犬の「老眼」症状3つ 飼い主ができるケアとは

犬の「老眼」症状3つ 飼い主ができるケアとは

犬も歳をとると人間と同じように、体の色々な場所に老化現象が起きてきます。高齢犬になると犬も「老眼」になるのでしょうか?この記事では犬の「老眼」の症状や、飼い主さんが出来るケアをご紹介したいと思います。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

犬の視力について

犬の目もとのアップ

犬の目から見た世界を想像したことはありますか?犬はもともと近視で視力自体は0.2~0.3程度、焦点が合わせることが苦手で、いつも世界はボンヤリと見えています。視力が低い代わりに視野が非常に広く、人間の視野が180度なのに対し犬の視野は270度ととても広い範囲を見渡すことが出来るのです。視力が低くても、その他の優れた嗅覚や聴覚があるため、生きていくのに問題はないようです。

犬はもともと焦点を合わせるのが苦手な生き物。人間の老眼というと、まずは至近距離の小さな文字が読みづらく焦点を合わせられなくなりますよね。この人間と同じ症状の「老眼」というものは犬にはないようですが、老化による視力の低下や老犬に良く見られる目の病気もあります。

これらが犬独特の「老眼」というものだと思います。症状としては物にぶつかったり、段差でつまづくなど今までは見られなかった行動をとることがあります。

犬の「老眼」症状3つ

物にぶつかる

視力低下により見えづらくなっているので、物にぶつかることが増えるかもしれません。ちょとした段差につまづきやすくなることもあります。しかし、上記にも書いたように、犬には優れた嗅覚と聴覚があり、これらが視力低下をサポートするように働いてくれます。

住み慣れた家の中だと嗅覚と聴覚のおかげで、いつも通りの生活をできる場面が多いので、愛犬の視力の低下に飼い主さんが気付けないこともあります。室内を模様替えした時や、初めてのお散歩コースでぶつかったり、つまづいたりした時は視力の低下を疑ってみましょう。

遊ばなくなる

もともと犬は歳を重ね老犬になると、遊びに対する興味が薄れ、あまり遊ばなくなると言われています。視力が低下することでお気に入りだったオモチャにも興味を示さなくなります。

飼い主さんと一緒に遊んでいた、ボールでの持ってこい遊びや、ロープの先にボールがついているようなオモチャで動きをつけて遊びに誘っても、あまり見えていないので興味を持てないようです。

見えづらい不安から性格に変化が出る

目が少しずつ見えづらくなるのって凄く怖いですよね。犬も人間と同じく老化による体の変化に不安を感じているようです。視力の低下により気が強く元気だったワンちゃんが、臆病になってしまうなど性格に変化が出てきます。

  • 以前よりも飼い主さんを頼りにする
  • 恐怖心から攻撃的な性格になる
  • 不安感から無駄吠えがふえる

もちろん病気が隠れている場合もありますがどれも恐怖心や不安感から出てくる性格の変化になります。飼い主さんは家族として優しくケアをしてあげなくてはいけませんね。

老眼の愛犬に飼い主ができるケア

老犬と老夫婦

散歩の時は飼い主さんがリードする

視力が低下しあまり景色が見えていない老犬のお散歩は、飼い主さんのサポートが重要になります。暗い時間帯よりも明るい時間帯のほうが視界が良くなるので、できるだけ日中にお散歩をすませてあげましょう。リードを短めに持ちゆっくりと歩き、前方に障害物がないか、危険な物が落ちていないかしっかり確認しながらお散歩をしてあげて下さい。

室内の障害物に気をつける

視力が低下すると、どうしても物にぶつかったり、つまづいたりすることが増えてきます。住み慣れた室内であれば、家具の配置換えなどはあまりしないほうが良いでしょう。今まで何もなかった場所に家具が配置されると認識できずにぶつかってしまう可能性が高いです。

どうしても必要な家具は角に衝突防止クッションなどつけて、万が一ぶつかってしまっても怪我をしないような工夫をしておきましょう。また視力が低下した愛犬が少しでも自由に快適に日々を過ごせるよう、不要なインテリアを撤去してしまうのもお勧めです。

安心させる

視力が低下してしまった犬は不安と恐怖心でいっぱいです。少しでも安心できる空間や接し方を心がけましょう。可能な限り一緒に過ごす時間を増やし、優しく撫でたり寄り添って声をかけたりして安心させてあげてください。

どうしてもお留守番が必要になる時もあると思います。お留守番の時は飼い主さんの匂いがついているタオルや、不要になったTシャツなどを愛犬のそばに置いておくだけでも少し安心してくれます。

びっくりさせない

見えづらくなっていることによって、今どこに誰がいるのかの確認が出来づらくなっています。急に大きな物音をたてる、何の前触れもなく撫でるなどすると犬は非常に驚きます。場合によっては驚いたことと、恐怖心で噛まれてしまう危険性もあるほどです。犬自身に対してもストレスをかけてしまいますので触れる時には、声をかけて飼い主さんがそばに居ることを気づかせてから触れましょう。

まとめ

目薬をさしてもらっているパグ

愛犬の老眼などの老化現象を目の当りにすると、少し切ない気持ちになってしまいますよね。でも老犬には老犬の可愛らしさがあって、愛しい気持ちに変化はない飼い主さんがほとんどだと思います。少しでも快適に、優しい時間が長く続くようケアしていきましょう。

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