犬のアンダーショットとオーバーショットについて

【獣医師監修】犬のアンダーショットとオーバーショットについて

「アンダーショット」と「オーバーショット」とは、簡単に言うと「噛み合わせが悪い」という事です。今回は、「アンダーショット」と「オーバーショット」がどんな状態のことを指すのか、また治療法はあるのかなどについて、ご紹介したいと思います!

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

犬の歯の仕組みについて

口を開けた犬の顔アップ

アンダーショットとオーバーショットの違いについて理解するには、まず犬の歯の仕組みについて知っておく必要があります。

門歯/切歯(もんし/せっし)

人間の歯で言うなら、前歯にあたる部分を「門歯/切歯」と言います。
食べ物を食いちぎるための役割があり、上下でそれぞれ6本ずつ生えています。

犬歯(けんし)

犬歯は、いわゆる「牙」のことで、上下で各4本ずつ生えています。

前臼歯(ぜんきゅうし)

門歯の横に生えている歯で、上下で各8本合計16本生えています。

後臼歯(こうきゅうし)

前臼歯の後ろにあり、食べ物をすりつぶす役割を果たしています。
後臼歯は、上4本、下6本の合計10本生えています。

アンダーショットとは

上目遣いをしているブルドッグ

アンダーショットとは、口を閉じたときに、下の門歯が上の門歯よりも前に出てしまっている不正咬合で、いわゆる「受け口」のように見える状態のことです。

オーバーショットとは

犬の口元アップ

オーバーショットとは、下顎よりも上顎が長い状態の不正咬合で、「出っ歯」に見える状態のことです。

他にも不正咬合の種類はあります。

不正咬合になる原因

台に乗ったパグの親子

遺伝

親犬が不正咬合の場合、その親犬が生まれてきた子犬も、不正咬合である傾向が高い可能性があります。

乳歯遺残(にゅうしいざん)

乳歯遺残とは、本来、成長とともに抜け落ちる乳歯が抜けずに残ってしまい、永久歯が正常な位置に生えてこないために、不正咬合になってしまいます。

外傷

子犬のときに顎を脱臼したり、骨折したりして、顎が変形し、歯の成長が阻害されたことで不正咬合となる場合があります。

作為的な繁殖

ブルドッグ、パグ、ボクサーなどの犬種は、「受け口」であるアンダーショットがスタンダード(理想的な容姿)とされています。
これらの犬種がアンダーショットなのは、人間の手よって作為的にアンダーショットとなるように改良されたためです。

不正咬合の欠点

飼い主からオヤツをもらうボクサー犬

食べ物が食べにくい

歯にはそれぞれ役割があり、その役割を果たすために正しい位置に生えている必要があります。
けれども、不正咬合になると歯の位置がずれていて、咬み合わせが悪いため、食いちぎれるものが食いちぎれなかったり、口の中ですり潰すことができなかったりして、食べ物を丸飲みしてしまうと言ったことが起きます。

口の中が傷つきやすい

本来、上下でしっかりと咬み合わせることができていれば、歯肉に歯が刺さることはありません。けれども、不正咬合の場合は、歯が歯肉や舌に当たってしまい、頻繁に口の中を傷つけてしまいます。

歯周病のリスクが高い

歯並びが悪いと、歯と歯の間に歯垢が溜まりやすく、その分、歯周病のリスクが高くなります。

不正咬合の治療方法

獣医師に口を診察されている犬

抜歯

もし乳歯遺残がるようであれば永久歯が正常な位置に生えてくるように、あらかじめ乳歯を抜歯する方法があります。
犬の乳歯は、生後4~6か月の間に永久歯へと生え変わるので、乳歯を抜歯する治療方法はその間に行います。また生え方によって歯肉や舌を傷つけている歯を抜歯するという方法もあります。

歯列矯正

すべて永久歯になってしまった後で行う治療です。歯の治療を得意としている特定の獣医さんなら、歯列矯正をすることも可能です。

まとめ

ウインクをしているフレンチブルドッグ

アンダーショットにしろ、オーバーショットにしろ、不正咬合と言っても命に関わるような重大疾患ではありません。
歯垢が溜まりやすい、食べ物が食べづらそう…と言った問題も、飼い主さんの工夫やケアの仕方で解決することができます。
抜歯などの治療は全身麻酔をかけて行うので、リスクが全くないワケではありません。

不正咬合であっても、家庭犬、コンパニオンアニマルとしての価値が下がるワケではありません。それはその犬の個性と考えるべきなのではないでしょうか?

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