうことがないように、なるべく両親犬の大きさを確認するようにしましょう。本当のティーカッププードルであれば、両親犬も極小サイズであるはずです。
プードルは毛色によって性格が違うと言われることがありますが、個体差によりますので、参考程度に考えておくようにすれば良いでしょう。ちなみに、一番好まれるレッドのプードルは明るい性格の犬が多いと言われています。また毛色で選んだ場合、成長過程で毛の色が退色してしまう場合がありますので、注意が必要です。
ティーカッププードルを選ぶ際には、必ず歩いている姿を確認する必要があります。しっぽをピンと立てて、しっかり歩いていることを確認しておきましょう。
ティーカッププードルを飼うときの注意点
ティーカッププードルは、攻撃的な性格ではなく人間にしても慣れやすく、子どもと遊ぶのも大好きで、とても飼いやすい犬種です。頭が良いのでしつけにも、それほど気を使う必要がありません。無駄吠えすることもほとんどなく、鳴き声も大きくありません。
気をつけなくてはならないことは、その体の小ささのために少食であるということです。食餌の量も少なく、同じものを与えていると飽きやすい傾向にあります。噛む力も弱く、神経質で人が見ていると食べない犬もいます。犬が食べられる量を少しずつ与えていくようにしましょう。飼うときの注意点は、他にはその小ささゆえのことが多いです。
子犬のときはやんちゃで部屋中を走り回ることがありますが、小さすぎるために、どこにいるのか気がつかないことがあります。近くにいたのに気がつかずに、踏んでしまったり蹴ってしまったりすることがないように注意しなければなりません。抱っこしたときに飛び降りたりすると、大怪我につながってしまいますので、気をつけてあげましょう。
できれば 慣れた人以外には抱っこを遠慮してもらうのが無難 です。
やんちゃで人懐っこいのですが、放っておかれることが多くなるとスネてしまうことがありますので、適度に遊んであげるようにしましょう。また叱られ続けることがあると、悪い記憶だけが残ってしまい飼い主に懐かなくなることもありますので、叱るときは短く叱り、後は遊んであげたり抱きしめてあげたりするようにしましょう。
ティーカッププードルに限らず、過ぎたことを叱られ続けても、犬にはなぜ飼い主が怒っているのか理解できず、飼い主が怖いという記憶が残ってしまうことがありますので、叱り方にも注意が必要です。
ティーカッププードルがかかりやすい病気とは?
プードルがかかりやすい病気、注意しなければならない病気はたくさんあります。
体がぐったりしてしまう低血糖症、てんかんなどとともに、白内障などの眼の病気も多いです。軟骨形成不全という病気は、あまり聞き慣れませんが、軟骨が石灰化してしまい、足が異常に短くなってしまう病気です。クッシング症候群にも注意です。耳が垂れているので外耳炎にも注意しなければなりません。皮膚病も多いです。
プードルは比較的、病気になり難い犬種であるとも言われますが、ティーカッププードルは小さいので、骨なども弱い傾向がありますので、怪我にも注意する必要があります。
最後に
ティーカッププードルは正式な犬種とは認められていませんが、健康で寿命も14~15年のティーカッププードルは実際に存在します。しかしながら、残念なことに日本でティーカッププードルとして販売されている犬のほとんどは、生後2ヶ月ぐらいの小柄なトイプードルの子犬です。
実際のティーカッププードルは成長したからと言っても、急激に大きくなってしまうことはありません。また、あって欲しくはないのですが、健康上、問題のあるトイプードルが大きくなりきれずに小さいということで、ティーカッププードルとして販売されていることもあります。
なかなか判断は難しいのですが、ティーカッププードルを探す場合は、信頼できるブリーダーから、きちんと子犬の様子を見て、両親犬も確認した上で選ぶようにすれば良いでしょう。
非常に数が少ないティーカッププードルですが、とても可愛くて愛嬌があるので、可愛がってもらえる人のもとで、一匹でも幸せに暮らして欲しいものです。
ユーザーのコメント
50代以上 女性 ろちゃん
でも、きちんとした血統の健康な子は、たとえ犬種として認められていなくても、ほかの犬と何の違いもないことがわかり、見かたが変わりました。記事にあるようにかかりやすい病気や小さいがゆえの怪我などに注意してきちんと飼ってあげたいですね。
30代 女性 Chappy
え?本物のワンちゃんだよね?と二度見してしまうほど小さいワンちゃんもいます。
ティーカッププードルを見かけた時は、ほとんどの子が可愛らしい洋服を着ているんです♪
それを見ると、本当にぬいぐるみが歩いているようにしか見えないくらい可愛らしいですよ♪
40代 女性 TIKI
それだけ、頭数が少ない貴重な犬種なのだと思います。今まで、超小型犬というイメージが強く、短命だと思っていましたが、平均寿命が14~15歳なのだと知ってビックリしました。そして、純粋なティーカッププードルかどうか見極めて買うという事も必要だと思いました。
女性 白川
小さく生まれるため、母犬の元に長く置く必要があります。生後3か月以上きちんと母犬の元に置いた方が健康な子が多く安心です。
なかには、小さいほど高く売れるため、食事制限をしてまで成長を遅らせるブリーダーも存在します。写真だけでは判断がつかないため、ティーカッププードルを迎えたいと思ったら、その子犬に一度は会いに行き確認した方が良いと思います。その時に環境や母犬も見ておくといいですね。
ダックスにも多いですが、小さいと思って迎え入れたら段々成長し大きくなってしまった、なんてこともあり得る犬種です。ですが健康であることが第一だと思います。予想したより大きく育っても大事にしてあげてください。
30代 女性 うの
ブリダーから直で買いました。
父親1.6k 母親1.8kで うちの子は1.48kです。
メス犬は母親より大きくなる事がないらしくメスを飼いました。
タイニーになるかな…と思っていたのですが父親が小さかったからか うちの子も小いさい子になりました。内に来た時は二ヶ月で480gだったのですが大変な事に餌を食べてくれず低血糖症になり すぐガムシロップを口に注入 その場は元気になるのですが すぐへろへろになってしまい来た次の日から一週間動物病院に入院しました。小さくて可愛いのですが低血糖症になるというリスクがあるので心配ですよね。
ブリダーさん曰く1.2kを超えると低血糖症にならないと言ってました。
2017年今年の9月で7歳になりますが元気元気に育っています。