犬の便秘の原因とは?症状やおすすめの解消法、注意点を紹介

犬の便秘の原因とは?症状やおすすめの解消法、注意点を紹介

犬が便秘になるのはどのような原因があるのでしょうか。便秘の症状を詳しく説明し、おすすめの便秘解消法や、便秘になったときの注意すべき点を紹介いたします。

犬のウンチは何日出ないと便秘なの?

トイレットペーパーと犬

愛犬のうんち、毎日きちんと出ていますか?人間でも便秘になると、お腹が苦しくて辛い思いをしている方は多いですよね。犬も便秘になります。

犬が便秘といわれるのは、何日ウンチが出なかった場合に便秘と言われるのか、どのような症状が出るのか、などを詳しく説明していきます。

犬の便秘に明確な判断基準はない

犬の排便の回数は、だいたい1日に2回~5回です。犬の年齢や運動量、食べる量によってそれぞれなので、何日からが便秘であるという明確な判断基準はありません。人間のように何日も出ないという場合は、犬にとっては大変な状況です。

犬の便秘には、具体的な日数や期間の判断基準はありませんが、普段の排便のサイクルを考慮し、いつもよりもウンチの出る回数が少ない場合は便秘を疑ってください。また普段の様子と変わったところがないかなどもよく観察をしましょう。

便秘気味のときの犬の症状

便秘の時は以下のような症状、特徴が出る場合があります。

  • ウンチの姿勢をとっているのに排便できていない
  • ソワソワして落ち着きがない
  • いきむときや排便時に痛そうに鳴く
  • 元気がない
  • 吐き気がある
  • 食欲がない
  • 口臭がきつい

便秘になるとこのように様々な症状があらわれます。消化管の動きが悪くなることでつまりを感じ食欲や元気が無くなります。

便秘を判断する便の状態

犬の排便の状態が正常な時は、茶褐色で湿り気のある固形のウンチが出ます。
便秘の時は、

  • 便がコロコロと硬い
  • 便が乾燥していて、ウンチに血が付着している(粘液交じりの血便がでている)

など、ウンチは出ていてもこのような特徴がある場合には便秘気味になっている可能性があります。

お腹が張っている様子がある

お腹に便が溜まって、お腹が張ることがあります。便が詰まっているだけはなく、ガスが同時にたまることもあり、おならを頻繁にします。

パンパンに張って苦しそうにしていたり、お腹を触ったら痛がる場合には便秘によるものかもしれません。

犬が便秘になる原因

フードボウルと伏せる犬

犬が便秘になる原因は様々です。病気によるものやドッグフードなどの種類、ストレスが原因になっている場合もあります。

便秘に対する対処を行う際には必ずどのようなことが原因になっているかを知ることが必要です。まずはどのような原因で犬が便秘になるかを詳しく説明します。

犬の飲水量が少なく体が水分不足に陥っている

犬が必要とする水分が足りなくなっている可能性があります。普段から水を飲まない犬は、水分不足になりがちです。体内の水分不足は便に影響が出やすいので気を付けてあげましょう。

食事内容が犬の体質に合っていない

低カロリーフードにみられる不溶性食物繊維は、犬の体質によっては便が極端に硬くなってしまう可能性があります。一般的に便秘予防といわれる食物繊維がたっぷりなフードが体質に合わなく、逆に便秘を引き起こすこともあります。

また犬が苦手な植物性タンパク質を含む穀類(とうもろこし、小麦など)が使用されているフードや、低品質な原料を使用しているフードは、消化器官に負担がかかり胃腸の調子が悪くなり便秘や下痢を引き起こす可能性があります。

また、いつもはウェットフードを食べていたのに、ドライフードに切り替えた場合などは食事からとる水分量が少なくなり便秘がちになることもあります。犬の食事の種類の切り替え時には少しずつ混ぜて慣らしていきましょう。

