イヌ科の瞳の研究に進化のロマンが見えるかもしれない

イヌ科の瞳の研究に進化のロマンが見えるかもしれない

イヌ科動物の毛色と瞳の関係を考察した興味深い研究が発表されました。私たちを見つめる犬の目に改めて思いを馳せたくなる内容です。

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イヌ科動物の目の研究

オオカミの正面顔アップ

東京工業大学と京都大学、そして2つの動物園の研究者が、オオカミをはじめとするイヌ科の動物の顔の毛色、目、瞳孔の目立ちやすさと、狩猟行動の関係について興味深い研究を発表しました。

犬も含めてイヌ科動物の目の形状が、それぞれの動物が群れのメンバーとコミュニケーションを取るために、目=視線をどれくらい活用しているかを示唆しているというものです。

ふだん何げなく「かわいいな」「きれいだな」と思って見ている犬の目や視線に、新しい意味やロマンを感じるようになるかもしれない、その内容をご紹介します。

顔の中で目と瞳孔がどれくらい目立っているか

こちらを見つめるタヌキ

研究チームは、25種のイヌ科動物の320以上の成体の写真サンプルを集めて分類するところからスタートしました。顔の毛色、顔の中で目の位置が容易に確認できるくらいに目立っているかどうか、目の中で瞳孔の位置が確認できるくらいに目立っているかどうかを基準にして、3つのグループに分けられました。

  • グループA「顔の中の目の位置と、目の中の瞳孔の位置がどちらも目立っている。オオカミ、キツネ、ジャッカルなど」
  • グループB「顔の中の目の位置だけが確認できる。フェネック、ディンゴなど」
  • グループC「顔の中の目の位置も、目の中の瞳孔の位置も分かりづらい。タヌキ、ヤブイヌなど」

さらに、この分類と狩猟行動を重ねて比較して見ると、目と瞳孔の両方が目立っているグループの動物は群れで狩りを行い、その際にお互いの視線でコミュニケーションを多く取っていることがわかりました。

群れ内でのコミュニケーションをより円滑にするために、毛色や瞳孔の色がわかりやすく目に付きやすいものに進化したと考えられますね。

グループBやCの動物は、ペアまたは単独で狩りをするため、群れでの狩猟ほどには視線によるコミュニケーションは必要がありません。むしろグループCのように目が確認しづらいと、視線の動きで獲物に動作を察知されることを防ぐため、狩りに有利になります。

では我らが愛する犬の目は?

黒い犬の茶色の瞳アップ

この研究には、私たちに最も身近な犬は含まれていません。犬の体の形状はあまりにもバリエーションが豊富すぎて、分類に混乱を来すかもしれないし、ほとんどの犬は犬だけで狩猟行動はしないですものね。

けれども、この視線によるコミュニケーションという面から犬の目を考えると、私たちの多くがよーく知っているように、犬の目はそれはそれは雄弁です。

顔の中での目の存在感はとても大きく、瞳孔も良く見えます。群れのメンバー=人間とコミュニケーションを取るために、犬の目はこんなふうに進化してきたのかなと思うと、犬への思いが一層強くなるような気がします。

反対に、プリミティブドッグと呼ばれるあまり人の手が入っていない原種に近い犬種では、目の表情がわかりにくい犬もいます。このような犬は独立気質が強い傾向を持つことが多く、目の形状をきっかけに、改めて犬のルーツに思いを馳せて尊重する気持ちになります。

まとめ

椅子に乗ってジッと見つめるキャバリア

イヌ科動物の目の形状や顔の中での目立ちやすさが、狩猟行動や群れ内でのコミュニケーションに大きく関連しているという研究の内容をご紹介しました。

オオカミの群れ内のアイコンタクトとは少し違う方向に進化した犬の視線のコミュニケーション、その背景にあるものがわかるような研究と言えます。

犬の視線も種としての進化の結果であるなら、人間の都合での擬人化や人間目線の解釈をせずにきちんと読み取る努力が必要だと痛感します。

《参考》
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0098217

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