犬の心拍数が多い?呼吸が早い原因と考えられる病気とは

【獣医師監修】犬の心拍数が多い?呼吸が早い原因と考えられる病気とは

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犬の心拍数がいつもと違うと感じる時、飼い主はどう行動すればよいのでしょうか。激しい運動などにより心拍数が増加することもありますが、当てはまらない場合には何らかの病気の可能性があるかもしれません。今回は、犬の心拍数の正常値や計り方とともに、心配される病気について解説します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

犬の心拍数

診察を受ける犬

犬の心拍数の正常値

心拍数とは、1分間にどれだけ心臓が動くかをあらわす言葉です。犬の心拍数の数値には個体差があるため、あくまでも目安となりますが、成犬の小型犬であれば平均して60~80回、大型犬は小型犬に比べて少ない40~50回程度が正常値のようです。子犬の場合は成犬の倍程度が正常値で、220回以下であれば問題ないと考えられています。

犬の健康管理のためには血圧、体温とともに心拍数や呼吸数など、普段の数値を知っておくことが大切です。心拍数や呼吸数が普段より早い、遅い、いつもと様子が違うという時には、何らかの病気やケガの可能性があるので早めに動物病院を受診しましょう。

心拍数の測り方

一般的な心拍数の測り方は、左胸の心臓の位置に指先か手のひらを当て、1分間に心臓の鼓動を何回感じるかを数える方法をとります。できるだけ安静にしている時が望ましいとされていますので、しばらく抱っこで落ち着かせてから測るとよいでしょう。1分間測るのが難しい場合には15秒間だけ計測し、その数を4倍にして算出しても問題ありません。

犬が寝転びながらくつろいでいるような時であれば、後ろ足のふとももの付け根でも計測が可能です。このように心拍数は自宅でも簡単に測ることができますので、自分のやりやすい方法をみつけましょう。一週間に1回ほどのペースで定期的に計測し、記録することで、心拍数の正常値を知ることができます。

犬の心拍数が多い原因

獣医師と犬と心電図

心臓は基本的に一定のリズムで拍動していまが、体や気持ちの状態によって犬の心拍数は変化します。

ストレス

健康な状態の犬でも、興奮や緊張状態にある時は心拍数や呼吸数などが大きく変化します。他の犬に遭遇した時や動物病院へ行った時には、ストレスを感じ、心拍数が乱れます。環境の変化などによる強いストレスを長く受け続けると、自律神経の乱れやホルモンバランスを崩す原因となり、心拍数や血圧、呼吸数などに異常をきたします。

激しい運動

犬が急に激しい運動を行い、体中の代謝が盛んになると心拍数が増加します。この場合、体を休ませ、呼吸が落ち着くと心拍数も正常に戻ります。しかし、激しい運動をしたわけではないのに異常がみられる時は、心臓の機能が低下する原因となる重大な病気を患っている可能性が考えられます。異常に気づいた時には、早急に動物病院を受診してください。

温度変化

暖かい部屋から急に寒い部屋へ移動した時など、温度差によって血圧が急激に変化することをヒートショックと呼びます。人間とは違い毛皮を脱ぎ着できない動物にとって、温度変化は体に大きな負担をかけてしまいます。

その中でも、子犬や老犬、持病などを持つ犬は注意が必要です。ふらつき、突然の嘔吐や下痢、貧血などの異常がみられた場合には心拍数や呼吸数がいつもより増加していないかチェックしましょう。

犬の心拍数が多い時考えられる病気

診察を受ける犬

犬の心臓は右心房、右心室、左心房、左心室という4つの部屋で構成されています。心臓の右側部分では、全身を巡ってきた汚れた血液を肺に送る働きをし、左側部分ではきれいになった血液を肺から受け取り、全身に送っています。犬にとっても心臓病は珍しい病気ではなく、特に高齢犬にはよくみられます。

心拍数が速すぎても遅すぎても、心臓病の疑いがあります。心臓病にもいくつかの種類が
あるので、具体的な症状をそれぞれチェックしましょう。

僧帽弁閉鎖不全症(弁膜症)

犬に多い心臓病の一つに「僧帽弁閉鎖不全症」があります。発症している場合、聴診器で心音を聞くと心雑音が聞こえ、心拍数の数値も上昇しているはずです。

あらゆる犬種に発生する可能性がありますが、遺伝的な素因があるとされるキャバリアや小型犬は特に多くみられます。僧帽弁に異常が起こるこの病気は、全身に血液が行き渡らなくなり、疲れやすくなったり、咳が出やすくなったりという症状も引き起こします。

拡張型心筋症

心臓の筋肉の機能が徐々に低下する病気で、安静時に心拍数が120以上(興奮時には180以上)になることがあります。ドーベルマンやボクサーをはじめとする多くの大型犬で認められており、ゼーゼーとした咳や呼吸が苦しくなるなどの症状がでます。発症の原因は不明ですが、僧帽弁閉鎖不全症に比べ発症数はあまり多くはありません。

先天性心血管奇形

生まれた時すでに異常を持っている心臓を「先天性心血管奇形」と言いますが、その中でも犬に最も多いのは「動脈管開存症」です。心拍数は個体や重度によって異なりますが、心拍数が130を超える異常な数値を示したケースもあるようです。子犬のころは無症状な場合もあるので、最初のワクチン接種の際に、動物病院で心臓の音もあわせてチェックしてもらいましょう。

犬の心臓病が進行すると、体に必要な血液が十分に送り出せなくなり、心不全を起こす可能性があります。心拍数の異常とともに咳が出る、運動を嫌がるなどの症状がみられた場合、すでに軽度〜中程度の心不全を起こしている可能性があるため、早めに動物病院を受診しなければいけません。

犬の心拍数が多い時の対策

水を飲む犬

快適な環境を整える

犬はリラックスしている時や寝ている時には、心拍数や呼吸数が低下することが分かっています。犬の体に負担がかからないよう、室温を一定に保つとよいでしょう。犬が快適に過ごすために推奨されている温度は22度前後、湿度は50パーセント前後です。特に状態が悪い時は、できるだけ興奮させないよう、落ち着ける環境を整えてあげることが大切です。

水を飲む量に気をつける

犬が水をよく飲むのは、何らかの病気の予兆かもしれません。心拍数が多くなる心臓の病気でも、水をよく飲む症状がみられます。他にも呼吸が荒い、散歩など運動をしたがらないなどの症状がみられることがあります。なんだかいつもと様子が違うなと感じた時は早めに獣医師に対処法を相談してください。

水をよく飲むことは、精神的なことが理由となっていることもあります。緊張を紛らわす時や、飼い主の気を引きたい時に水を多く飲むことがありますので、環境の変化などストレスには注意してください。特に老犬の場合は、ストレスが重大な病気の要因となりえますので、ストレスを溜め込まない生活を心がけることが大切です。

まとめ

心電図でハートを書く人と犬

犬の心拍数が多くなる原因は様々ありますが、普段の心拍数の正常値をチェックしておくことで、すぐに異常に気付いてあげられます。現在は、犬の心拍数や呼吸数を測るアプリなども登場しており、上手く活用すれば簡単に数値を記録しておくことができるようになっています。

犬の様子の違いにいち早く気づき、心拍数を上げている原因を取り除く、病院を受診する、犬がリラックスして過ごせる環境を整えるなど、素早く対策をとることも重要となるでしょう。犬の心拍数をいつでも測れるよう、計測の練習をしておくことをおすすめします。

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