またカルシウムの与えすぎによる便秘もあります。おやつで与える骨ガムなどの食べ過ぎには注意が必要です。

運動不足やストレスで腸の動きが悪い

運動することによって腸の動きが活発になったり、喉が渇くので飲水量が多くなり便秘のリスクを減らすことができます。また、ストレスを感じると消化器官の動きが悪くなり、便秘を引き起こすことがあります。

例えば、子犬を新しい家に迎え入れた時になかなかうんちが出なかったりも環境の変化による便秘です。引っ越しで環境が変わる、旅行でホテルに預けたときなどにストレスを感じたりすると便秘の原因になります。

老化により犬の筋力が低下して上手にいきめない

老化すると筋肉が衰えて後ろ足の踏ん張りがきかなくなり、排便のとき十分にいきむことが難しくなります。また高齢で寝たきりになった犬は、ウンチを大腸から送り出す力も衰え、排便が難しくなります。

薬の副作用や病気で排便しにくくなっている

病院で処方された薬の副作用で便秘を引き起こしてしまうことがあります。例にあげると、抗生剤のフラジールなどは副作用で下痢を引き起こすことがあります。

そのため下痢止めとして出された薬で便秘を引き起こすなど、普段のまない薬を飲んでいる場合は消化器官の動きが普段と異なるために、便秘や下痢の症状を繰り返す場合があります。

また利尿剤の服用は、体内の水分が尿として排出されるため便秘になりがちになります。

避妊・去勢手術の麻酔あとに便秘気味に

去勢・避妊手術による麻酔後、一時的に消化器官の動きが悪くなり便秘がちになることがあります。手術後には排便にも気を付けて観察が必要です。

発情期(ヒート中)の症状

犬は発情期(ヒート中)に、尿漏れや便秘などの症状が出る場合があります。出血などのケアとともに体調管理に気をつけましょう。

病気

椎間板ヘルニアなどで腰などに痛みを伴う場合に、排便時にいきむことができなかったり、神経の働きが弱くなることから、お腹の動きが悪くなり便秘がちになります。

他にも、消化管内腫瘍や前立腺肥大などの病気は、腸を圧迫して便の通過を妨げ腸閉塞(イレウス)を引き起こし便秘になります。また猫に多い巨大結腸症という病気は犬には稀ですが、便秘を引き起こす病気として知られています。

誤飲

異物を誤飲したり、毛玉を飲み込むことによって腸閉塞(イレウス)を引き起こして便秘になります。便秘とは逆に下痢を引き起こすこともありますが、どちらも消化器官のつまりが原因です。吐き気なども同時に伴いますので注意が必要です。

犬の便秘の対処方法

お腹を撫でられる犬

犬が便秘になった場合は、どのように対処したら改善するでしょうか。

実際には動物病院に相談をし、症状や犬の状態に合わせた治療を行うことをおすすめしますが、飼い主さんができることとして便秘解消に良い食べ物や対処法などをお伝えします。

犬の1日の飲水量や運動量を増やす

犬の便秘解消には適度な運動が必要です。運動することで腸の動きも活発になり大腸のぜんどう運動(便を送り出す機能)も活発になるのでおすすめです。水分を十分にとることは便秘の解消法としてはとても大切です。

もともと水分補給をしない犬におすすめなのは、フードを水に浸して食べさせたり、スープを手づくりすることです。食べ物と一緒に少しでも多く水分を補うことができれば便秘予防に効果的です。

お腹のマッサージやツボ押しを行う

お腹のマッサージを行うことで便秘の改善や予防ができます。お腹の血流が良くなり腸の動きが活発になります。運動量が減ったシニア犬の場合は、特にマッサージは効果的です。

また、犬の腰のあたりに犬の便秘が改善するツボがあります。お腹のマッサージとツボ刺激は、犬が痛がらない力加減でおこないましょう。アロマを使用したマッサージは犬の体質によってはアレルギーの恐れがあるので注意が必要ですが、リラックス効果もあるので人気です。

