犬の尻尾が急に上がらなくなった!なぜ?
散歩が楽しくて尻尾を高く上げる、飼い主に撫でられて嬉しくて尻尾をブンブンと振る、犬の感情を表す尻尾は、飼い主にとって愛しいものです。
そんな尻尾が急に動かなくなったらどうでしょう。現に、犬の尻尾が上がらなくなったり、力なく垂れたままになったりすることがあります。ここでは、その原因についてご紹介します。
犬の尻尾が上がらないときは身体的な原因があるかも
外傷を負っている
犬の尻尾は、小さな骨が繋がってできているため、滑らかに動きます。尻尾は犬にとってよく動かす部分であり、ブンブンと振ったり追いかけて噛んだりと、意外に負担が大きいもの。また、飼い主さんが扉に挟んでしまったり、踏んでしまったりするケースもよくあります。
そのように負担がかかりがちな尻尾は、関節が多いので脱臼しやすく、骨が小さいため骨折もしやすい部分です。気づかないうちに発症したそのような外傷による痛みや違和感で、尻尾を動かすことができないということが、犬の尻尾が上がらない理由のひとつとして考えられます。小さい子供が尻尾を引っ張ることでも起こるので、気をつけましょう。
また、皮膚炎による痒みや痛みが原因となることもあります。
病気になっている
尻尾に起こる病気により、尻尾が上がらない場合もあります。
代表的なものとしては、「馬尾症候群」が挙げられます。
犬の尻尾付け根部分には、馬尾と呼ばれる神経の集まりがあります。この神経の集まりや周りの血管が圧迫され異常が生じることを馬尾症候群と呼び、どの神経に障害があるかにもよりますが患部の痛みや下半身の神経異常など深刻な症状が見られ、そのために尻尾が上がらなくなることがあります。ケアや治療が必要となる病気です。
馬尾症候群の他には、ヘルニアの場合もあります。
肛門腺の分泌液が溜まりすぎている
肛門腺絞りは犬のケアとして定期的に必要となるものです。個体によっては、分泌液が溜まりやすい子や溜まりにくい子、自分で排出できる子など、差があります。
この肛門腺から出る分泌液は、肛門内部の肛門嚢という袋に溜まっていきます。これが溜まりすぎて気持ち悪いとき、又はそこに炎症を起こしているときには、違和感や痛みにより尻尾を上げなくなることがあります。
炎症を起こしている場合は肛門嚢炎と呼ばれ、治療が必要。また、肛門腺の分泌液が溜まり過ぎると、肛門嚢が破裂することもあるため、ケアを怠らないようにしましょう。
肛門周りの炎症
肛門周りはデリケートな部分。犬がお尻を地面にこすりつけたり、舐めたり、飼い主がウェットシートやティッシュで拭いたりすることにより、炎症を起こしてしまうことがあります。その痛みや違和感により、尻尾を上げてお尻を見せるのを嫌がることがあります。病院で薬を処方してもらえば、炎症はおさまります。
精神的な原因でも犬の尻尾が上がらないときもある
犬の尻尾は感情を表します。嬉しいときや興奮したとき、好戦的なときには尻尾を高く上げブンブン振ったりしますが、恐怖を感じたときには尻尾を下げ、脚の間に巻き込んでしまいます。精神的要因で尻尾を上げない場合は、何かに対して恐怖を感じたり、ストレスを感じたりしているものだと考えられます。
この場合は、元となる要因を取り除くことが必須。些細な変化でも犬にとっては不安要素となることがあるので、何か環境の変化はなかったか検証しましょう。
我が家の愛犬も尻尾が上がらず
我が家の愛犬は2歳、大型犬。昨夜まで上がっていた尻尾が、翌日急に上がらなくなりました。元気は有り余っているものの、散歩中も遊び中もだらんと下がったまま。
心配になり、すぐに病院に連れていったところ、少しだけお尻が赤く炎症を起こしているので、それが気になって尻尾を上げないのではないかとのこと。
炎症どめの飲み薬を頂き飲ませると、2,3日後には完治しました。炎症自体は大したものではなかったのですが、些細なことでも犬にとっては大事なのだと感じました。
最後に
犬の尻尾が上がらない原因についてご紹介しました。違和感がある、痛みがあるなど、自分の身体や環境がいつもと違うということは、犬にとってかなり気になる要素となるようです。
骨折や脱臼の場合は、なるべく尻尾を動かさないように安静が必要ですし、病の場合は重症であることがあるので、気が付いたときには医師に相談しましょう。