便の状態を改善できるフードに変更する 

便通が良くなる食事として手作りのフードを与える飼い主さんも増えています。与える食べ物はアレルギーや量に注意が必要ですが、以下のものが便秘に効果があるとされています。

  • 油(オリーブオイルなど)
  • サツマイモなどの野菜
  • ヤギミルク
  • ヨーグルト

便秘に効果的な手作りご飯のレシピはネット上にもたくさん情報があります。便秘のときに与えれば即効性があるというよりは、普段から整腸作用のある食材を取り入れることで体調の安定につながります。

ダイエットに効果のある水溶性食物繊維は、便秘になりやすくなる可能性があります。食物繊維は便に良さそうなイメージがありますが、犬の体質によっては逆効果になる場合もあるので注意しましょう。

服用する薬の種類や病気の治療法を獣医師に相談する

犬が便秘になった場合、病院では触診などをおこなって溜まっている便の有無などを確認します。塊が溜まっていればレントゲン検査をして詰まっている原因を調べます。

治療としては、整腸剤として乳酸菌やラクツロースという薬が処方されることがあります。ひどい便秘になっていない場合には、即効性のある治療薬です。

もし整腸作用のあるサプリメントなどを取り入れたい場合も必ず医師のアドバイスを受けましょう。

犬の便秘に関する注意点

診察される犬

犬の便秘に対して飼い主さんができる対処法はあくまで簡単にできる方法が中心になります。他の対処法として浣腸などもありますが飼い主さんがおこなうのは危険が伴うこともあります。

その他にも、犬が便秘になったときに特に注意しておくべき点をお伝えします。

便秘による悪影響が強い時は様子を見すぎない

犬が便秘になったときに健康状態に下記のような変化がみられる場合には、緊急性が高い場合がありますので、すぐに病院に相談してください。

  • ぐったりしている
  • お腹がパンパン
  • 食欲不振
  • 嘔吐
  • 痙攣
  • よだれ
  • 動かない
  • 苦しそう
  • 息が荒い

たかが便秘と思われがちですが、吐くことが続いたり食べない場合ことが何日も続くようであれば、犬の状態によっては死ぬ危険性もあるかもしれません。

上記のような症状がなくても、1日、2日様子を見ているうちに、いつの間にか1週間もたっていたということがないように、しっかり観察しておきましょう。

人間用の便秘薬の使用や浣腸処置は獣医師に相談する

人間の便秘薬としても処方される酸化マグネシウムやなどの下剤は、犬にも同様に処方される場合があります。しかし飼い主さんが人間用の薬を勝手に犬に与えるのは危険です。犬の便秘の状態などを見て必要量を処方してもらう必要があります。

また、便秘の際に綿棒の先端にワセリンをつけて滑りをよくして肛門を刺激したり、固まった便をかき出す方法がありますが、獣医師の指示なく飼い主さんの独断で行うと、大腸や肛門を傷つけたりする危険を伴います。

必ず必要な処置は獣医師の指示のもとおこないましょう。

過剰な便秘対策で下痢を引き起こす可能性

便秘にいいとされる食品や飲み物などを過剰に与えることは、逆に下痢を引き起こしたり消化器官に負担をかけたります。

繊維質の多い食事や、牛乳など便秘にいいとされていても、犬の体質に合わない場合は逆効果になります。与えすぎずに犬の体調面をよく観察しながら与えましょう。

まとめ

トイレシートで振り向く犬

いかがでしたか?

  • 便が普段より回数が極端に少ない
  • 便が出にくい様子がある
  • 便に血が付着する
  • お腹が張っている

このような症状があれば便秘の可能性があります。

対処としては、体調をみながら便秘に良い食事を心がけたり、お腹をマッサージするなどの他には無理をせずに獣医師の指示を受けて治療するのが最善です。普段から便秘気味の場合には、適度な運動や十分な水分をとれるように心がけることが大切です。

便秘は意外に軽視されがちな病気ですが、放置すると体調の悪化に繋がりますので、毎日のウンチの様子はしっかり把握するようにしてください。

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